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「ペーパーハウス」シーズン3(ネットフリックスオリジナル/海外ドラマ) 感想 ~情熱の赤とダリのお面を纏った、愛に生きる強盗団【おすすめ度:★★★★】

NETFLIXでもっとも視聴された非英語圏ドラマとして絶大な人気を博したシーズン1・2に続き、シーズン3がリリースされた「ペーパーハウス」。
スタイリッシュで人間臭い最高の犯罪ドラマの新章が幕を開けます。
今回も最高ー!!

 

★ペーパーハウス シーズン3

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メインクリエイター:アレックス・ピナ(Alex Pina)
キャスト:ウルスラ・コルベロ(ÚrsulaCorberó)、アルヴァロ・モルテ(Alvato Morte)、アルバ・フローレス(Alba Flores)、ペドロ・アロンソ(Pedro Alonso)、Itziar Ituño

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

あのスペイン王立造幣局襲撃事件の後、散り散りになってその後の人生を謳歌していた強盗団の面々。
しかし、リオが捕まったことをきっかけに、彼らが再び集結するー。

 

◆感想◆
※シーズン1・2のネタバレをしています。
※シーズン3についてはほぼほぼネタバレしていません。

シーズン3に入る前に、シーズン1・2の感想とキャラ紹介はこちらをどうぞ。
全22話で一つの強盗計画を描いた、スペイン製のドラマシリーズです。

www.evisilli.website


こちらの記事でも書きましたが、このドラマシリーズのオススメポイントは、

1、一癖もふた癖もある美男美女揃いで人間臭い強盗団メンバー

2、ピンチも全て織り込み済み!?教授の完璧な強盗計画と、なりふり構わぬ遂行ぶり

3、強盗ものの鉄則を抑えた、スタイリッシュでちょっとエモい映像

4、少しづつ計画を崩していく、強盗と人質それぞれの恋愛模様

と、「アマチュア犯罪集団」「色恋事情が絡む」といった、ともすれば嫌われそうな要素が強いながらも、二転三転する物語と魅力的なキャラクター像がそれ以上にせり上がってくる脚本・演出の上手さ、そしてその色恋事情に厚みを持たせる華やかなキャスト陣の魅力が何よりの見どころです。


今回のシーズン3は、強盗計画完遂後、散り散りになって逃亡生活を送っていた強盗団が、ある目的のために再び集結する所からスタート。
その目的とは、トーキョーと恋仲となり2人で楽園生活を送っていたさんか、身柄を捉えられ拷問を受けているリオの救出。
リオを失って教授に助けを求めたトーキョーは、彼の声掛けで集まったかつての仲間、ナイロビ、ヘルシンキ、デンバー、そしてデンバーと恋仲となり子供も生まれたモニカことストックホルム、教授と共に生きるために警察を裏切って仲間となったラケルことリスボン、彼らにリオの救出に協力するよう訴えかけ、彼らもその声に答えます。

前回から引き続きの部分も多くありますが、今回のシーズン3の大きな見どころはこの5つ!

1、造幣局内からスペイン社会へと舞台を広げ、反体制派のアイコンへと変わったダリのお面の強盗団
前作でただただ「カッコいい」という印象だった、強盗団のメンバーが愛用するダリのお面は、社会の決定権を握り、裏で悪事を働く国や政府に対抗する彼ら強盗団を「反体制派」の象徴として押し上げるアイコンとなり、そうした民衆の力を借りた「劇場型の犯罪チーム」として今回の彼らは動く事になります。
スペイン銀行の中での出来事と、その影響で国民がどう自分たちを受けとめ、彼らがどう行動するのかまでを計算した教授の計画。
自らを義賊的に演出することで強盗の舞台となるスペイン銀行外に“同士”を増やし、リオ救出に向けて世論を動かし、さらには「なぜスペイン銀行を狙うのか」という「本当の狙い」も正しくその計画戦上にあるという構造の上手さは相変わらず。
もともとシーズン1・2でも「血を流さず、誰のお金も盗まず、大衆を見方につける」という信念を持っていた教授の計画の元にアウトロー的なメンバーが集結しているからこそ、この方向性の発展も非常にうまくいっていて、より「彼らの仲間になりたい!」と思える魅力が増しています。

 

2、既存キャラの掘り下げが泣ける!愛に生きる激情型のメンバーたち

シーズン1・2の群像劇感が好きな方は、もしかしたらそこが少し薄れた事を残念に思うかもしれませんが、今回のシーズン3は既存キャラの掘り下げを大切にしていたと思います。
そもそも、これだけ「愛に生きる」ことを肯定された犯罪ドラマも珍しい。
普通であれば「強盗計画中なのに色恋にうつつを抜かせて、計画を混乱させて、あいつ何やってるんだよ!」と思うかもしれませんし、事実チラチラとそう思う瞬間もなくはなかったシーズン1・2。
ですが、観終わって思ったことは「人を愛すること以上に大切なことなんてあるのか?」ということ。
普通であればイライラ要素になりがちなこのエッセンスが、なぜ反対にこれだけ物語を豊かなものにしているのか?
それこそ、スペイン出身の彼ら俳優陣の根っこに流れる豊かな情、激しい情、そうした体の底から湧き上がるものの魅力なのではないかと思っています。
情熱の国・スペイン制作のドラマだからこそ出来るオリジナリティじゃないかなあ。

今回、メンバーの中でも特に切ない背景を持つナイロビの魅力が輝いていたのは言うまでもありません。
過去の失敗から人生をやり直すための計画、そして出会ってしまった叶わぬ恋、未来への希望の矢先に起きた不幸。
快活でかっこいい姐御肌の彼女が背負う後悔の念、そして深い愛情に涙するしかありません。

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3、強敵アリシア・シエラ現る

シーズン1・2のラケルと警察組織は正直有能とは言い難く、それは強盗団の計画が遂行されていく心地よさを重視した結果のものではありました。
しかし、シーズン3の敵は強い!
妊婦でありながら、いくらでも拷問を仕掛け、アメとムチを使いこなして精神的に追い込む女交渉人アリシアの容赦なさ。
彼女は、アメ玉を転がしながら教授との会話をコントロールしていく余裕っぷりや、単純にキャラクターとして目を引くぐらいに華のあるビジュアル造形(ポニーテールが決まってる)など、とても魅力的なキャラクターになっています。
しかし!
まじで教授やナイロビへ与えた精神的苦痛は許すまじ…。
どこか大きく相手を包み込むような母性を感じさせながら、一抹の情もなく相手の弱点を鋭く突き刺しに来るえぐさとのバランスが素晴らしいキャラクターです。

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4、「スペイン版 笑ってはいけない」!?教授のなりふり構わない頑張りぶり

シーズン1・2でも見どころだった、施設外から強盗団に指示を出す教授のなりふり構わなさがさらにエスカレート。
本当に、事件の黒幕にあたる存在がイケメンで色男でそしてお笑い担当って、キャラクター設定が盛りすぎだと思うのですが、それさえも軽やかにこなしていくアルヴァロ・モルテさんの魅力が今回もまた詰まりまくっています。
天才なので機転は回るんだけど、実行するときには緊張でぷるぷるして挙動が可笑しくなってしまうという美味しすぎるキャラクター設定。
私はシーズン1のときにころっと教授というキャラクタ―と演じるアルヴァロ・モルテさんが大好きになってしまいましたが、相変わらずシーズン3でも素敵です。

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5、スタイリッシュな映像、テンポの良い編集もパワーアップ!

映像のセンスはシーズン1・2でも見どころの一つでしたが、シーズン3ではさらにパワーアップ。
今回、前作で亡くなってしまったベルリンを登場させるという狙いのもと、「あの造幣局強盗とこのスペイン銀行の強盗、どちらも事前にベルリンと教授との間で話し合われていたものだった」とする回想シーンが登場します。
強盗事件の狙いをより深めるための「教授の解説(お勉強会)シーン」が適宜挟まれる演出なども引き続き健在で、いくつかの時制が混在する、ともすれば混乱を招きかねない構成となっていますがそのあたりもうまく捌いていた印象。
音楽のセンスの良さも相変わらずで、やはり銃撃シーンの魅せ方やここぞという場面での映像との合わせ方やテンポの良い編集に見入ってしまいます。
今回の見せ場の一つである「金塊のプール」という奇想天外な強奪アイディアも、ビジュアル的にめちゃくちゃ新鮮で素晴らしかった。

 

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トーキョーも相変わらず小悪魔美女。その髪型似合うの貴方だけです。

 

全8話と少な目の話数で終了したシーズン3はかなりのクリフハンガーで終了しており、シーズン4更新決定はおそらくもうすぐ発表されるのではないでしょうか?
ラストにアリシアがもたらした二つの精神攻撃が、彼らの中に「復讐心」を植え付けてしまったのではないでしょうか…?

配信は・・・恐らく1年半後ぐらいかな?楽しみに待ちましょう!

 

※画像は全てimdbより引用