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「ザ・レイン」シーズン2(ネットフリックスオリジナル/ドラマ)感想 ~ディストピア世界はいつだって若者に容赦ない【オススメ度:★★★】

NETFLIX初のデンマーク製オリジナルドラマシリーズで、シーズン1配信開始から1か月足らずでシーズン更新が決定した「ザ・レイン」。

そのシーズン2が5/17より配信開始。今回も面白い!

 

★ザ・レイン シーズン2

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出演:アルバ・オーガスト、ルーカス・リンガー・トゥネセン 他

 

◆シーズン1のあらすじ◆

濡れたら即死亡という殺人ウイルスを含んだ雨が突如降り始めたデンマーク。
混乱の中、シモーンとラスムスの兄弟は、父が務めるアポロン社のシェルターに逃げ込み、そこで6年もの間2人きりで生き延びる。
彼らをシェルターに置いて消えた父を探しに、6年後のある日2人はシェルターを出ようとするが、そこでマーティン、ベアトリスら若者グループと遭遇。
当初は対立するものの、ともに行動をすることに。
次第に友情、そして愛情をはぐくむ彼らだったが、ラスムスに隠された秘密が徐々に判明し、事態は思わぬ方向へ…。

 

◆シーズン2予告編◆

 

◆感想(途中までネタバレありません)◆

シーズン1は「ウォーキング・デッド」×「メイズランナー」といった感じで、王道中の王道ではありながら、デンマーク製の湿気感・寂寥感が新鮮な魅力となったディストピアサバイバルものでした。

※シーズン1の感想。

※そもそも「メイズランナー」って何?という方はこちらをどうぞ。

 

無味乾燥した世界が定石のジャンルながら、おしゃれな登山ルックや時折流れるクラブミュージックやポップス(デンマークのヒット曲?)もキャッチ―で素敵だったりして、どこかスタイリッシュな雰囲気。

そして何より、シモーンとラスムスという姉弟の絆とそれぞれのキャラクター、そして仲間たちの背景がテンポ良くかつ印象的に刻まれていて、彼らが皆「根っこはいいやつ」だからこそ先を見届けたくなる作品。

弟想いで、時に想いが先行しすぎてラスムスを縛り付けてしまう姉・シモーン。

幼い頃からシェルターで姉と2人きりで生きてきたことで、ワガママで子供っぽいまま成長してしまい、恋にも盲目的な弟・ラスムス。

状況を瞬時に察し、生きるために全てを使うしたたかさが魅力のベアトリス。

過去の辛い経験から、雨に濡れた人間に非情さを見せる元兵士のマーティン。

寂しがり屋の不良少年パトリック。

トラウマを抱えた少年ジャン。

優しく無垢すぎる心を持ったために、貶められた過去を持つリア。

彼らを中心に進む物語はやがて、この雨の秘密と、シモーンとラスムスの父フレデリックが務めるアポロン社との関係、そしてラスムスに秘められた秘密へと辿りつきます。

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※ここからネタバレあり※

 

シーズン1のラストで「既に雨に殺傷力はなくなっていた(!!)」ことが明かされ、そしてフレデリックがかつて幼いラスムスの体を使って何らかの実験をしていた事が判明。

しかしラスムスの免疫力が災いし、その実験ウイルスが突然変異してしまい、彼は体内にウイルスを留めながら人に感染させ殺す事が出来るようになってしまいます。

雨に濡れて死んだものと思われたベアトリスも、恐らくそんな自分の能力を知らないラスムスからセックスによってウイルスをうつされてしまったからなのでしょう。

(本当に可愛くて素敵なキャラだったので、死んだのが惜しいよベアトリス)

外部に放出されるたびに凶暴性を増していくそのウイルスは、一度はシモーンらの懸命の努力で完治したかのように見えましたが、遂には彼の怒りと相まって歩く生物兵器としてラスムスを支配する事に…。

 

そう、「ウォーキング・デッド」×「メイズランナー」から、「X-MEN」×「メイズランナー」なテイストへと物語はスライドしてきました。

ラスムスの「望まず得てしまった能力」「制御の利かない殺傷力との対峙」は、「X-MEN」のミュータントたち、特にダーク・フェニックスやローグあたりの物語と近しい印象で、まさに今彼らの若い頃を若手キャストで映画化している最新シリーズ作品群との類似点がちらほら。

意志とは関係なく、内なるウイルスの暴走によって多くの人を殺めてしまうラスムス。

シモーンは愛ゆえにそれを隠し、ラスムスにも仲間にも嘘をつく。

しかしその嘘が引き金となり、事態は悪化の一途をたどっていく…。

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なにより、悪化を助長する一旦は彼らの「幼さ」にあるということ。

愛ゆえに、冷静な判断が出来ずただ自分の意のままにラスムスをコントロールしようとしてしまうシモーン。

彼女の愛ゆえの嘘を受け止められなかったマーティン。

唯一彼女を救うために身を差し出したリアの、その心を受け止めきれなかったジャン。

そして、シーズン1から描かれてきた通りわがままで子供っぽく、恋に真っすぐで盲目的なラスムスが、ベアトリスの生まれ変わりのような風貌を持つ、生まれつき病弱な体質で無菌室に監禁状態の少女・サラとの出会いによって、自分たちを抑圧する世界からの逃亡を試みる展開には「幼さ」のすべてが詰まっています。

 

この「幼さ」に、もちろんちょっとイライラはするんだけれども。

でもやはり、S1で丁寧に一人ひとりの背景を描き、その「根っこはいいやつ、純粋なやつ」をちゃんと描いてあるからこそ、そしてほんのすこしづつだけれども成長しているからこそ、皆なんとか負のループを抜け出して欲しい~と思ってしまうんですよね。

ラスムスは特に、10歳ぐらいのときのキュートな姿も、ベアトリスに向けた真っすぐすぎる恋する少年の眼差しも、サラに向けた同類としての親近感が淡い恋心に変わる瞬間も観てしまっているので、あまりに幼い真っすぐすぎる行動にも「いやでも、彼にも少しぐらい自由で幸せな瞬間をあげたっていいじゃん…」みたいな気持ちになってしまうので制作陣の思うつぼです。

演じるルーカス・リンガー・トゥネセン君の、アントン・イェルチンとエル・ファニングとトーマス・ブロディ=サングスターを足したような風貌は、そんな想いを抱かせ不憫さを背負わせるにはぴったりのルックスで、よく見つけてきましたねほんと。

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そしてその幼さに、姉や周囲からの抑圧とサラを殺された怒りが加わる事で、ウイルスの持つ能力と彼の体が相互作用を起こし結びついてしまうラストの哀しさ。

幼い恋に生きがいを見出していた彼の悲しい運命に対する怒りは、若者にこんな厳しい世間と人生を突きつけたらそりゃ世界を恨むよな~という納得感しかない。

この後、ヤングアダルト小説のような「残酷な世界と自分」という向き合い方の物語へと進んでいくのでしょうか。

アポロン社の陰謀もちらついていましたが、きっと彼の体内で凶暴化したこのウイルスを生物兵器的に加工して大儲けしようっていう展開なんでしょうね。

そのあたり引き続き王道プロットではあるんですが、幼い彼らがどう乗り越えていくのかを見たくてたっぱりシーズン3も観てしまう気がします。

サラの生き返り、不吉な予感しかしないけど…!

 

シーズン3はまだ決まっていませんが、更新するといいなあ。

シーズン1、2はNETFLIXで独占配信中です。

 

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※画像は全てimdbより引用