アラサー世代、程度の差はあれどポケモンって認知率100%なんじゃないでしょうか?
それぐらいゲームの大流行とアニメのヒットは物凄かったですよね。
「ピカチュウ カイリュウ ヤドラン ピジョン~」って歌ったなあ。。。
そんなポケモンが、ピカチュウを主人公にキュートすぎる実写化!
そんな「名探偵ピカチュウ」の感想です。
★「名探偵ピカチュウ」
監督:ロブ・レターマン
出演:ライアン・レイノルズ、ジャスティス・スミス、キャサリン・ニュートン
◆予告編◆
◆あらすじ◆
子どもの頃にポケモンが大好きだった青年ティムは、ポケモンにまつわる事件の捜査へ向かった父ハリーが家に戻らなかったことをきっかけに、ポケモンを遠ざけるように。ある日、ハリーの同僚だったヨシダ警部から、ハリーが事故で亡くなったとの知らせが入る。父の荷物を整理するため、人間とポケモンが共存する街ライムシティへ向かったティムは、自分にしか聞こえない人間の言葉を話す“名探偵ピカチュウ”と出会う。かつてハリーの相棒だったという名探偵ピカチュウは、ハリーがまだ生きていると確信していて…。
◆感想(途中までネタバレなし)◆
今回とにかく宣伝が上手かったワーナーさん。
ピカチュウ=ライアン・レイノルズ とキャスティングが発表された時の衝撃。
ピカチュウのビジュアルが発表された時の衝撃。
可愛い!そしてしわしわ!そしてちょっとだけおじさん声!(好きです)
「黄色くて小さいやつは無条件に可愛い」のはミニオンズが証明済みですが、そこにしわしわともふもふとおじさん声というギャップまで足され、ちょっと得意げな顔で名探偵然とするピカチュウのビジュアルはあまりに最強すぎました。
私正直、ポケモン151匹言えません。しかも今はもっと多いはずですね。
ポケGOもやっていないし、ゲームも緑か何かをちょろっとやっただけでだいぶ初期に卒業しちゃったし、そこまで思い入れもありません。
だけど、ピカチュウのあまりのビジュアルの可愛さと「CV:ライアン・レイノルズ」というギャップに惹かれて初日に鑑賞。
結果、めちゃくちゃ楽しかったです。
まず、溢れ出んばかりのポケモン愛。
ポケモン好きな人がきっと夢に見たであろう「ポケモンと人間が共存する街」。
世界の大都市をごった煮にしたような(新宿西口のモード学園のビルっぽいのありましたね)ライムシティという舞台は、数多の種類のポケモンが人間とともに生活をしている様を夢に溢れた形で見せてくれます。
そんな街に行きかう多種多様なポケモン。
ドダイトスやバリヤード、メタモンなど、正直無くても物語上問題ないよね?というシーンもいくつかあるんですが、制作陣の「このポケモンを見せたいんだ!!」という執念のようなものを感じました笑。
原典への愛に溢れたエンディングも必見です。
可愛い系ポケモンにはぬかりがなくて、ピカチュウはもちろん、相棒となるルーシーのパートナーであるコダックや、大群で登場するフシギダネにとにかく癒されます。
でもやっぱりピカチュウが一番。
正直ピカチュウを見る為だけでも、もう一回観たい。
そもそも、初期のゲーム「青・赤・緑」の冒頭で選べるポケモンにはピカチュウはいなかったはず。
アニメ化の際にピカチュウを主人公の相棒に据えた人、本当に天才だと思います。
※ちょっと調べてみましたが、アニメの中心に据えただけでなく、他のポケモンの名称は各国で異なる中ピカチュウだけはどの国でも「ピカチュウ」であの声をそのまま使うことを徹底していたりして、やはりここに賭けたのが成功の要因のようですね。結果、海外では「劇場版ポケットモンスター」シリーズは「ピカチュウ THE MOVIE」シリーズとして公開されるぐらい、この一匹が強力に引っ張って行って今回に至っているようです。
※これ以降ネタバレあります※
そして相変わらず凄いなと思うのは、ハリウッドのこうしたおもちゃやゲームなどの実写化の際に作用する想像力と物語化力。
海戦ボードゲームである「バトルシップ」を落ちこぼれ青年を主人公にエイリアンと戦う映画に仕立て上げるなど、新しく普遍性あるテーマから土台を構築して物語化し、そこにその作品ならではの捻りや見せ場の要素として主題となるネタをまぶす手法は個人的にもとても好きな形。
今回も「サトシとピカチュウのポケモンマスターへの冒険の道」の話ではなく、ティム(ジャスティス・スミス)の父親離れの成長物語にポケモンを掛け合わせています。
成長物語という老若男女に受け入れられやすい土台で集客しつつ、その中に濃すぎるほどのポケモン愛をこれでもかと押し込んでいくスタイルは今回もとても上手くいっていて、「ピカチュウ」はもちろん、特に「ミュウツー」、いやむしろ「ポケモンそのもの」への憧憬がびしびし感じられました。
下半身不随となり、人間の不完全さに嫌気がさしたのか、まさかの最強ポケモン・ミュウツーに魂を転移させちゃうハワード(ビル・ナイ)。
ポケモン好きを、ミュウツー好きを拗らせた過激派という感じでしょうか。
そして、ピカチュウ役だと思っていたライアン・レイノルズがティムの父親!?
ハワードに利用される前のミュウツーによって、事件解決までの隠れ蓑としてピカチュウの体に魂を転移されていたのです。
だから言葉が通じる。だから声優がライアン・レイノルズ。
(ライアン・レイノルズは「デッドプール」でもそうでしたが、声と台詞回しだけで“ライアン・レイノルズ”を感じさせるのが最高に上手いので、「実は父でした~」っていうオチが驚きつつも凄く腹落ちする。演技力!)
ポケモンがきっかけで父と疎遠になってしまったティムは、そんな父が転移したパートナーポケモンであるピカチュウとの冒険を通して父と和解し、そして大人として一歩成長する。
“ミュウツーにこんな最強な能力があったら?”の善と悪両方のユースケースを物語の重要な要素として盛り込んで、ただの成長物語に終わらない本作ならではの、“ポケモン”ならではの魅力になっていたと思います。
こうなると、制作陣が一番最初にどのアイディアを着想したのかが気になりますね。
「CV:ライアン・レイノルズのピカチュウ」なのか、「人間が転移したピカチュウ」なのか、「ミュウツーに転移してみたい」なのか、「ぶっちゃけ、みんなポケモンになりたいよね」なのか・・・
(ちなみに、、、ミュウツーってそんな技ありましたっけ?オリジナルですよね?)
しかし、父(ライアン)が現世に戻ってきてしまったので、もうCV:ライアン・レイノルズなピカチュウは見れないんでしょうか?
それだけが心残り。
ピカピカ言ってるだけより、あのコーヒー飲みまくってたり、減らず口叩いてるピカチュウの方が100倍可愛いと思うんですけど…!
#名探偵ピカチュウ pic.twitter.com/hjPWPaNZx8
— *S* (@evisilli) May 4, 2019
※画像は全てimdbより引用