Everything is Illuminated

面白かった映画と海外ドラマの感想を気ままに綴るブログです。

「ゲーム・オブ・スローンズ」(海外ドラマ)振り返り【シーズン7】 ~混沌とした世界で、自らの使命と運命にどう向き合うのか?

AmazonPrimeでスターチャンネルEXの登録も完了し、あとは来たる4月15日のシーズン8<最終章>配信を待つのみ。

そんな最終章に繋がる「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン7の感想です。

 

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【各陣営のあらすじと感想(ネタバレあり)】

このシーズン7は予算の配分上話数が少ないこともあり、全編に渡って話の展開スピードが急に上がっています。

たまに登場人物の移動距離が可笑しなことになっていたり笑、以前だったら尺をとって描いていそうな場面もさっさと次に進んでいったり。

ただ、散らばっていた登場人物たちが何か所かの拠点に集結していくので、 それが“物語の終わりに近づいている感”を醸し出してなんだかエモくなりますね。

 

◆ユーロンがサーセイにもたらした“勝利のイメージ”と、ジェイミーの苦しみ、葛藤

その強さ、頭の切れるパフォーマンス力、飽くなき欲望を善性に振り切ればスターになっていたであろうユーロン・グレイジョイ

そして、彼の奥に、自身にも流れる“権力のためなら何でもやる”血を感じてうまいバランスを築いたサーセイ

ユーロンは突如現れた感はありますが、シーズン6ラストの時点ではどう考えてもデナーリス陣営優勢だろうと思えた所で大暴れして、物語をかき乱してくれました。

デナ陣営についたエラリアとヤーラを急襲し、捕虜として拉致。

そしてその後に続くタイレル家の滅亡という負の連続が、イケイケだったデナーリスにストップをかけ、そしてティリオンへの不信、ドラゴン騎乗での敵地特攻という凶行を引き出す。

結果的にはラニスター軍を失うことにも繫がってはしまいましたが、ユーロンの権力へのあくなき欲望とそれを実現する実力が、物語を混とんとさせる口火を切ってくれたような気がします。

 

シーズン6ラストで、最後の息子トメンを失いながらも彼を裏切者といったサーセイは、あらたに子供を授かったこととユーロンという新たな駒を獲得したことで、もはや達観の境地にいるよう。

「弟と寝るのは快楽の為」と言い放った彼女は、未だジェイミーを求めながらもそこにはすでに快楽、もしくは権力維持への手段としてのセックスしか残っていないように見えます。

彼女を愛しているからこそ信じてきたジェイミーは、徐々に彼女から“愛”という皮が剥がれ落ちていく様を突き付けられ、遂にはマウンテンに剣を抜かれる始末。

辛いね。。。

視聴者の誰もが、ふたりの心が離れていく様も、それでいてもサーセイのもとに帰るために戦うジェイミーも観ているわけで、そこで生まれるジェイミーの苦しみは“キングスレイヤー”という自身の汚名返上でしか報われないと思うんですよね。

絶対に美しく終わる事などできない、2人の末路。

これまでに手を失い、子供を失い、地位を失い、愛をも失ってきたジェイミーだからこそ、何か一つだけでも手に入れて欲しいのですが、さていかに。

 

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◆スタークの子供たちの絆と実力を見くびったベイリッシュの敗北

シーズン7の幕開けを飾るフレイ家虐殺で、暗殺者としての姿を見せつけたアリア。

ホーダーを失いながらも、三つ目の鴉としてすべてをみる力を手に入れたブラン。

スターク家の兄弟姉妹が、物語のスタートの地・ウィンターフェルに集結していく姿はとても感慨深いですね。みんな(まじで)大きくなって・・・

変わらない事で支持を集めてここまで来たジョンと、変わることで強くなってきたサンサの間には、裏切者の処遇をめぐる意見の不一致、自分の意見を貫き助言を求めない事への不信感などにはじまり、徐々に溝が大きくなっていきます。

その溝を大きく広げるために未だ暗躍し、成功するベイリッシュ。

ブライエニーの相手としてみせた素晴らしい剣士ぶりを目撃し、ベイリッシュはアリアを自身の命を奪いかねない脅威と考えたのでしょう。

サンサがかつてサーセイに書かされた手紙を引っ張り出し、ふたりの仲も引き裂こうとするベイリッシュは、見事なまでにその誘導に成功します。

…しかし、それは自身の処刑への道を作り上げることに。

 

ベイリッシュの最大の失敗は、なぜブランへの対策を打たなかったのかですよね。

「混乱はハシゴだ」と、彼が知るはずの無い場面で発した自身の言葉を告げるブランに、あのベイリッシュが何も気づかない&対策をしないわけがないと思うんだけどなあ・・・

こればかりは、脚本上どうしようもなかったorそこに尺を割けなかったのかな。

そうして、自身の兵にも見放され、言葉も聞き入れられずにサンサに涙をにじませながら懇願するベイリッシュの姿は、ある意味推しキャラとして「最高の死を迎えてくれた」と思っています。

常に周囲を見て、“言葉”を操り自分の意のままに人を動かす事でここまでのし上がってきた男が、掌の上で転がしていたはずの娘ほどの少女に裏切られた事にさえ気づけず、なりふり構わず「愛しています」と言ってすがる姿のなんて滑稽で哀しいこと。

最後の“言葉”は遮られ、直接手を下してもらえるわけでもなく、しかも自身のヴァリリア銅剣でのどを切り裂かれて死んでいくなんてベイリッシュがベイリッシュたる所以すべてを出し抜かれたわけであり、これまでのキャラの中でも物凄く制作陣の愛を感じる最期

大好きでしたよ、ベイリッシュ公。

彼のような謀術キャラがほぼいなくなってしまったのが、シーズン8への唯一の不安。

 

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◆スタークとターガリエン。「氷と炎」の出会いが、ウェスタロスの運命を決する

この作品の原作が「氷と炎の歌」というタイトルであることで、ある程度は予想できていたジョン・スノウとデナーリス・ターガリエンの出会い。

はじめは「ひざまずけ」と繰り返しジョンを困惑させてばかりでしたが、信念のままに動く彼の姿に少しづつ目を向け、徐々に尊重する姿勢をあらわすデナーリス。

北の地に取り残された遠征隊を爆速で迎えに来てくれたデナーリスの強さと優しさに触れ、ジョンの心は決まったのでしょう。

ふたりが結ばれるのもまあ当然の流れ。

そしてそれこそが彼らの運命であり、ウェスタロスを救う最後の一手。

 

だけど!大手広げての祝福ができない…。

サンサの反対を押し切ってドラゴンストーン城へと向かい、相談もなくデナーリスに忠誠を誓うジョンは私がサンサだったらはり倒したい笑。

サムの素晴らしい働きぶりで無事灰鱗病を脱することが出来てカムバックしたばかりのジョラーの、「命がけで戻ったら新しい男がいた」という切なさ。

まあデナーリスも優しくハグして迎え入れてくれたのでいいのですが…。

なにより、このためにミーリーンに置いてこられたダーリオが浮かばれない…。

 

ただ、北の地で取り残されたジョンたちの所へ、デナーリスが救出にやってきたのはとても良い展開でした。

なぜって、そこでのドラゴンの死亡、そして屍竜としての復活がもたらした絶望感。

これはシーズン8へ向けた最高のクリフハンガー!

デナーリスがドラゴンに乗って助けに来てくれた!という美しい見せ場が、一瞬にして悪夢の始まりへ転換した瞬間こそ、地獄を見せてくれる事に定評のあるゲーム・オブ・スローンズらしいなと。

 

ネットで観る限りこのカップルを応援している人も少ない印象だし、ブランによって2人が叔母と甥の関係にあたる血縁だと今後告げられることを考えると、シーズン8でふたりとも存命でのエンディングはないんじゃないかな…。

(しかし、ジョンの出自という大切な情報をジリの“読み間違い”で表現し、しかも無反応だったサムがそれを正しく理解しているという演出、憎すぎます)

恐らく「氷と炎の歌」というエピソードタイトルで締められるであろう最終章最終エピソード、その時聞こえるのはどんな歌なのでしょう。

 

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◆イケオジキャラたちが集結した北の地遠征隊が最高

それぞれに因縁の関係を持つキャラたちの会話や絡みが面白い遠征隊。

父であるジオー・モーモント総師への敬意から、ジョラーへロングクロウを返そうとするジョン。それをしっかりジョンへ留めるジョラー。

兄弟団へ入りたかったのに、メリサンドルに売られて酷い体験をしたことで恨み節を垂れるジェンドリーと、それを茶化すミアのソロス、ベリック・ドンダリオン。

意中の相手・ブライエニーに負けた経験を持つというハウンドにすり寄るトアマンドと、それをめんどくさそうに振り払うハウンド。

他にも、蘇り組のジョンとドンダリオン、メリサンドルに狙われた組のジョンとジェンドリーなど、長く見てきたからこそ楽しい、こうした「すべてのキャラに歴史あり」という点がとても活きたシークエンスです。

 

なにより、イケオジ俳優総動員で絵面が最高過ぎるんですよね…みんな好き。

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この中でも、兄弟団の面々が急激にドラマ性を増していてとても良い。

ここに至る前、ハウンドが金を持ち去ったことで死に至らしめたあの父娘の家に寄った兄弟団。

その死を見て、自身だけが何度も生き返ることに苦悩するドンダリオン。

父娘の死体を埋める手伝いをしてくれるミアのソロス。

荒々しくも優しく思いやりを持つふたりと、巡り巡ってともに過ごすことが出来たハウンドは幸せ者なのかもしれないし、暖炉の火の中に「壁が海と接する場所にある城、矢じりのような形の山、通り過ぎていく死人の大群」を見る力を持ったハウンドこそが、彼らと出会うべき運命のもとにあったのかもしれません。

何にせよ、自分に課された使命に向き合おうとする男は無条件に格好いい

ソロスを失い復活する手段を失ったドンダリオンと、炎への恐怖という自分との闘いが残されているハウンド。

シーズン8でふたりの見せ場があることは間違いないと思います。楽しみ!

 

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◆より良い世界のために危険を冒す人間たち

対立する王と王との面会の場を作るため、今シーズンでは様々な人間たちが奔走します。

ミーリーンに上陸したデナーリスと、北の王たるジョンとを繋ぐために危険を冒したメリサンドル。

ジョンやダヴォスに追放され、彼らと会ってしまえば命の危険もあったはずの彼女が、彼らのドラゴンストーン城への到着までしっかりと見届ける姿には、シリーン姫の生贄をはじめとした自身の“間違い”を悔やみ、使命をまっとうせねばという覚悟が滲んでいました。

「氷と炎を出逢わせた」彼女は、宣言通りシーズン8で必ずボランティスから戻ってきて、その使命をまっとうする最期の活躍をしてくれるはずです。

 

そしてもう一つ、サーセイとデナーリスとの対面、そして休戦の約束の実現。

かつて過酷な運命を共に乗り越えた仲でもあるブロンとティリオンとの絆、同じく戦いを乗り越えるうちに築かれてきたブロンとジェイミーとの信頼関係こそがそれを実現させたのであり、そのまさに中心に位置する重要人物が、王でも貴族でもなく、傭兵あがりのブロンというが面白い。

そもそも、これまで各シーズンの戦闘シーンで大きくフューチャーされるのは当然王やその息子たちだったわけですが、シーズン7の見せ場の一つでもあるデナーリスの急襲シーンにおいてはそれがブロンなんですよね。

大弓スコルピオン目掛けて混とんとした戦場を走り抜ける様も、ドラゴン目掛けて大弓を引く姿もとにかくかっこよくて、こうした脇を固める人気キャラが大きくフューチャーされるのは待望の展開。

今はジェイミーの側で“サー”の称号も獲得するほど上り詰めたブロンですが、“どっちの側か”という事を考えさせないあの身軽さと、金のためと言いながらも根っこに優しさと人情を感じさせる姿は、ゲーム・オブ・スローンズの中でも唯一無二。

ぼそっと「会いたかった」と伝えるティリオン。ブロンも同じ気持ちじゃないかな。

 

もとはと言えば王都でデナーリス陣営の情報を集めてラニスターに渡すという情報屋だったヴァリスは、今やすでにデナーリスの側で活躍。

同様に、小鳥に情報を渡していたジョラーも今やデナーリスの忠実な臣下。

かつて王都でジョフリーに付き従っていた剣士であるハウンドも、今はジョンに協力。

こうした、付き従う相手を変えながらも最善を尽くそうとする面々の行動が、しっかりと歴史を作っているのが、ゲーム・オブ・スローンズの魅力の一つではないでしょうか。

 

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◆最終章・シーズン8はどうなる?

遂に週明けに迫ったシーズン8<最終章>、キャラクターたちの生死や覇権争いの決着、夜の王との闘いの行方はもちろん、気になるポイントがまだまだ沢山!

・ジョンとデナーリスの関係はどうなる?

・どうやってハーツベインはサムからジョラーに渡るのか?

・ジェンドリーがドラゴングラスを武器に変えてくれるのか?

・メリサンドルは戻ってきて何を果たすのか?

・グレイワームとミッサンディの未来は?

・シオンはヤーラを救えるのか?

・エラリアとタイエニーは死んだのか?

・黄金兵団とは?

・サンサはデナーリスを連れてきたジョンを受け入れるのか?

・アリアの殺しのリスト、残りは消化されるのか?

・ハウンドは炎を克服できるのか?

・サーセイの子供は無事生まれるのか?

・トアマンドはブライエニーを落とせるのか?

・マウンテンとハウンドの決着は?

・ドンダリオンが生かされ続けてきた意味は何なのか? ・・・ etc

 

 まだまだありますが、まずは15日の第1話を楽しみに待つのみです。 

 

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※画像は全てimdbより引用