今年最高のヒロインは「アクアマン」メラ様か、アリータで決まりかも!?
映画の表現の可能性を広げる、エポックメイキングな1本になる事間違いなしの作品を一足お先に試写で拝見しました。
公開前なので、ネタバレ無しの感想と見所を。
大興奮の2時間半です!
★「アリータ:バトル・エンジェル」
製作総指揮:ジェームズ・キャメロン
監督:ロバート・ロドリゲス
キャスト:ローサ・サラザール、クリストフ・ヴァルツ、マハーシャラ・アリ、ジェニファー・コネリー、キーアン・ジョンソン、エド・スクレイン、エイザ・ゴンザレス 他
◆予告編◆
◆あらすじ◆
没落戦争から300年。
空に浮かぶ都市“ザレム”と、その廃棄物が堆積して荒廃した街“アイアンシティ”は、交わる事のない別々の世界として分断して存在していた。
ある日、アイアンシティに暮らすサイバー医師のイドは、瓦礫の中から少女の頭部を発見。
300年前のサイボーグ戦士の生き残りであるその少女はイドによってボディと接続し再生され、“アリータ”と名付けられた。
記憶を亡くしていた彼女の過去の秘密が徐々に解き明かされるにつれ、彼女を狙って迫りくる敵との闘いも激しさを増していく。
果たして、アリータの過去に秘められた秘密とは?
彼女は愛する人を、そしてこの世界を守る事が出来るのか?
【キャラクター紹介】
アリータ:ローサ・サラザール/瓦礫の中から拾われたサイボーグの少女
イド:クリストフ・ヴァルツ/アリータを拾ったサイバー医師でハンターウォリアー
ベクター:マハーシャラ・アリ/モーターボールを取り仕切る謎の男
チレン:ジェニファー・コネリー/ベクターと共に行動する謎の女性
ユーゴ:キーアン・ジョンソン/アリータとアイアンシティで出会う青年
【原作はこちら】
◆感想(ネタバレなし)◆
最近の20世紀フォックス作品は、「グレイテスト・ショーマン」、「ボヘミアン・ラプソディ」、そしてこの「アリータ」と、熱量のこもり方がちょっと尋常じゃない。
クリエイターたちの、魅せたい世界と物語を作り出す事にかける執念が、痛いほど伝わってきてそれだけでちょっと泣きそうになります。
本作も、ジェームズ・キャメロンの25年越しの念願の企画。
製作スケジュール等の事情で監督はロバート・ロドリゲスに譲る事になりましたが、いやーこれ完全に(いい意味で)キャメロンの映画になってます。
そのキャメロンの惜しみない愛情は、アリータの造形美や脚本からありありと伝わってくる。
いやー、アリータ、超可愛い。
そもそも、全員リアルな役者が演じる中で主人公だけオールCGで描くという、かなりチャレンジングな映像表現。
そして、予告編解禁時に賛否両論を巻き起こしたアリータの“漫画目”。
しかし、公開が延び、予告編が更新される度に磨きがかけられたそのアリータの造形は、スクリーンの中でこのハードな物語を引っ張る大きな引力になっています。
肌の質感から睫毛、涙の筋、瞳の中の虹彩にいたるまで、クリエイター陣の情熱が全て集約された造形美。
美しく白い陶器のような初期ボディの透明感、バーサーカーボディの鋼鉄感。
そしてローサ・サラザールの演技を取り込んだ、どこまでもキュートなアリータ。
気が強く、ちょっといたずらっぽく、だけど可愛げがあって、そして戦士の心を持つ少女。
原作の“ガリィ”の魅力を余す所なく盛り込んだアリータに、観客誰もが恋するはず。
ローサ・サラザール(とCGチーム)、おそるべし!
そんなアリータの魅力、そして彼女の成長と贖えない運命が、物語の最も大きな軸となっています。
原作とは多少展開が異なりますが、基本的にその脚本改編ポイントはアリータの物語とキャラクターをより濃く補強するという1点に集約されているように感じました。
原作の要素を残酷な運命を背負った戦士としての姿に濃縮し、片や原作前半の大事な要素であるユーゴとの恋を通して、アリータの“人間”らしさと愛くるしさを観客に体温を伴って魅せるためのそれは、原作既読の私でもウェルカムな形。
むしろ、モーターボールの盛り込み方なんかは映画の方がスキかもしれません。
登場人物が多いのでそこだけクリアできれば、原作未読の方もかなり楽しめるはず!
原作初見時に涙したあのユーゴのシーンや、あのアリータのシーンにびっくりして、そして心を揺さぶられて欲しい。
男性向け雑誌での連載作品ですが、古くは「セーラームーン」や最近だと「宝石の国」など、戦う少女達を描いた漫画に多大なる影響を受けてきた私のような30代女子にこそ観てほしい作品。
特に、「宝石の国」が好きな方は、アリータの“あの”姿なんかは刺さるものがあるのではないでしょうか。

美少女戦士セーラームーン 完全版 コミック 1-10巻セット (KCピース)
- 作者: 武内直子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/03/25
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
そのほかのキャストでは、ユーゴ役のキーアン・ジョンソンくん、初めて観たけどすごく良かった…!!
ナチュラルな彼氏感に滲む包容力と、それでいて母性をくすぐる感じ。
そして安心のクリストフ・ヴァルツさま。
原作イドのイメージそのままのビジュアル、存在感。
マハーシャラ・アリは、ある意味美味しいシーンが盛りだくさん。
そして最後、原作既読の方にはサプライズもあります。
個人的にはかなりいい形だと思う!
アリータの造形に限らず、世界観の作り込みも凄い。
混沌としつつも生命力のあるディストピアであるアイアンシティ、キャメロン独特のメカメカしさにうっとりするハンターウォリアーたち。
(とくに、エド・スクレインの元の演技が滲んでみえるザパンと、ジャッキー・アール・ヘイリー演じるグリュシュカ(原作のマカク)!)
彼らとのバーでの戦い、地下世界での戦い、モーターボールでの戦い。
その滑らかな動きと躍動感、疾走感。
昨年「レディ・プレイヤー・ワン」で、婉曲してせりあがった高速道路を宙に舞うように走り抜けていった車たちを観た時以上の高揚感!!
映像的な見所も満載で、それを盛り上げるジャンキーXLことトム・ホーケンバーグの音楽も相変わらず炸裂してます。
早くもう一回みたい!!
「アリータ:バトル・エンジェル」は2月22日公開。
今年絶対に見逃せない1本です!!
※画像は全てimdbから引用