Everything is Illuminated

面白かった映画と海外ドラマの感想を気ままに綴るブログです。海外のイケオジ俳優が好きです。

「メリー・ポピンズ リターンズ」(映画)感想 ~エミリー・ブラントが新たに魅せるヒロイン像と、“今”の音楽映画として足りないもの

こんにちは。

昨今の音楽映画・ミュージカル映画のブーム、「ボヘミアン・ラプソディ」は120億円を見込めるペースでロングラン中との事で盛り上がっていますね。

私も音楽映画はもともと大好きなので色々見ていますが、去年末には「アリー スター誕生」があり、そして年が明けたら本作「メリー・ポピンズ リターンズ」が登場!

 

オリジナルは観るべきなんでしょうが、未見で新作を鑑賞してきました。

もうこれは、エミリー・ブラントの魅力につきる!

ただし、音楽映画としては乗り切れない部分も・・・。

そんな「メリー・ポピンズ リターンズ」の感想です。

 

 

★「メリー・ポピンズ リターンズ」

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監督:ロブ・マーシャル

キャスト:エミリー・ブラント、リン=マニュエル・ミランダ、ベン・ウィショー、エミリー・モーティマー 他

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

大恐慌時代のイギリス・ロンドン。

すっかり成長したバンクス家の長女ジェーンと長男マイケル、そしてマイケルの三人の子供たち。

妻を亡くして傷心のマイケルは、なんとかかつて父や祖父が働いていた銀行での臨時の職についていたが、時代の煽りを受け苦しい生活を送っていた。

さらに、融資の期限切れで担保に入れていた家を失うかもしれないという大ピンチに!

だがそんな時、空から再びあの「メリー・ポピンズ」が風にのって舞い降りてくる…

!!

 

 

◆感想<ネタバレなし>◆

オリジナルを観ていないので比較や小ネタなどについては分かりません。

なんとなく昔テレビで流れていた有名なシーンと、♪スーパーカリフラなんとか~ という例の歌を知ってる、ぐらいのステイタス。

 

ただその程度の私でも、ジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズ像はなぜか鮮明にイメージが出てくるんですよね。

きっと、かなり愛されてきたキャラクターなのだろうという事は想像に難くありません。

 

そんなメリー・ポピンズ役を刷新する女優として、ファーストチョイス且つ彼女しかいないとしてエミリー・ブラントに声をかけたのは素晴らしい選択だったと思います。

 

いやー、エミリー・ブラント、超素敵でした!!

※エミリーへの愛はこちらにて

www.evisilli.website

 

この中で、彼女の魅力をこんな感じで書いています。あともちろん演技の上手さ!

 

1、強く気高く、意志的で自立した女性を演じる時の爆発力

2、そんな中にきらっと滲む少女性

3、洗練されていながらも親近感のあるファッショナブルさ

4、ちょっとシニカルさをもった抜群のコメディセンス

5、しなやかで、意外な身体能力の高さ

 

今回の役はまさに、ここにあげた全てのポイントが堪能できる!

ジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズが愛されたように、エミリーの演じるメリー・ポピンズも皆に愛されるであろうと自信をもって言えるハマりっぷり。

 

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独特の低めの声と、抑揚のつけ方まで聞いていて楽しくなるようなセリフ回し、そのセリフ回しに合わせた視線の送り方や表情をつけるタイミングなど、細かな所作までキュートできりっとしたエミリーの演技はずーっと観ていたいほど素敵。

メリー・ポピンズのキャラクターの特徴であるすました感じ、それが嫌味にならずに魅力になっているところ。

 

そして、「イントゥ・ザ・ウッズ」以来?の音楽・ミュージカル映画。

台詞回しが魅力的なエミリーの、台詞からの流れで歌へ入っていくときの「台詞であり歌であり」なあたりの感じ、そしてそこから歌で魅せるシーンへと入っていった時の歌声、やっぱり素敵!

拳がいい感じに効いてます。

歌に乗せたダンスパフォーマンスにもかなり力が入っていて、見ごたえ十分。

 

あとやっぱり、あの特徴的なファッションを着こなすファッショナブルさ。

色使いといい、シルエットといい、実は結構難しいファッションだと思うんですよね。

しかも、そのかっこで傘さして空から降りてこなきゃいけないわけで(笑)

それがトンチキなものに見えず、ぎりぎりのリアリティとたっぷりのファンタジックさで見れるのは、あのファッションとそれを着こなすエミリーの力も寄与しているはず。

 

あの凛とした立ち姿が美しいです。

 

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さて、エミリー好きとしてエミリーのメリー・ポピンズは堪能したんですが、実は作品自体にはちょっと不満あり。

 

 

 

 

※以下、作品への不満点です。

 作品を気に入った方は読み飛ばしてくださいね。

 

 

 

その不満は「楽曲」と「パフォーマンス」について。

これは好みの問題も大きいし、そもそもオリジナルからしてそういう作品ではないのかもしれないのですが、、、

 

刺さるようにエモく、キャッチ―で、プレイリストに入れたくなるような楽曲が圧倒的に足りない!!

生活の中の1場面がステージへと変わるような、 体温と息遣いのあるタイプのパフォーマンスじゃない!

 

そんな風に思ってしまったんですよね。

 

 

そもそも、音楽映画・ミュージカル映画に求めるものが何となく変わりつつある気がしています。 

それは、もしかしらた音楽の聴き方自体が変わってきたからかもしれません。

 

もともと音楽も好きで、中学~高校の頃は好きなアーティストのアルバムは発売日に買って聞きまくっていた私。

お金が無いので、ブックオフで欲しかったアルバムを買ったりもしていました。

大学になると、タワレコに通っておすすめの洋楽アーティストのアルバムを試聴し、良いのがあれば買って帰ったりしてました。

 

この「アルバムを買う」習慣のあった頃の音楽の聴き方、そしてアルバムの作り方は「コンセプトを提示し、一作通して世界観を提示する」というものだったんですよね。

だから、出来る限りアルバムの曲順に聞くし、シャッフルするとしてもアルバムの中の曲内でのシャッフルで聞く。

 

だけど、スポティファイやアップルミュージックなど、サブスクリプション型の音楽配信が主流になって、聞き方が変わりました。

アーティスト毎に聞く事もないし、ましてやアルバム毎に聞く事もない。

好きなアーティストの好きな曲だけをプレイリストにしてシャッフルして聞く。

プレイリストこそが自分のベスト盤。

おかげで好きなアーティストの数は広がったけど、深く曲数を聞きこむことが減りました。

 

これがどう映画に関係するかというと、音楽映画・ミュージカル映画を観る時、映画の中の音楽もベスト盤的な、全部が推し曲的な構成が心地よくなってくるんです。

 

なんとなく思っていた事ですが、今回「メリー・ポピンズ リターンズ」を観てよりそう思うようになりました。

 

例えば、現在規格外でヒット中の「ボヘミアン・ラプソディ」は、1曲1曲、皆きっとどこかで聞いた事があるはずの名曲を詰め合わせたそのままクイーンのベスト盤だし、最後の20分はライブまで体感できるという超お得仕様。

 

「グレイテスト・ショーマン」なんかもこの法則に当てはまる。

最高のメイン曲「This is Me」だけでなく、実は一番人気が高い?オープニング&エンディングシーンでの使用曲「The Greatest Show」、そこから立て続けに繰り出されて観客を一気に映画の世界へ引き込んだ「Million Dreams」、唯一の吹替だけど本物の歌声が染みまくる「Never Enough」、ザック&ゼンデイヤというスターがコラボした売れ筋POPS路線としての「Rewrite the Star」・・・

捨て曲がなく、すべてがシングルカットしてリリース出来るクオリティ。

 

 

「ラ・ラ・ランド」も近いです。

冒頭の高速道路のシーンの「Another Day of the Sun」、エマ・ストーンが輝く「Someone in the Cloud」というキャッチ―な2曲と、主役二人を好きにならざるを得ない「City of Stars」に「Audition」。

ラ・ラ・ランド(字幕版)
 

 

 

ミュージカルじゃないけど、例えば「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズはそれこそプレイリスト的な曲使いが魅力的だし、近い所だと「ベイビードライバー」もその方向ですね。

 

映画そのものが、監督やクリエイターたちによってキュレーションされたベスト盤。

 

これらの映画は、公開前の段階である程度の数の曲の情報を出してベスト盤感を出しているのも共通かもしれません。

 

逆に、メイン曲だけで勝負していた「アリー スター誕生」。

確かに「Shallow」はめちゃくちゃ良い曲で、作品をひっぱる力もあった。

ブラッドリー・クーパーが歌ういくつものカントリー曲も良かった。

だけど、圧倒的な「量」として、映画自体がプレイリストとしての役目を果たせるほどの、メインに出来る曲の数が足りない気はしたんですよね。

そして、「Shallow」だけにフォーカスせずに、もっとブラッドリーの楽曲の良さを事前に推しても良かったんじゃないかと思っています。

正直彼があんなに歌っているなんて観る前の情報ではわからなかったので。

 

 

「良い楽曲」が何なのか、当然人によって感性は違うし一概にはいえませんが、感情が揺さぶられるメロディ、体温のこもった歌声、そしてそれを口ずさみたくなるかどうかが個人的な基準です。

「メリー・ポピンズ リターンズ」では、正直そこが不満点。

記憶に残る、アルバムを買いたくなるような楽曲があんまりなかった。

なんとなく曲の全体的な雰囲気がディズニーランドのパレードの感じそのままで合わなかっただけかもしれませんが、私のお気に入りのプレイリストとして持ち歩きたいと思えなかったんです。

 

 

そしてその楽曲を表現するパフォーマンスにも不満が。

そもそも監督とパフォーマンスに求めるものが違うのかもしれません。

 

比較するのはあまり好きではないですが、「グレイテスト・ショーマン」や「ボヘミアン・ラプソディ」の楽曲とパフォーマンスって、そこに込められた覚悟や執念の宿る感情が主役で、そのために湧き出てきたものをダンスで表現している、ステージングで表現している、という感じが好きなんです。

それは役としての感情であり、演じるキャストの想いであり、それを映像としておさめる監督やクリエイターたちの執念であり。

 

「メリー・ポピンズ リターンズ」はキャストの歌唱力もパフォーマンス力も高いのですが、セットや照明などに見える全体的な舞台装置感になじめず、そこで繰り広げられる群舞シーンなどでの規則立てられた振付に「動きをこなしている」という感じが拭えなかったんですよね。

 

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内側から出てくる熱量みたいなものが足りない。

 

監督のロブ・マーシャルの過去作品では「シカゴ」は好きですが、「NINE」はダメダメだったと思っています。

それこそ同じように舞台的すぎる事でキャストが駒のように配置され動かされ、パフォーマンスに感情が感じられないってとこが理由。

 

ロブ・マーシャルは振付師として名を馳せた人。

なので、一歩引いて俯瞰で全体の配置や進行を観る事に長けた人なのかもしれない。

そうすると、楽曲一つ一つに熱い想いをかけ、それをキャラクターの芯から発する感情として役者に託す昨今の音楽映画・ミュージカル映画のヒットメイカーたちには一歩及ばないのかもしれない。

 

 

「メリー・ポピンズ リターンズ」自体がそういった感情性を重視した作品ではない気もするので、これは相性の問題かもしれませんが、今のこの音楽=プレイリスト主義な時代に、そしてクリエイターたちの執念が滲みだす音楽映画がヒットする時代に、オリジナルのファン以外の方がこの作品をどのように観るのかはちょっと興味が。

 

 

 

さて、音楽映画のブームはまだまだ続いていきます!

今年はタロン・エジャトンくんがエルトン・ジョンを演じる「Rocketman」に期待。

www.youtube.com

 

まさかキングスマンでのあの共演が、こんな形でつながっていくとはねえ…。

タロン君の歌のうまさは「シング」のゴリラ役で堪能できるので気になる方は是非!

 

思えば「シング」のヒットも、プレイリスト的かも。

ではまた次回!

 

※画像は全てimdbより引用