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イケオジ俳優好きの30代女子が、大好きな映画と海外ドラマを中心に気ままに気に入ったものの感想をつづるブログです

「デイアンドナイト」(映画)感想 ~ ミニシアター洋画の香りを纏った、今後の邦画界を担う才能の集結作品【おすすめ度:★★★★】

こんにちは。

 

珍しく邦画を観ました!

恐らく年間数本しか見なくなってしまった邦画。

面白い作品もあるのは重々承知しつつも、なかなか食指が動かない・・・というか優先順位的に観れる時間が無いのが洋画&海ドラオタクの悩み。

 

だけど、何人かこの監督の作品なら!と思う監督がいます。

「凶悪」「彼女がその名を知らない鳥たち」の白石和彌監督。

「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督。

 

そして、本作品の藤井道人監督!

 

山田孝之が完全にプロデューサーに専念した事で話題の本作ですが、その成立経緯から雰囲気、脚本までとても洋画っぽく、是非ミニシアター洋画作品、特に00年代以降の作品になじみのある洋画ファンの方々に観てほしい作品。

監督が観てきた作品、志向する方向性がなんとなく(勝手ながら)イメージできて、だけど洋画かぶれという事ではなく、しっかりと日本の今の風景の中から湧き上がる物語になっていて、そのミックス感がとても興味深いです。

 

何より、藤井監督、そして企画原案と主演も務める阿部進之介をはじめとして、この作品に集う若い才能の熱量ときらめきが半端じゃない。

 

原作ものや同じようなJK恋愛ものばかりの邦画界に挑む、渾身のオリジナル作品になっています。

 

★「デイアンドナイト」

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企画・原案:阿部進之介

プロデュース・脚本:山田孝之

監督・脚本:藤井道人

キャスト:阿部進之介、安藤政信、清原果耶、小西真奈美、佐津川愛美

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

内部告発で追い込まれ父が自殺し、東京から実家に帰ってきた明石幸次。

彼は、生前の父にお世話になったと声をかけてきた北村と出会う。

児童養護施設を営む彼に連れられてきた園で、高校生の奈々らとも出会う幸次。

しかし北村は、その施設を維持する資金を得るために続けていた自動車窃盗やナイトクラブの運営に手を貸してほしいと仕事を依頼してきた。

初めは抵抗を感じていた幸次だったが、園の維持のため、子供たちの平和な未来のために汗をかく北村らをサポートするうちに、徐々にその境界を見失っていくー。

 

 

◆感想(ネタバレ無し)◆

とにかく「私は今、これからの邦画界を担うであろう才能の結集を目撃してる!!」という興奮、興奮。

邦画をほとんど見ていないので偉そうな事は言えませんが、かつて「凶悪」を初めて観たときと同じ興奮がありました!

 

そして、作品の隅々までに行きわたるキャストとスタッフの凄まじい熱量。

 

正直、「善と悪はどこからくるのか」というテーマに関しては、ちょっとキャッチで盛りすぎというか、それを突き詰める物語としてみると完成しきっていないとは思うんです。

むしろ、映像と物語の力によって、その問いを鮮明に観客の胸に植え付ける作品なのかなと思います。

 

リコール隠しの告発は、誰かを救ったのか?誰かを傷つけていないか?

人の命を奪った人間は、罪滅ぼしはできるのか?

正義のための悪事は許されるのか?

正しい、とは?

 

そんな、遠く見えて実はすぐそばにある善悪の交じり合う人間という存在とその行いに対して、否応なしに考えさせられる映画です。

「デイアンドナイト」というタイトル。

中黒を挟まないのは、「昼と夜」に託した「善と悪」が地続きである事を物語っているように感じます。

当初はまったく別物のように、切り替えるように描かれていた「昼と夜」が、徐々に繋がって、境目なく一続きに描かれるようになっていくのもまたしかり。

 

 

企画原案と主演を務める阿部進之介。

抑えた演技がとてもよかったし、そんな彼が爆発する後半の演技も見もの。

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助演の安藤政信、小西真奈美、佐津川愛美も良かったけれど、観客の視線を独占する事間違いなしの清原果耶が凄い。

なんだろう、、、

小松奈々が出てきた時以来の、「これから数年はこの子の時代だわ」と思わせる存在感。

吉高由里子の幼少期を演じていた「ユリゴコロ」でもきらりと輝いていたけれど、この子は大物になりますすね絶対。

きっと誰もがそう思うはず。

エンディングで披露する役名名義の歌唱が、また素晴らしい。

上手い、ではなくて、素晴らしいという表現が合う気がします。

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あと、金髪の強盗団メンバー・青柳役 の笠松将君もよかった!

綾野剛っぽいルックス。

なんだろう、典型的な不良ルックなんですが、それ以上の有能感と、明らかに自らが考える善のためい動いているという事が言われなくても感じられるというか。

印象的な顔なので、今後も見つけられる気がするな。

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そして、この作品を世に出すために、おそらく全然映画と関係のない会社さんから出資集めにも奔走したのであろうプロデューサー・山田孝之。

(製作委員会、最近見たことないレベルで超多数企業参加してたし、知らない名前ばっかりだった)

 

日本の若手俳優では、こういった形でプロデューサーとして立ち回る人がまだまだ数少ないですが、もしかしたらこのあたりは海外の同世代の俳優さんたちの姿がモデルになっているのかも?

ブラッド・ピットやシャーリズ・セロンなどもそうですが、マーゴット・ロビーやアリシア・ヴィキャンデルなどの若手俳優・女優もどんどんプロデュースの領域に出てきている昨今のハリウッド。

彼らと同様に「自分のやりたい主演作を作る」のではなく、「この物語を世に出すために、自身のスターパワーを使う」という姿勢が素晴らしい。

 

 

決して邦画特有のじめじめとした質感にならずに、人間の両面性、善と地続きで存在する悪と向き合いながら流れていく人生を切り取った藤井監督。

インタビューで山田孝之が「藤井監督に脚本をがんがん削られた」と言っていたけれど、完成作品を観るとそれは全く正しかったねと思います。

「青の帰り道」では思っていたほど乗れなかったのですが、今回はとにかくいい!!

 

 

そんな監督が本作で魅せる世界観は、凄くミニシアター洋画の香りがします。

 

「デイアンドナイト」を観て一番に思ったのは、きっと監督は自分と同じような洋画作品を観てきたんじゃないか?という事。

好きな、というか、描きたい物語のアウトラインがぱっと見えた感じがしたんですよね。

 

頭をよぎった名前は、、、

・ドゥニ・ヴィルヌーヴ

・クリント・イーストウッド

・ニコラス・ウィンディング・レフン

・ロジャー・ディーキンス

・テイラー・シェリダン

・デレク・シアンフランス

・アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ

・エマニュエル・ルベツキ

・コーマック・マッカーシー

・スリー・ビルボード

・・・etc

 

 

壮大な風車の並ぶ引き絵。

どこまでも続く田園風景の中の一本道を走るバス。

隊列を組む黒い車。

三車線に散り散りになる車。

アメリカの夜のハイウェイを思わせるチェイス。

スクラップ場のネオン感。

白く浮かび上がる吐息を吐きながらの殴り合い。

 

そして、転がり堕ちるしかない坂道を、抵抗しながらも滑り落ちていくような脚本。

 

うん、やっぱりミニシアターの名作群からビジュアル的にも、脚本の展開的にも、少なからず影響を受けているんじゃないかなーと勝手に推測。

 

実際どうかはわかりませんが、個人的にはだから凄く惹かれる部分が多いのでは?と思っています。

 

 

上記の名前に少しでもピンとくる方は是非観てみてほしい!

 

 

で、いろいろとインタビューなど調べてみました。

bookstand.webdoku.jp

bookstand.webdoku.jp

 

同い年だった!どうりで!

 

あげている好きな作品もドンピシャ一緒でした。

・エターナル・サンシャイン

・トゥルーマン・ショー

・バタフライ・エフェクト

・わたしを離さないで

・ブルーバレンタイン

・BIUTIFUL ビューティフル

 

監督と一緒にお酒飲んで映画談義したい(笑)

この好きな作品ラインナップ観る限り、好きな「エモさ」の方向が同じ気がするので、私の愛する三秋縋先生作品の実写化は是非藤井監督でお願いしたいなー。

「三日間の幸福」を清原果耶ちゃん=ミヤギでどうかしら!?笑。

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)

 

 

 

あと、撮影と音楽もよかった。

 

撮影は今村圭佑さん。

「ユリゴコロ」でめっちゃいい!と思っていた方。88年生まれと若い!

「dele」でも山田孝之と組んでますね。(本作でのタッグの方が先のようです)

とにかく映像美。美しい。

ユリゴコロ

ユリゴコロ

 

 

音楽は堤裕介さん。

二宮健監督の超蒼い傑作「SLUM-POLIS」と、その二宮監督のSHINPAで観た松本花奈監督の「過ぎて行け、延滞十代」も彼。

シリアスな邦画作品って音楽控え目~無音になりがちな気がしますが、しっかりとメロディーをきかせ、重低音を入れる感じ好きです。

SLUM-POLIS

SLUM-POLIS

 

 

 

やっぱり、全体的にスタッフさんも若いし同世代の方でしたね。

 

そんな、スタッフもキャストも若くて熱い作品はやっぱり応援したい。

久しぶりの邦画鑑賞が「デイアンドナイト」で良かった!

1月25日より全国公開中です。

洋画好きの方こそ是非、観てみてほしい!

 

 

※画像は全てシネマトゥデイサイト上作品ページより引用