こんにちは。
1月18日に待望のシーズン2配信となった「パニッシャー」。
全話完走!!
とにかく、ジョン・バーンサルとベン・バーンズという最高の俳優ふたりの魅力を余す所なく濃縮した最高のシリーズ。
ただし!シーズン1が最高過ぎた故、若干の不満も・・・
今回は、
シーズン1:<ネタバレ無し>
シーズン2:<ネタバレ無し>&<ネタバレ有り>
という感じで「もっとこうしてほしかった!」をつらつら書いていこうと思います。
★「Marvel パニッシャー」
クリエイター:スティーヴ・ライトフット
キャスト:ジョン・バーンサル、ベン・バーンズ、アンバー・ローズ・レヴァ、ジョシュ・スチュワート、ジョージア・ウィガム
【まずは!シーズン1のおさらい】
※シーズン1観ていない方はまずはシーズン1からどうぞ!
シーズン2のネタバレ無し感想は、シーズン1のネタバレはがっつり含みます。
◆予告編◆
◆あらすじ◆
愛する家族を惨殺された過去を背負い、私刑執行人=パニッシャーとなったフランク・キャッスル。
復讐を果たしてピートという別名で生きる今も毎日のように悪夢にさいなまれていた。
しかしある日、元海兵隊だった自身が過去に関わった“ケルベロス作戦”に秘められた陰謀の存在を突き付けられる。
その真相を知り接触を図ってきた元分析官のマイクロと、紆余曲折の末同じ敵に向かって手を組む事となるフランク。
ケルベロス作戦の顛末をめぐり、フランクとマイクロ、海兵隊時代の仲間で今は退役軍人の為の集会を主催するカーティス、そしてアンヴィルという軍事企業を取り仕切るビリー・ルッソ、そして相棒を殺された国土安全保障省の捜査官・マダニらの運命が交錯するー。
◆感想<ネタバレ無し>◆
1、ジョン・バーンサル!!!
とにかく、情け無用の暴力で関係者全員殺すマン、それでいて家族や子供、無実の人々への慈愛が同居するパニッシャー=フランク・キャッスルのキャラクターが良い!
戦いの無い日々に不安を感じてしまう、生きながらの死人。
そしてそれを演じるジョン・バーンサルの、無骨な風格と繊細すぎる演技力。
常に血まみれか、色気だだもれか、どちらかでしかない(笑)
超はまり役です。
2、個性的で一筋縄ではいかない助演陣の魅力
ビリー・ルッソを演じるベン・バーンズ。
さあ、これ美味しい香りしかしないぞ?という、シーズン2への期待しかない展開。
そしてフランクと相棒となっていくマイクロ、エボン・モス・バクラック。
ただ共通の目的のために手を組んだはずのふたりが、マイクロの妻と子供との接触を通じて守りあう存在になっていく面白さ。
クリエイターのスティーヴ・ライトフットさんはドラマ「ハンニバル」シリーズのエグゼクティブ・プロデューサーだそうで、それだけでわかる人にはわかるでしょうか?
3、見事な脚本と重みのある暴力描写
過去の秘密作戦“ケルベロス作戦”をめぐる陰謀。
図らずも関与してっしまった男たちの、それぞれが辿る顛末。
そして、その男に関わってしまったが故に、事件に深入りしていく女たち。
自らを作り上げ維持している「軍」という組織と機能がもたらした、PTSDという恐ろしい病に内側からむしばまれていくアメリカという大国の闇。
パニッシャーとなったフランクの繰り出す銃弾と拳を真正面から描くそのバイオレンスたっぷりの描写は、それ自体が正義と悪を問いかけるような重みと痛みをもっています。
そんなわけで待望のシーズン2に突入!
【シーズン2】
◆あらすじ◆
あれから時は経ち、フランクはピートと名乗り、片田舎のバーにいた。
その店員ベスと良い雰囲気になるが、店の中には気になる動きをする謎の少女がいた。
ベスを訪ねて再びバーに入ったフランクは、謎の少女をめぐって勃発したいざこざを見かねて助けに入った事で、再び危険な追っ手に追われる身に。
その頃、仕事に復帰したマダニは、自分を撃ったビリーへの言いようのない感情に支配されていた。
なぜなら、ビリーはフランクから受けた打撃で一部の記憶をなくしてしまっていたのだー。
◆感想<ネタバレ無し>◆
面白かった!!
やっぱりこのシリーズは、最高にかっこいいです。
やはりそこは、フランク・キャッスル=パニッシャーというキャラクターの魅力と、それを演じるジョン・バーンサルの魅力が確固たるものだからでしょう。
相変わらず、パニッシャー容赦なし!悪人絶対殺すマン。
3話に1回くらい顔も体もぼこぼこ&血まみれになりながらも、バーンサルの鋼のような重厚な体から繰り出されるパンチや拳が敵にドスっと決まる瞬間の格好良さ。
それでいて、女性や子供や無関係な人々への気遣い。
狩りをするような鋭い眼光、時々見せる虚空をさまよう孤独な表情。
さらには、なぜか物凄いサービスショットの数々…笑。
第1話と第2話に配置してくるあたりクリエイター陣もわかってるなーと思いますが、
バーンサルさんのファンの方は必見のシーンがあります!!
お見逃しなく。
そして、ビリー・ルッソのその後。
ネタバレなのでこれは後ほど書きますが、彼を演じるベン・バーンズは本当に最近の復活ぶりが素晴らしくって。
だって、ディズニー作品のプリンスだった彼がですよ。
(注:「ナルニア国物語」って皆さん覚えてますかね…?あのカスピアン王子ですよ…?)
「ウエストワールド」でもなかなかのクズを演じていましたが、あのハンサムなお顔をちゃんと“活かす”事をきっと考えている人なんでしょう。
最高です。
そして、シーズン1での色々で多数から恨まれ狙われているというのに、その記憶が無いという不憫ぶり。
「僕が何をしたの?」「あの骸骨マークが毎日のように悪夢に現れる」なんて言っては嘘だと疑われ、その骸骨マークに精神状態を苛まれていくかつての美青年は、顔に多数の傷をかかえながら生きる道を踏み外していくしかない運命なんですよね。
そして、今シーズンから登場のジョシュ・スチュワート演じるジョン・ピルグリム。
聖書を唱えながら敵を死に至らす最凶の神父。
パニッシャー以上に死んだ目をした彼の背景も徐々にわかってきます。
その他、前作から引き続きのアンバー・ローズ・レヴァ、そしてジョージア・ウィガム、フロリアナ・リマ、アレクサ・ダヴァロス等女優陣も美形ぞろい。
特に、ビリー・ルッソの担当となるセラピスト・クリスタ役のフロリアナ・リマ、店員ベス役のアレクサ・ダヴァロスがよかったなー。
このクリスタ先生がまた闇深い人で、この出会いが2人の運命をそれぞれ狂わせていきます。
物語としては、なんだか悪人版寅さんっぽくなっていて、
「地方地方で事件に足を突っ込んでは血まみれになりながら敵を壊滅していくパニッシャー。そして事件を通して芽生えた淡い恋と友情を胸に、また次の地へ―」みたいな続け方が出来そうな感じ。
帰還兵のPTSD問題などが絡む重厚な物語だったシーズン1とはちょっと趣向が異なっている感じも受けました。
そして、あまりに綺麗だったシーズン1と比べると、脚本陣の苦悩ぶりが垣間見えるシーズン2だったかなと。
どちらにしろ、NETFLIXとディズニーの対立問題でシーズン3は作られないと思うのですが、このテイストの微妙な変化は何を意味するのでしょうか。
さてこのあたりからは、ネタバレ有りにしようかな。
◆感想<ネタバレ有り>◆
ネタバレありというか、今シーズンの不満点です!
いや、面白いし好きなんです。
でもでも、もっとこうしてほしかった!!が実は色々あるんですよね。
1、ビリー・ルッソ、顔が綺麗すぎ問題
「ベン・バーンズ=ビリー・ルッソ=ジグソウ」と聞いて、やっぱり期待するのってあの美しい顔がどう破壊され、それによって彼がどんな傷をかかえ暴走していくのか、じゃないでしょうか?
それがね、顔がね、、、綺麗なんですよ!!
全然、継ぎはぎだらけじゃない!
美形をキャスティングした意味がない!!
なんでしょうか、ディズニーの影響なのでしょうか。。
私が想像していたのは、「ダークナイト」のトゥーフィイスだったんですよね。
未来の希望の象徴ともされた紳士が、悪の罠にはまり、顔の半分を焼かれ、正義への希望を失い堕ちていく。
映画ではアーロン・エッカートが演じていましたね。
まあビリーはもともと悪い奴だったので背負う物語は違いますが、
「その顔の傷に克明すぎるほどに刻まれた自身の罪の記憶をなくしてしまった男」というキャラクタ―を描写するのに、あんなにぬるい傷跡では足りない…!
せっかく、ベン・バーンズという誰もが認めるハンサムな俳優をキャスティングしているんだから、その対比を効かせるためにももっと醜いメイクをしてあげてください・・・
そんな事では、ベン・バーンズの演技力は失われませんから!
事実、シーズン1では余裕があって優雅で冷徹だった彼が、うなされ憔悴し混乱する様には魅入ってしまうものがありました。
やっぱりうまい、ベン・バーンズ。
「カスピアン王子」でブレイクするもその後あんまり作品に恵まれてこなかった彼ですが、「ウエストワールド」「パニッシャー」という2作品でその美貌を活かしたクズ役でカムバックしてくれたのは嬉しい限り。
正直、カスピアン王子の頃の超正統なハンサムさんではなく、どこか裏がありそうな不穏さを感じさせる風貌になってきていると思うので、イケオジ俳優ウォッチャーとしては今後も追いかけていきたい俳優さんです。
2、ビリー・ルッソ、小悪党問題
またベン・バーンズに関する話ですが、やっぱり退役軍人を数人従えて銀行強盗にいそしむ悪役ってちょっと小悪党すぎるかなーと。
まあそこは、次の問題にも絡みます。
3、ビリー・ルッソとジョン・ピルグリムが絡まない問題
ビリー・ルッソが小悪党に見えてもいいんですよ。
全てはフランクへの復讐へのステップなので。
彼は、最終的にはパニッシャーへの復讐心にとらわれて暴走するわけなので、そこにフォーカスするかそこが活きるような脚本であればよかったんです。
だけど、今回はそうではなく VSジョン・ピルグリムというもっと大きな陰謀に発展しそうな別軸を用意したわけなんです。
なのに、そっち側の物語と結局大きく交差する事なくそれぞれ決着してしまったのがよくわからなかったなーと。
詐欺師少女のエイミーと絡んだ事が発端となって足を突っ込んでしまったこの陰謀もまた割と小粒ではありますが、この二つが上手く絡みあえばもっとカタルシスがあったと思うんですよねー。
もしくは前述の通り、VSビリー・ルッソ1本に絞るか!
どちらにせよ、ちょっと脚本がすっきりしない!!
4、パニッシャーVSビリー・ルッソ、ラストが超あっさり問題
最後の2発、ちょっとあっさりすぎません・・・・・?????
「ハンニバル」作ったあなたならわかるでしょスティーヴ・ライトフットさん・・・。
5、マイクロが出ない問題
シーズン1での相棒マイクロ=エボン・モス・バクラック、1ミリも出ません。
悲しい・・・!
正直、家族の元に戻れたマイクロはそっとしておいてあげるべきだと物語上は思うのですが、彼との突かず離れずのバディ関係はシーズン1の面白さでもあったので、まったく出てこないのは惜しいなあ。
マイクロはフランクとは別方向の変人で、その世界観の交わらなさぶりがよかったんですよね。
妻子を愛する姿が愛おしくて、フランクに嫉妬するところなんて最高にキュート。
その分なのか、男性の新キャラでジョン・ピルグリムはとても魅力的に描かれています。
聖書を唱えながら敵を一掃していく姿。
死んだ目。
実は、子供と妻を人質に取られた悲しき殺人者。
少ないシーンながら、存在感のある演技で魅せるジョシュ・スチュワート、良い。
妻子を囚われた彼のため、この陰謀の大元に乗り込み、無事解放するフランク。
ピルグリムを殺さなかったのはなぜか?
大義のための私刑、パニッシャーたるラインはどこまでなのか?
彼との攻防の中に、そんな今シーズンのメッセージが滲んでいました。
色々と不満をあげましたが、ビリー・ルッソとクリスタ先生の話は結構好きです。
恐らくビリー以上に根深い心の闇を抱えるクリスタ先生が、主導権を握るように、支配する事を望むかのように、共依存の関係を望むかのように、ビリーの言葉に返していく姿はスリルがありました。
そして少しづつその目的を達成する毎に、小さな笑顔をみせる先生のなんと危ない事。
フランクを首の皮一枚で世間や愛する人と繋ぎとめている最後の一線を越えたと思わせるように仕向けることで、フランクを堕とす事をビリーに吹き込んだこの女性の危うさは、歪みまくった愛情の果ての姿として、違うタイプのハーレイクインとジョーカーのよう。
彼女のために購入した青い花を手に笑顔を見せるビリーに、なんだかちょっと泣いてしまいました。
どーして、どこで道を間違えてしまったのよ貴方は・・・。
あとあと!
今回の数あるファイトシーンの中では、エレベーターでのフランクVS警察官のファイトシーンが最高でした!!
エレベーターファイトって、どうしてあんなにテンション上がるんでしょうか。。。
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」しかり。
「ドライブ」しかり。
そんなわけで不満はまあまああるんですが、これだけ銃弾に重みがあり、拳に重みがあるドラマもなかなかないし、とにかくシーズン1は大傑作だし、キャラクターと俳優は最高なので良かったら見てみてくださいね。
※画像はすべてimdbから引用