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「バードボックス」(ネットフリックスオリジナル/映画)感想 ~サンドラ・ブロックは“見たら即死”を体感させられるか!?【おすすめ度:★★】

こんにちは。

 

昔はホラー映画ジャンルは押しなべて苦手だったのですが、最近ぽこぽこと面白い作品と出会えるので好きになってきました。

 

なんといっても、一定のファンがいて関心を引きやすいために「低予算」でも売りがあれば成立するので、実験的な作品や、新人監督たちが工夫を凝らした魅せ方やアイディアで勝負してきているんですよね。

 

最近の流行りは「〇〇したら即死」もの!

 

そういった流れを踏まえると、このNETFLIXオリジナルの新作はちょっと異質であり、予算があった事でちょっと自分の好みとは違う形の物語になっている・・・かもしれません!

 

今回はそんな「バードボックス」の感想と、おすすめの「〇〇したら即死」ホラー作品のご紹介もしていきたいと思います。

 

 

★「バードボックス」

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監督:スサンネ・ビア

キャスト:サンドラ・ブロック、トレヴァンテ・ローズ、ジョン・マルコヴィチ、サラ・ポールソン、ローサ・サラザール、ジャッキー・ウィーバー

 

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

 

◆あらすじ◆

ある日突然、アメリカ全土で謎の大流行となった集団自殺。

それは、あるものを「見てしまった」者を全て死に引きずりこむ謎の現象だった。

妹を亡くしながらも、命からがら民家に逃げ込んだマロリーは、そこで出会ったトムやダグラスらとしばし息をひそめて生き延びる。

徐々に食糧が付き始めたある日、助けを求めて家に入ってきた一人の男が、彼らの運命を狂わせるー。

 

 

◆感想(ネタバレ無し)◆

サンドラ・ブロックとはいう人は、日本での人気以上にアメリカでの人気、というより信頼感・人望?がやたらと高い人という印象があります。

確かに、この年齢になっても衰えない美貌と、これまでの作品の実績、そして授賞式などでみせるウィットに富んだトークを聞けば納得ではあります。

とにかく、コメディエンヌの才能がある人はハリウッドで人気が高いんですよねー。

 

故にか、この作品はディストピア的世界を舞台にしていながら、あまりそこの描写には力を入れずに、サンドラ・ブロックが演じる「母」としての姿、強さにひたすらにフォーカスをあてている印象。

 

この世界に生まれてしまった子供を前に、徐々に母としての自覚を持ち始める。

絶対に、子供たちを守る。

その為には、命をなげうつ覚悟がある。

そんな母・マロリーの姿を見せる事に全力を注いているのです。

 

実際、それが功を奏してか、本作は大ヒット中。

最近NETFLIXがコメントした所によると、世界中で「4500万アカウント」が視聴し、ニールセンの調査によると全米で「2600万人」が視聴したとの事。

これは、ウィル・スミス主演の「ブライト」以上の大成功。

forbesjapan.com

 

そして、この作品が発端で「バードボックスチャレンジ」とやらがアメリカでは大流行しているという話題。

本作での主人公をマネて、目隠しをして運転したり外を歩いたりするチャレンジだとか。

とにかく危険ですがそれだけ話題になるという事が、日本の配信サービスオリジナルではなかなか無いのでかなり凄い。

オオカミ君だってドキュメンタルだって、ここまでのブームになるにはまだまだですもんね。

 

事実、この2時間弱をそのスター性でひっぱり、母の愛と強さを見せるサンドラ・ブロックはさすがです。

彼女の存在感、そして母としての姿を描く部分は本作の良ポイント。

 

 

 

 

だけど!!

 

これがねー、正直いろいろな部分でこのジャンルに私が求めるものとの乖離を起こしている気がします。

以降、ネタバレありで私が気になった点を。

今回は珍しく厳しめコメントです。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆感想(ネタバレ有り)◆

個人的に気になったのは、以下の点。

1、ディストピアとしての世界観の描写が弱い

2、生き延びた人間たちのドラマが弱い

3、「見たら即死」の描写が弱い

 

 

 

1、ディストピアとしての世界観の描写が弱い

まず一つに、やっぱりこうしったジャンルの作品だったら、ディストピアものはしっかりとそのディストピアの世界観を見せてほしいのです。

どうしてそうなったのか?

事件からどれぐらい経ち、その間に何があり、今残された人間たちはどうなっているのか?

食料はどうしてる?

人間のコミュニティは健全?

何が世界を支配しているの?

 

全てでなくとも、適度にその断片を描き、想像させてくれる映像を待っている。

 

「バードボックス」はちょっとそのあたりがうやむやすぎるのですよね。

 

原作を読めば一発なのかもしれませんが、まず恐怖の対象とそのルールが分からない。

見てしまったのは怪物なの?

なんで効かない人と効く人がいるの?

 

「心に闇を抱えたものにとってはウェルカムな存在」とされている事は本編からもわかり、結構内面的な要素がその恐怖を規定しているようですが、ちょっと描写があいまいすぎる気がします。

しかもそれって、視聴者にはわからない制作者都合の内面の話なので、「あ、あんたは死なないのね!?」という一番大事な所に腹落ちする根拠がないというか。

例えばこれが長期シリーズのドラマで、明るく朗らかで「見たら死ぬ」側の人間と誰もが思っていたキャラが「あっち側の存在だった」と満を持して描かれるのであれば、衝撃があると思うんですけど、映画の尺だとそこが難しい。

 

 

あと辛いのは、時制をいじって描写していますが、現在パートのサンドラがしているのが、「最終目的地に向けて川を下っている」だけだという事。

さすがに何も起きなすぎやろ!!と思ってしまいました。

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そんな世界観を分かれよとばかりのこのサラ・ポールソンの表情は良かった。

 

 

 

2、生き延びた人間たちのドラマが弱い

1にもつながる部分ですが、生き延びた人間コミュニティにはいろいろな事件が付きものです。

今回も、妊婦がふたり、警官見習い女子、薬漬けヤンキー男子、おばあちゃん、黒人青年、、、などなど様々な人種・年齢・職業の人々がある一軒家に逃げ込み、共に生き延びます。

 

さーて、誰がどう出る!?

 

と思ったものの、ここがあまりドラマが発展しなかったのがもったいなかった。

 

途中、車のガラスをすべて塞いでスーパーまでドライブするシーンはなかなか面白かった。

だけど、スーパーで食料見つけてうぇーい!のお決まりの後がいまいちなんですよね。

向こう側の存在として生き残っている人間がいる、そして彼らは自分たちを殺しにかかってくるという事を観客に示す事以上のものがない展開。

 

そしてその後、薬漬けヤンキー兄ちゃんと警官見習い姉ちゃんが駆け落ちするのも、なんか盛り上がりに欠ける。。

もっと2人を恨ませてくれるようなドラマ展開を用意してほしかった!

あれじゃあ、単にギャラ削減のためにキャラクター数減らしただけみたいな退場の仕方。

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ローサ・サラザールちゃん、なんだか椿鬼奴さんぽかった。

 

サンドラ・ブロックと良い仲になるトレヴァンテ・ローズは美味しいポジションでした。

彼がどこかで退場する事は、川下りの場にいない段階で既にお察しなのですが、あの余裕と優しさがにじむ笑顔を観ると、「生きてたらいいことあるな」と思えますよね。

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安心感のある背中。

 

 

 

3、「見たら即死」の描写が弱い

そして、一番感じたのがこのポイント。

ホラー映画を一番怖く感じる瞬間って、主人公が感じている感覚と同化した瞬間だと思うのです。

 

例えば、家のテレビで見る“そのビデオを観たら即死”「リング」は死ぬほど怖いですよね。

 

リング

リング

 

 

例えば、静まり返った劇場で観た“音をたてたら即死”「クワイエット・プレイス」は、ポップコーンなんて食おうものならほんとにやられるんじゃないかという恐怖がありましたよね。

 

 

おなじく、“息をしたら即死”「ドント・ブリーズ」は、もはや呼吸が止まってるんじゃんないかというくらい、唾を飲むのさえ緊張しましたよね。

 

ドント・ブリーズ (字幕版)

ドント・ブリーズ (字幕版)

 

 

そういう意味で、この「見たら即死」という設定は映像化にはなかなか難しい題材だったと思うのです。

 

だって、私たちには見えちゃっているので・・・!

 

ところどころサンドラ・ブロックの視点を挟みながらも、基本的には彼女と子供たちを俯瞰で見せるしかないため、彼女と同じ恐怖体験を味わわせる事はできないんですよね。

 

これが例えば、「潜水服は蝶の夢を見る」だと話が違うわけです。

 

潜水服は蝶の夢を見る (字幕版)
 

 

ジュリアン・シュナーベルが監督したこの作品は、全身麻痺となり、片目しか機能しなくなった男性のその苦痛とそこからの解放を、彼の超限定された視界から描いた非常に実験的な作品。

しかし、その硬直した視界への恐怖と無念さ、そしてそこからの解放をこう描くか!というラストの盛り上がりが非常に秀逸に描かれた傑作です。

 

 

「バードボックス」が、もし低予算の全米数館公開のチャレンジ・ホラー作品だったら、もしかしたら「主人公の視界で描く」といったチャレンジも出来たかもしれない。

もしくは、音声コンテンツとしてであれば、その恐怖演出も成功していたかもしれない。

 

 

だけどNETFLIXのテントポール作品となった以上、やはりそこは難しかったのかなー。

そして、サンドラ・ブロックという大スターを配してしまった以上、彼女を見せないなんてわけにもいかないですしね、、。

 

 

ちなみに本作、オリジナルではなくしっかりと原作があります。

未翻訳のようなので、とりあえず原書を。

Bird Box (English Edition)

Bird Box (English Edition)

 

 

原作によると、ラストの盲学校のメンバーの中には、生き延びるために自ら目を潰した人々もいるんだとか。

 

それ、それですよ!

 

映画化に際して、スターを起用したりレイティングを下げたりするために、こういった描写の変更をする事は多々ありますが、いつもだいたいもったいない形になる気がします。

 

一生その笑顔を観る事が出来なくなったとしても、マロリーは愛する「ボーイ」と「ガール」、そして自分の目を潰して生き伸びる事を選ぶのか…!?

 

…という善悪を問えない決断を下す母の物語、のような締め方があればまた印象が違っていたように思いますが、ただ盲学校に到着してめでたしめでたしというのはとてももったいなかったなーと思います。

 

まあ、倫理的に?道徳的に?ちょっと難しいラインだとは思いますが、サンドラ・ブロックだったらうまく問題提起として演じてくれたんじゃないかと思うと、やっぱりもったいない。

 

 

そんなワケで、私の「バードボックス」の評価は星二つ★★!

気になる方は観てみてくださいね。

 

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さて今週のNETFLIXは遂に「パニッシャー  PUNISHER 」シーズン2が配信開始です!

(1月18日スタート)

骨太なリベンジアクション、ジョン・バーンサルの渋み溢れるパニッシャーが戻ってきますよ。お楽しみに。

www.youtube.com

 

 

 

↓↓NETFLIXオリジナルのおすすめ作品はこちらにまとめています↓↓

www.evisilli.website

 

 

※画像は全てimdbから引用