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「アウトロー・キング~スコットランドの英雄~」(ネットフリックスオリジナル/映画)感想 ~2010年代の中世史劇はつらいよ【おすすめ度:★★★】

【おすすめ度:★★★★】こんにちは。

今回は、NETFLIXオリジナル映画として18年11月より配信されているこちらの作品を!

 

◆「アウトロー・キング~スコットランドの英雄~」

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あらすじ:スコットランドの英雄として知られるロバート一世の史実を元にした歴史ドラマ。

監督:デヴィット・マッケンジー

出演:クリス・パイン、アーロン・テイラー=ジョンソン 他

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆背景◆

そもそも世界史にそんなに詳しくない私ですが、調べた範囲で。

13世紀末のスコットランドは王位継承者の不在で混乱が広がりつつあり、3歳のマーガレット王女を設けるもイングランド王エドワード1世の息子(プリンス・オブ・ウェールズ)に婚姻による連合国化を狙われるなどといった状況に陥っていた。

このマーガレット王女が幼くして亡くなり、13人の王位請求者が名乗りをあげるなど内戦にさえ発展しかねない状況をイングランドにつけいられそうな時、ウィリアム・ウォレスの反乱により第一次スコットランド独立戦争が勃発。

しかし翌年ウォレスが敗北すると、この13人の王位請求者も降伏しイングランド王のエドワード1世に服従を誓う。

その中には後のスコットランド王となるロバートの姿も・・・。

 

で、ここから本編冒頭に繋がります。

国内でごたついている所をうまいことイングランドに入ってこられて主導権を失ってしまったという事ですね。

 

そうしてイングランドにいいようにされてきたスコットランド。

ある日、ウィリアム・ウォレスが処刑された事によりロバートは蜂起を決意。

 

しかしあろうことか、加勢を頼みにいった先での裏切り(というか断られた事)によりカミン卿を殺害してしまったロバート。

スコットランド国教会により王と認められますが、カミン卿殺害によって反発するものも現れ、自身の首を絞める事に、、、

 

 

◆感想<ネタバレあり>◆

そんな背景を詳しく知らない人も、冒頭で心をがっつり掴まれるでしょう。

なんと、10分近くの長回し!!

その中でロバート、プリンス・オブ・エドワード(エドワード二世)、ダグラスという名の男の存在などキャラクターを印象づけつつ、ラストの超巨大カタパルト攻撃で壮大な世界観を予感させ、この世界に引きずり込むには十分な画力。

 

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カタパルト、史劇好きにはたまらないですよねえ。

 

ただ、サイズ感としての壮大さはここまでで、史実ベースなので致し方ないのですがこの後は割と地味な敗戦、ゲリラ戦、地の利戦がメインになります。

本作は、そういった部分を虚飾せず誠実に描いているという観方も出来るのだけど、それであれば政治的謀略方面を深堀りするなど、何か一ひねり欲しかったかも。

 

このあたり、本当に昨今の史劇はツライですよねえ。。。

 

なんせ、世界中の何千万という人間がHBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」を観ているわけです。

あちらは史劇ではなくファンタジーですが、薔薇戦争をモチーフにしたというその世界観のベースは中世ヨーロッパ。

さらに加えてドラゴンだの妖術だののファンタジー要素が盛られています。

そして、一癖も二癖もある登場人物たちによる、謀略が張り巡らされた心理戦。

王座を狙うものたちの頭脳と武力と権力による戦いを、

長編シリーズとして十分な尺を人間ドラマにも割いて構成できる余裕。

さらには、シリーズに1、2回のスペシャルな合戦シーン。

シリーズに何度も登場するセクシーなシーン(笑)。

 

衣装ひとつとっても、工夫に工夫を凝らした、そのキャラクターの内面を見せるような素晴らしいドレスと甲冑が用意された絢爛豪華な世界。

 

画的な部分に対しての視聴者の目が肥えている以上に、中世の史劇に求めるものとファンタジーとの境も少し曖昧になっている気がします。

実際には地味な戦いだったとしても、やっぱりゲースロみたいなのがみたいと思ってしまう瞬間は多々あるし、やっぱり王家の方々にはいろいろな陰謀と策略の中にいてほしいしな、、、

 

作品として、美術・音楽・セット含む画的な魅力、そしてキャラクター造形含めた物語的な魅力、そのどちらをも両立したモンスターシリーズが走っている以上、資金力では勝てない中で、ゲースロ以降の中世もの作品の製作はなんとも難しいなと思うのです。

 

この作品も、画的な部分では頑張っていました。

前述のカタパルト、大量の騎馬隊、串刺しにされる兵と馬、絞首刑、八つ裂きの刑、、、。

特に、ラスト、泥臭さに満ちたラウドン・ヒルの戦いの描写は良かった。

残虐描写も、中世もののコアファンを掴むにはこれぐらいは必要でしょう。

だってここはNETFLIX。

 

ただそうした中で、あまり特徴のない描かれ方のロバート王像には少し物足りなさを感じてしまったのは事実。

史実をどこまで脚色するのか?というのは本当に難しいけど、先日の「7月22日」とは違ってこの作品では正確な描写を求める必要もないと思うんだよなー。

 

日本で戦国時代がいかようにも脚色されて漫画、映画、ドラマと展開しているのと同じく、中世の王様ってもはやコンテンツの世界においてはフリー素材みたいなイメージなので、多少の脚色は全然OKだと思うのです。

「キング・アーサー」でガイ・リッチーがアーサー王をスラムあがりのヤンキーとして脚色したように(まああれはやりすぎと思う人もいたとは思いますが)、どう味付けするかで楽しませてほしい部分があるんじゃないかな。

 

なので、至極真っ当に描かれるクリス・パインの髭面ロバート王はちょっと惜しい。

 

クリパは「スタートレック」「アンストッパブル」「エージェント・ライアン」あたりの頃は“永遠の青二才”感が持ち味のキュートな俳優さんだと思っていたのですが、「ワンダーウーマン」でのスティーブ役で一段ステップアップした感があります。

とにかくスティーブ役は、良かった。

ダイアナを「守る」のではなく、「肯定してくれる強さ」に溢れていた。

今回も、若くして戦士に志願した青年との王冠をめぐるエピソードや、政略結婚の妻エリザベスを少しづつ受け入れ愛していく過程なんかも良かったので、もっと「愛をもった王」「スコットランドの魂を肯定する王」のような側面を強調して描いても良かったんじゃないかなーと思うのです。

 

デヴィット・マッケンジー監督はスコットランド出身で、地元の英雄を正しく描きたかったのだろうと思うので、ここは監督とのビジョンの違いだし、まあしょうがない。

 

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パインナッツへのご褒美あり

 

その分、「我はダグラス!」と方々で吠えるジェームズ・ダグラス、そして凛とした強い女性として描かれるエリザベス・ド・バラなどの脇がきらっと光っています。

 

ジェームズ・ダグラス役はアーロン・テイラー=ジョンソン。

彼はこういったクセもの役の方が似合うのかもしれません。

トム・フォード監督の「ノクターナル・アニマルズ」なんかも良かったし。

 

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髭もじゃすぎて最初誰だかわからなかった。。

 

ロバートの妻エリザベス・ド・バラ役はフローレンス・ピュー。

無理やり徴兵を行おうとするイングランド軍に対して激しく抗議するシーンや、結婚破棄の強制を振り払うシーンなど、強く意志をもった女性として描かれるエリザベスを、凛とした美しさで演じていてとても印象的。

 

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という事で、「アウトロー・キング」は少々不満に感じる部分もありながらも、史劇好きなら見て損はない作品。

 

余談ですが、Amazonがとった「ロード・オブ・ザ・リング」ドラマ化権、NETFLIXも相当ほしかっただろうなあ。

来年「ゲーム・オブ・スローンズ」が完結し、この中世史劇風ファンタジージャンルに空席が出来るところへ、さてNETFLIXは何を持ってくるのか、楽しみにしています♪

 

 

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※画像は全てimdbより引用