イケオジ俳優好き女子の 映画とドラマ、時々その他の感想ブログ

イケオジ俳優好きの30代女子が、大好きな映画と海外ドラマを中心に気ままに気に入ったものの感想をつづるブログです

「ラブ、デス&ロボット」(ネットフリックスオリジナル/映画)感想 ~濃密な18編の愛と死とSF世界【おすすめ度:★★★】

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のデヴィッド・フィンチャーと、「デッドプール」のティム・ミラーがシリーズ監督を務める意欲作。

各15分程度×18編の短編アニメからなるこのオムニバス映画の感想です。

 

★ラブ、デス&ロボット

◆予告編◆

www.youtube.com

 

ちなみに、、、

公開後に言及されたことですが、どうやらこの18編の再生順は各ユーザーの視聴履歴などからパーソナライズされているようです。画期的!

実際にネットやSNSで感想を見ると、自分が見たのは異なる順序で再生されている方が多々いますね。

この18編、「ラブ(愛)」「デス(死)」「ロボット」という3つのテーマで串刺している以外(厳密にいうと、ロボットの解釈は相当広い。「SF」ぐらいな感じかな)、画のタイプや物語のジャンルも全くバラバラで、ただその濃度だけは一貫して高いというもの凄い完成度。

もちろん、作品によって好みは分かれますが、15分前後という長さの中で視聴者の感情をピークまでもっていくことの出来る、これだけ濃くクオリティの高い短編を18本も用意出来る層の厚さには舌を巻きます。

 

では、私の表示された作品順に沿って感想を。

 

◆あらすじ&感想(ネタバレあり)◆

【わし座領域のかなた】

宇宙でのミッション中、転送装置の不具合によって別次元に飛ばされてしまった男。

目覚めるとそこには元カノの姿がー。

監督:Léon Bérelle, Dominique Boidin, Rémi Kozyra, Maxime Luère

制作:Unit Image

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まるで実写と見まがうような3DCGで描かれるSF×悪夢系の物語。

主人公がリチャード・アーミティッジにそっくりでそっくりで。

宇宙で出会った元カノとのSEXシーンが白眉で、アニメであそこまで焦燥感みたいなものを描けるんだなあと単純に感心してしまいました。

Unit Imageは、映画やゲームのVFXなどを多数手掛けているスタジオのようですね。

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 【ソニーの切り札】

怪物と神経接続して戦うソニーは、ある日八百長を仕掛けられそれを断固拒否。

バトルでは勝利したものの、彼らは別の手を差し向けてくるー。

監督:Dave Wilson

制作:Blur Studio

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顔を切られた女ソニーと、精神リンクして戦う相棒の怪物カーニヴォ―との絆を描く。

八百長を断ったことで死の報復を受けるノオミ・ラパスっぽいイケてるかっこいい女主人公ソニー。彼女の復讐は相棒の怪物が果たす!

暗い画面に浮かび上がるソニーのネオンカラーのタトゥー?や敵の衣装の雰囲気が、ちょっと「パシフィック・リム」っぽくてかっこいい。

Blur Studioは、ティム・ミラーが率いるスタジオのようですね。とても良い。

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【ロボットトリオ】

人類の文明が滅びた世界で描かれる、ヘンテコロボット3体の珍道中。

監督:Victor Maldonado & Alfredo Torres

制作:Blow Studio

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一般的な“ロボット”なやつ、カメラを内蔵した「インターステラー」のターズみたいなやつ、感情表示型のちびロボットの3体が、荒廃した世界で滅び去った人間の世情を学びマネする、癒されるオフビートコメディ。

しゃべる猫がいっぱい登場するラストは良くわかりませんでしたが、可愛くて◎。

Blow Studioはどちらかというと広告系のCGスタジオなのかな。

 

【目撃者】

今まさに女を殺した殺人犯の男と目が合ってしまった主人公は、目撃者として追われるハメになるがー。

監督:Alberto Mielgo

制作:Pinkman.TV

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「ブレードランナー」風な猥雑で混とんとした街を、追われながら駆け抜けていく主人公がたどり着いたラストは、その男を殺した所を、窓の向こうからその男に発見されるという無限ループの世界。

ラストは嫌いではないのですが、途中下着をはかずに陰毛丸出しで街をかける女性の画がちょっと嫌悪感ありました。それ必要?

ただこのPinkman.TV自体が過去のラインナップを見る限り中毒性ある映像が上手いスタジオのようで、そこはとても活きていました。音楽との合わせ方が上手い。

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【スーツ】

農場の先に時空ホールが開いてしまい大量のエイリアンが襲撃!

全ての農場主たちは、ロボットスーツに乗り込んで立ち向かう。

監督:Franck Balson

制作:Blur Studio

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再びBlur Studioですが、まったく絵柄が異なります。

のどかな農場。見回り行ってくるね~と言ったかと思えばロボットに乗り込むという、新鮮でテンポ良い展開で掴み、勇気ある父の姿が輝かしいヒーロー譚。

バリアに守られたエリアでみんな幸せに暮らしましたとさ、というラストも、ダークな物語が多い中でちょっとだけ優しくて好きです。

 

 【魂をむさぼる魔物】

洞窟の奥で発見されてしまった魔物。彼らによる虐殺が始まるー。

監督:Owen Sullivan

制作:Studio La Cachette

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なんだかちょっと「アルプスの少女ハイジ」のようなのどかさのある線で描かれる2DCGなのに、もしかしたら作中一番グロがエグいかもしれない。

切り裂かれる息子。散り飛ぶ血飛沫。個人的にはちょっと絵柄やその動きと内容とのアンマッチぶりが(それが持ち味なのでしょうが)苦手かなあ。

 

【ヨーグルトの世界征服】

培養された菌入りのヨーグルトが、まさかの世界征服!?

監督:Victor Maldonado & Alfredo Torres

制作:Blow Studio

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ロボットトリオと同じBlow Studioによるブラック・コメディ。

ヨーグルトがオハイオ州を100年リースします!とかなかなかシュールで面白い。

(なんでオハイオ州なんだろう?)

 

【グッド・ハンティング】 

古くからこの地に住まう狐の妖怪。

今は亡き父と共にかつて彼女たちを狩っていた青年は、父が殺した妖怪の娘ヤンとともに文明化が進む香港の街で生きていたがー。

監督:Oliver Thomas

制作:Red Dog Culture House

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これが一番好き!

父が殺した狐の妖怪の娘ヤンに、生涯明かされる事のない恋心を抱く青年。

文明化していく香港の街で、蒸気機関の仕組みを覚え働く彼と、かつて自分を救ってくれた彼を信じて人間として香港の街で生きることを選んだヤン。

しかし、かつてその母が「男を騙して生きてきた」ように、この街で人間の女性として生きるには男に仕えるしか道はなかった。

狐に変身できることが心の安息だった彼女が総督の愛人となり、その性癖のために美しい顔と恥部だけを残して全身を機械化されてしまうという悪夢、そしてそんな彼女を救うために、自身の持つスキルで彼女の想いに答える青年。

狐のロボットへと改造されたヤンの美しさに、青年の愛が滲むいじらしく愛しい作品です。

Red Dog Culture HouseはゲームやアニメCGがメインのようですが、文明化していく香港の街に漂うスチームパンクの香りも含め、現実感がありながら浮遊するような映像が美しい。

原作はケン・リュウによる「良い狩りを」で、これはベースの原作も良いのでしょう。

敢えての2DCGが、美しい物語を最高の形に昇華する大成功例。

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【ゴミ捨て場】

立ち退きを要求されるも動じることのない老人。

その敷地内に住まうのは、果たして老人だけなのかー!?

監督:Javier Recio Gracia

制作:Able & Baker

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ひたすらに画面が汚い(笑)。なぜか無駄に陰部を露出する登場人物たち(笑)

怪物との共存というオチでみせる、ブラックでシュールな笑いですね。

Able & Bakerは、情報が少なくてポートフォリオが分からずでした。

 

【シェイプ・シフター】 

野生の能力をもち、兵士として戦場で戦う狼人間の青年たち。

敵であるタリバンの中に潜む同族から襲撃をうけ凄惨な死体となった相棒ソビエスキーの仇を打つために、本来の姿となって戦いを挑むー。

監督:Gabriele Pennacchioli

制作:Blur Studio

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再びBlur Studio。こちらも精細な3DCGと、アニメだからこそ描けるダイナミックな狼への変身描写、闘いの描写が素晴らしい。

その能力ゆえに人間の中で生きる事の難しさと、同じ能力を持つ仲間としての2人の青年の絆を描く物語。

月夜の中自身の本来の姿を受け入れさらけ出すこと、その能力を受け入れること、そして狼人間としてありのままの姿で生きることを選択するラスト。

とても良い!

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【救いの手】

宇宙で作業中、スペースデブリによって放り出されてしまった主人公。

宇宙船に戻るため、彼女が使った最後の手段とはー。

監督:Jon Yeo

制作:Axis Studios

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こちらは「ゼロ・グラビティ」×「127時間」的な宇宙での孤独の物語。

タイトルが全て。この手を失ってでも、宇宙船に戻る!

「ヘイロー」や「リーグ・オブ・レジェンド」などのゲーム系のCGが得意なスタジオのようでポートフォリオがなかなかのラインナップでした。

 

【フィッシュナイト】

荒地の真ん中で車が故障し、一夜を過ごすことになった男たち。

その夜、彼らの目の前に現れたものはー。 

監督:Damian Nenow

制作:Platige Image Studio

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遠い昔、長い間海だった場所で、夜になると現れる深海の幽霊たちの姿。

描かれる幻想的な光景にのめり込み過ぎて、自らもそちらの世界に入り込んでしまった男は、海の世界の恐ろしさを忘れていたようですね。

ただただ絵が美しく、それに引き込まれた男が辿る悪夢もまた幻想的で美しい。

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 【ラッキー・サーティーン】

かつて2度、乗組員だけ全滅して戻ってきたという呪われた機体「13」に乗り込むカッター。

相棒となった13との幾度にも渡る戦いは、遂に最後を迎えるがー。

監督:Jerome Chen

制作:Sony Pictures Imageworks

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こちらも実写かと思うような映像で描かれる、戦場のちょっと良い話。

呪われていると言われた「13」を愛機とした女性が追い込まれ機体の自爆を図るが、13はそれを拒否。

しかしその理由は・・・という、人間と機械との愛と信頼のお話です。好き。

 

【ジーマ・ブルー】

世界を虜にする壁画作家ジーマ・ブルー。

彼を取材することになった記者クレアは、知られざる彼の物語に触れることにー。 

監督:Robert Valley

制作:Passion Animation Studios

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このシリーズの中でもっとも哲学的な観念を描く作品。

アーティストがその追及の旅路の果てに自身の原点へと戻っていく物語は、王道ではありながらやはり余韻が素晴らしいです。

プール掃除ロボットから、どんどん機能が付加され人造人間のようになったジーマ。

彼の最後の作品発表会は、そうして付加されていった彼の機能がそぎ落とされ、ただのプールの掃除ロボットへの回帰をそのまま見せるまさにアートでした。

ジーマ・ブルーに揺れるプールの水が美しい。

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【ブラインド・スポット】

トラックに積まれたCPUを盗む強盗団の計画は完璧なはずだったがー。

監督:Vitaliy Shushko

制作:Elena Volk

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こちらはうってかわって、思想や物語はさておきアクションを見せる作品。

うーんこれは特に感想がない…。

 

 

【氷河時代】

冷蔵庫をあけると、そこはなんと氷河時代。

恐ろしい速さで文明化が進む冷蔵庫世界では、人類はこの先どうなるのかー!?

監督:Tim Miller

制作:Digic Pictures / Blur Studio / Atomic Fiction

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あ、これティム・ミラー監督なんですね。

むしろ一番「ラブ」「デス」「ロボット」関係ないような気も…?笑。

冷蔵庫の中で進む文明化、中世から産業革命へ、そして現代となりその先に待つのは核戦争で、崩壊した社会はまた一から作り上げられていく。

そうして繰り返されていく歴史をミニチュアで観るような作品ですね。

 

【歴史改編】

ヒトラーの死亡時期が違う場合6バージョンを楽しめるアプリが登場!?

監督:Victor Maldonado & Alfredo Torres

制作:Sun Creature Studio

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ヒトラーの人生の大きな局面が変わるのかと思いきや、子供時代の1場面からどんどん人生と危機が創作されて世界がとんでもない方向に進んでいくブラックコメディ。

ヒトラーがこういうネタ素材化するのには若干違和感があるんですが、どうなんでしょうね

 

【秘密戦争】

雪深いロシアの山奥に潜む恐ろしいモンスター討伐に出る秘密部隊。

彼らが大量に潜む巣穴を見つけた部隊は、最後の戦いに挑むー。

監督:István Zorkóczy

制作:Digic Pictures

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オカルト信仰者が現世に召喚してしまったモンスターたちとの死闘が凄まじい。

初期作戦での封印失敗、土地の崩落。

それを見た大将は、息子にこの土地の空爆依頼を託して最後の戦いに挑む! 

「リーグ・オブ・レジェンド」などを手掛けるゲーム系CGに強いDigic Picturesが手掛ける戦闘描写はとてもかっこいいし、死を避けられない中で大将についていく戦士たちの漢気が熱い。

最後を締めるにふさわしいヒーロー譚でした。良い。

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個人的にはこちらの6作品が特にお気にいり。

・ソニーの切り札

・グッド・ハンティング

・シェイプ・シフター

・フィッシュナイト

・ジーマ・ブルー

・秘密戦争

 

ティム・ミラーのインタビューをちょっと漁ってみたのですが、こちらで言及していた内容がまあその核心かなと。

virtualgorillaplus.com

NetflixやAmazonプライムビデオは、テレビや映画館といった“パブリック”ではない空間にエンターテイメントのプラットフォームを築き上げた。これにより、メインストリームから外れていた多くのクリエイターに、作品を公開するチャンスが訪れることになった。

 

この“パブリックではない”というのが全てかなと思っていて。

インターネットやSNSが普及してマスがなくなり多様化していく趣味嗜好に対して、映画館での興行というのはもちろん一つの形態としては健在ながらも、それが映画の全てではなくなってきているのだと思います。

リアルタイム性を持ち、大がかりで派手な映像を見せるために最大公約数を狙う劇場でのヒット作と、細分化された中での高濃度な一帯を狙い撃ちにくるネットフリックスオリジナルのような作品は、全然別軸なんだよなーと。

そこに「ラブ」「デス」「ロボット」という、クリエイターたちのイマジネーションを大いに刺激する(そして、一部の視聴者の期待感を否応なく掻き立てる)画期的なフレームを用意出来た時点で、この作品は勝ったも同然。

是非お気にいり作品を見つけてほしいです。

 

↓NETFLIXのおすすめ作品はこちらにまとめています↓

www.evisilli.website

 

※画像は全てimdbより引用

「ゲーム・オブ・スローンズ」(海外ドラマ)【シーズン8<最終章>ep1】

何年も追いかけてきた「ゲーム・オブ・スローンズ」も遂に最終章。

4月15日放送分、最終章ep1の書きなぐりメモです。

 

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※ネタバレ全開です※

 

 

◆オープニングが変わってる!冬来たるverかっこいい!カメラワークがこれまでよりダイナミック!鉄の玉座の剣が突き出てくるギミックかっこいい!

…こんな感じでとてもテンションあがりました。クローズアップされる場所も、キングスランディング内部の大弓がある武器庫?や玉座のある広間、ウィンターフェルの地下墓所など、よりディープ且つ最終シーズンで特に重要になるところに絞り込まれていてとても良いですね。

 

◆軍の到着をみるために駆け回り、木に登る少年にあの楽曲、シーズン1ep1で王都からご一行が到着した際のアリアやブランのシーンへのオマージュに溢れた幕開け。

 

◆ジョンとブランの再会で流れる微妙な空気。わかっていても、三つ目の鴉になったブランと初めて対面する人々の反応は笑ってしまいます。ブランのこの世のものでは無い感、感情という概念を捨て去った人ならざる者感は、演じるアイザック君のこの8年での変わりようをうまく活かした演出だなあと思っています。ゲーム・オブ・スローンズは、アイザック君、アリア役のメイジー、サンサ役のソフィーといった子役の成長が非常に役柄の成長に沿っていて、キャスティングディレクターの見る目の確かさを感じます。

 

◆サンサがデナーリスに抵抗するのは目に見えていたけれど、リアナ・モーモント公がはっきりとジョンに盾突いたのはなかなか面白い画。ジョンを北の王として擁立した立役者としては、勝手に知らない女にひざまずいて帰ってくるなんて、そりゃ受け入れがたいですよね・・・。ジョン&デナーリスと内側からの抵抗勢力との決着は、夜の王戦での彼らの活躍ぶりでチャラとかではなく、しっかりと2人に落とし前が着く展開であってほしい。

 

◆ティリオンとサンサの再会。サーセイにこの世界での生き方を学んだサンサだからこそ、サーセイの嘘への反応力が実の弟よりも高い。このシーンのティリオンをはじめ、アリアがジョンに「サンサが一番賢い」と言い切るなど、サンサがサーセイやベイリッシュから(なんならラムジーからも)学び吸収したものが武器となっているのが嬉しい。

 

◆ジョンとアリアの再会。ニードルを使った回数を聞かれて1~2回と言うアリアに笑う。うそつけ!笑。そういえばジョンは、アリアが執行者としてベイリッシュを処刑したことはどう知ったのだろう…(さすがにもうこの後ベイリッシュ絡みのネタは出てこないと思うけど、ノータッチだったのは残念)

 

◆黄金兵団を連れてきたユーロンに望みのものを与えるサーセイ。前シーズンからちょっと思っていたんだけど、あの傲慢さや欲しいものへの真っすぐさ、サーセイはユーロンのこと嫌いじゃないと思うんですよね。

 

◆最終シーズン最初のセクシーシーンはブロン様でした。対ドスラク&ドラゴン戦で一番の戦いぶりで褒美をもらったのが幸いしてサーセイに恐ろしい任務を託されてしまったブロン、さあどうする…。クワイバーンは安定の側近ぶり。

 

◆ヤーラ姉さんの救出はあまりにもあっさりすぎるよ!そこシオンの成長シーンなんだからもうちょっと丁寧に描いてあげてくれ。シオンの気持ちを察して送り出せるヤーラ姉さんの男前っぷりは本当に惚れ惚れします。

 

◆ドラゴンに乗るジョンとデナーリス。正直ふたりの場面、ジョンもデナーリスもデレデレすぎじゃない?ダーリオとイグリットが泣くよ。そしてイチャついてる場合じゃないよ。

 

◆武器作り中に再会するハウンドとアリア、ジェンドリーとアリア。ハウンドがアリアに対して恨み節なのがなんだか女子みたいで可愛い。そりゃ見捨てられて哀しいよね。

 

◆デナーリスによる父ランディル&弟ディコン・ターリーの処刑を知るサム。いままで優しく穏やかだったサムだからこそ、その真実を知りジョンへ詰め寄る場面での湧き上がるやり場のない痛みと怒りが際立つ。もしかしてこの2人を処刑した事実が、ジョンとデナーリスの間に何か起こす?「バットマンvsスーパーマン」が、前作「マン・オブ・スティール」の“スーパーマンが一般人そっちのけで街を破壊しまくるのにイライラ”した観客の感情をそのままバットマンの感情として綺麗に回収していったように、シーズン7でイライラしたあのドラゴン特攻&断固処刑敢行デナーリスのシーンが、サムの怒りとそれを知ったジョンによって回収される可能性が出てきたのにちょっとわくわくしています。キレたその流れでジョンに出生の秘密を伝えるサム。サムのデナーリスへの怒り、その間に入れるのはジョラー・モーモントしかいないと思うのですが、さてどうなる…。

 

◆ドンダリオン、トアマンド、エッド再会!アンバー家の領主の少年が恐ろしい見せしめに…。

 

◆あの背の高さはもしやと思えばやっぱりジェイミー!ブランとの再会は気まずいね。次回ep2は、このジェイミーの処遇をめぐる意見の対立や、それにより巻き起こる内紛が見ものになりそうです。

 

ep1は、シーズン7末での各キャラクターたちの立ち位置と感情と関係性を、改めて回収して整理してみせていて、最終章初回として非常に丁寧な立ち上がり。

来週のep2も楽しみです。

 

↓↓これまでの振り返りはこちら↓↓

 

※画像は全てimdbより引用

「ハンターキラー 潜航せよ」(映画)感想 ~ジェラルド・バトラーのリーダー力に惚れる、信頼で繋がる男たちのドラマ【おすすめ度:★★★★】

ジェラルド・バトラーが無茶に無茶を重ねる、流血多めのミッション・インポッシブルなアクション作品群が大好きなのですが、これはその期待を良い方向に裏切ってくれました。

面白かったー!!

そんな「ハンターキラー 潜航せよ」の感想です。

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◆予告編◆

監督:ドノヴァン・マーシュ

キャスト:ジェラルド・バトラー、ミカエル・ニクヴィスト、ゲイリー・オールドマン

 

◆あらすじ◆

ロシア近海でおきた米原子力潜水艦タンパ・ベイの失踪をうけ、“艦長未経験”のジョー・グラスが率いる攻撃型原潜“ハンターキラー”は捜索に向かう。

しかしそこで、海底に沈められたロシアの原潜を見つけることに。

同じころ、地上から偵察に向かっていた特殊部隊は、ロシア政府の中でまさに今クーデターが勃発、国防相が実権を掌握する現場を目撃する。

異国の地の深海で、グラス艦長は果たしてこの開戦の危機にどう立ち向かうのか-⁉

 

◆感想(途中まで大きなネタバレはありません)

原作はハヤカワ文庫から出ている、ジョージ・ウォーレス&ドン・キースによるこちら。

ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)

ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)

 

このジョージ・ウォーレス、実はアメリカ合衆国海軍退役中佐で、本作と同型の原子力潜水艦USS<ヒューストン>の元艦長だとか。

さらに本作は米国防総省と米海軍の全面協力を得ているという事で、原潜内部のセットや最新鋭の機器などにもリアリティがあります。

 

この“リアリティがある”というのが結構重要で、ジェラルド・バトラー主演作ではこれまで作品の中の“リアリティ”というものをジェラルド・バトラーが一人で背負う形の作品が多かったんですね。

「エンド・オブ」シリーズしかり、「ジオストーム」しかり。

ジオストーム(字幕版)

ジオストーム(字幕版)

 

 

つまり、ジェラルド・バトラー以外にはリアリティ皆無な荒唐無稽な設定の中で、彼の強靭な肉体と重厚なアクション、有無を言わせぬ顔力、そして真顔で無茶をするのが様になる俳優力で、作品を成立させて来ていたんです。

そして私たちは、そんなジェラルド・バトラー=ジェリーの姿が大好きなわけです。

 

今回原作があるからかもしれませんが、そんなジェリーのジェリー力は一歩ステップアップしていて、簡単に言えば“出来る現場プレイヤー”から“出来るリーダー”になったような感じ。

ジェリー映画を追いかけてきた人間としては、そのアップデートぶりがとても楽しい!

今回ジェリーが演じるグラス艦長は、たたき上げの問題児で艦長経験のない男。

そんな自分を受け入れてもらうため、まずは乗組員たちへ自身を開示し、艦内放送で「すべての責任は私がとる」と告げます。

もうこの時点で、乗組員の心鷲掴み。観客の心も鷲掴み。

そして最初のミッションでの的確な指示出し、完璧な仕事ぶりでその能力も見せ切り、見事現場乗組員たちの意欲と忠誠を掴んでいきます。

彼が重視するのは、規則や常識ではなく「今すべき事は何か」。

それが、米国原潜タンパ・ベイを海底に沈めたロシアの原潜アーカンソーからのロシア人救出であったとしても、そこに迷いはありません。

アーカンソーから艦長アンドロポフを救出したグラスは、彼の言葉から彼の中の誠実さを見抜き、大きな賭けに出ます。

今やるべきことのために「信じられるものは何か」、それを見抜き、信じたのであれば最後までそれを貫きとおす。

そんな男前すぎるリーダーぶり、周囲の人間を信じる器の大きさと胆力

そりゃ、ついていくよね。

思い返せば「300<スリーハンドレッド>」で演じたレオニダス王も、無茶苦茶するけど部下を信じることの出来る王だったのでもとからジェリーがもっていた素質なのかもしれないけれど、「エンド・オブ~」シリーズでその高すぎる現場力ばかり見ていたので忘れていました。

とにかく、ついていきたいリーダーとして最高なジェリーを堪能できます!

 

 

今回の「ハンターキラー」がこれまでのジェリー映画と違うのは、ジェリーが背負う“無茶なこと言われてもついていきたいリーダー像”以外にも、物語としてのリアリティが潜水艦まわりにある点。

「エンド・オブ~」シリーズにしろ「ジオストーム」にしろ、ジェリー以外の部分については「んなアホな」という荒唐無稽な設定のオンパレードだったんですが、今回は原作と海軍顧問がついているおかげで、危機状況や潜水艦内部や戦術についてそこそこのリアリティがあるんですよね。

逆にいうと、それらがあるからこそ“リーダー像”に集約されているジェリーの魅力とがっつり結びついて良い化学反応が起こっているのかもしれません。

どれぐらい脚色されているのかは原作を読んでいないのでわかりませんが、良いバランスだと思います。

 

 

 

※ここからネタバレあり※

 

 

 

 

今回、そんなジェリーのリーダーとしての魅力がクローズアップされるとともに、グラス艦長を信じてついてくる乗組員たち、そしてハンターキラーに救出されたロシア大統領とアンドロポフ艦長、さらにはアンドロポフ艦長に育てられたロシアの駆逐艦乗組員たち、彼らの「漢気」と「忠義」そしてそうした心意気のもとに働く職業人たちへの敬意がびしびし感じられる演出がとてもよかった。

「バトルシップ」に心躍った人には絶対に観てほしい!

バトルシップ (字幕版)

バトルシップ (字幕版)

 

 

海底に沈んでいたロシアの原潜アーカンソーから救出されたアンドロポフ艦長は、グラス艦長と過ごす中で彼の実力と誠実さを知り、そしてこの未曽有の危機を回避するために協力することを選びます。

彼が提供したのは、ロシア海域内フィヨルドを抜けるための情報。

機雷や音波探知などが張り巡らされ、抜けるのは絶対不可能と思われた海底での隠しルートの存在を伝え、大統領が監禁されている海辺の国防相が陣取る本拠地への接近成功に大きく貢献します。

大統領を救いクーデターを阻止するという大義のために、グラス艦長を信じて行動するその漢気!

さらには、ハンターキラーへの攻撃を試みた海上のロシア駆逐艦への説得。

ひとりひとり、自身が育てあげた教え子たちにしっかりと名前で呼びかける姿には、彼がこれまでどのように彼らを想い育ててきたかが滲み出ていました。

そんな彼の献身に敬意を払い、駆逐艦への攻撃を想い留めるグラス艦長。

そして、そんなアンドロポフとグラスというふたりの艦長の願いに応じて、ハンターキラーへの攻撃をやめるだけでなく、国防相が地上から発射したミサイルを打ち落としクーデターを止める駆逐艦の船員たち。

 

そんな、信頼で繋がっていく男たちのドラマは鑑賞前にはまったく期待していなかったものだったので、思わぬ拾いもの!

ポスターで謳っている<音だけが見える戦場>という、特異な密室環境で団結していく男たちのドラマを是非堪能してもらいたいです。おすすめ。

 

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主演はもちろんこの方、ジェリーことジェラルド・バトラー。

本作でも「G-Base film production」でプロデューサーとしても参加しており、やはり自身の魅力にとても自覚的な方。

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アンドロポフ艦長役の故ミカエル・ニクヴィスト。

寡黙な中に熱い信念をもった艦長役、とてもよかった。

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そして上では触れられなかったのですが、今回潜水艦だけの話でないのがとても良かった!

地上で先回りして偵察に来ていた特殊部隊の4人。

急遽事態がやばいことになり大統領救出の任務を背負うわけですが、「楽勝だぜ」といって任務を受け止めるところも、仲間を見捨てないところもかっこいい。

個人的には、最後まで生き残った彼がイケオジ俳優好き的には要チェックでした。

トビー・スティーブンスさん。劇中ではゲーム・オブ・スローンズのドンダリオン似。

「ブラック・セイルズ」「ロスト・イン・スペース」に出演。覚えました。

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ジェリーとの1枚。衣装がなくても一番強そうなジェリー。

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ちなみに監督のドノヴァン・マーシュもまだそんなに実績のない方のようなんですが、潜水艦や艦隊の魅せ方、役者の表情の捉え方などなかなか良かった。

ジェリーは「エンド・オブ・キングダム」でも長編一作目だというババク・ナジャフィを監督に起用して、驚くべき長回しの戦闘シーンを作り上げていたりするので、新人監督のピックアップにも凄くセンスを感じます。

主人公だけでなく、多くの役柄に見せ場とストーリーを与えて成立させた本作のように、自身の魅力を見せるだけでなく監督や共演者も引き上げるプロデューサーとしてどんどん活躍してほしいなあ。

 

ハンターキラーは全国公開中。

是非劇場であの緊迫感を体感してくださいね。

 

※画像は全てimdbより引用

 

「ゲーム・オブ・スローンズ」(海外ドラマ)振り返り【シーズン7】 ~混沌とした世界で、自らの使命と運命にどう向き合うのか?

AmazonPrimeでスターチャンネルEXの登録も完了し、あとは来たる4月15日のシーズン8<最終章>配信を待つのみ。

そんな最終章に繋がる「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン7の感想です。

 

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【各陣営のあらすじと感想(ネタバレあり)】

このシーズン7は予算の配分上話数が少ないこともあり、全編に渡って話の展開スピードが急に上がっています。

たまに登場人物の移動距離が可笑しなことになっていたり笑、以前だったら尺をとって描いていそうな場面もさっさと次に進んでいったり。

ただ、散らばっていた登場人物たちが何か所かの拠点に集結していくので、 それが“物語の終わりに近づいている感”を醸し出してなんだかエモくなりますね。

 

◆ユーロンがサーセイにもたらした“勝利のイメージ”と、ジェイミーの苦しみ、葛藤

その強さ、頭の切れるパフォーマンス力、飽くなき欲望を善性に振り切ればスターになっていたであろうユーロン・グレイジョイ

そして、彼の奥に、自身にも流れる“権力のためなら何でもやる”血を感じてうまいバランスを築いたサーセイ

ユーロンは突如現れたキャラ感はありますが、シーズン6ラストの時点ではどう考えてもデナーリス陣営優勢だろうと思えた所で大暴れして、物語をかき乱してくれました。

デナ陣営についたエラリアとヤーラを急襲し、捕虜として拉致。

そしてその後に続くタイレル家の滅亡という負の連続が、イケイケだったデナーリスにストップをかけ、そしてティリオンへの不信、ドラゴン騎乗での敵地特攻という凶行を引き出す。

結果的にはラニスター軍を失うことにも繫がってはしまいましたが、ユーロンの権力へのあくなき欲望とそれを実現する実力が、物語を混とんとさせる口火を切ってくれたような気がします。

 

シーズン6ラストで、最後の息子トメンを失いながらも彼を裏切者といったサーセイは、あらたに子供を授かったこととユーロンという新たな駒を獲得したことで、もはや達観の境地にいるよう。

「弟と寝るのは快楽の為」と言い放った彼女は、未だジェイミーを求めながらもそこにはすでに快楽、もしくは権力維持への手段としてのセックスしか残っていないように見えます。

彼女を愛しているからこそ信じてきたジェイミーは、徐々に彼女から“愛”という皮が剥がれ落ちていく様を突き付けられ、遂にはマウンテンに剣を抜かれる始末。

辛いね。。。

視聴者の誰もが、ふたりの心が離れていく様も、それでいてもサーセイのもとに帰るために戦うジェイミーも観ているわけで、そこで生まれるジェイミーの苦しみは“キングスレイヤー”という自身の汚名返上でしか報われないと思うんですよね。

絶対に美しく終わる事などできない、2人の末路。

これまでに手を失い、子供を失い、地位を失い、愛をも失ってきたジェイミーだからこそ、何か一つだけでも手に入れて欲しいのですが、さていかに。

 

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◆スタークの子供たちの絆と実力を見くびったベイリッシュの敗北

シーズン7の幕開けを飾るフレイ家虐殺で、暗殺者としての姿を見せつけたアリア。

ホーダーを失いながらも、三つ目の鴉としてすべてをみる力を手に入れたブラン。

スターク家の兄弟姉妹が、物語のスタートの地・ウィンターフェルに集結していく姿はとても感慨深いですね。みんな(まじで)大きくなって・・・

変わらない事で支持を集めてここまで来たジョンと、変わることで強くなってきたサンサの間には、裏切者の処遇をめぐる意見の不一致、自分の意見を貫き助言を求めない事への不信感などにはじまり、徐々に溝が大きくなっていきます。

その溝を大きく広げるために未だ暗躍し、成功するベイリッシュ。

ブライエニーの相手としてみせた剣術の素晴らしさを目撃した彼にとって、アリアは暗殺者として自身の命を失いかねない脅威と考えたのでしょう。

サンサがかつてサーセイに書かされた手紙を引っ張り出し、ふたりの仲も引き裂こうとするベイリッシュは、見事なまでにその誘導に成功します。

…しかし、それは自身の処刑への道を作り上げることに。

 

ベイリッシュの最大の失敗は、なぜブランへの対策を打たなかったのかですよね。

「混乱はハシゴだ」と、彼が知るはずの無い場面で発した自身の言葉を告げるブランに、あのベイリッシュが何も気づかない&対策をしないわけがないと思うんだけどなあ・・・

こればかりは、脚本上どうしようもなかったorそこに尺を割けなかったのかな。

そうして、自身の兵にも見放され、言葉も聞き入れられずにサンサに涙をにじませながら懇願するベイリッシュの姿は、ある意味推しキャラとして「最高の死を迎えてくれた」と思っています。

常に周囲を見て、“言葉”を操り自分の意のままに人を動かす事でここまでのし上がってきた男が、掌の上で転がしていたはずの娘ほどの少女に裏切られた事にさえ気づけず、なりふり構わず「愛しています」と言ってすがる姿のなんて滑稽で哀しいこと。

最後の“言葉”は遮られ、直接手を下してもらえるわけでもなく、しかも自身のヴァリリア銅剣でのどを切り裂かれて死んでいくなんてベイリッシュがベイリッシュたる所以すべてを出し抜かれたわけであり、これまでのキャラの中でも物凄く制作陣の愛を感じる最期

大好きでしたよ、ベイリッシュ公。

彼のような謀術キャラがほぼいなくなってしまったのが、シーズン8への唯一の不安。

 

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◆スタークとターガリエン。「氷と炎」の出会いが、ウェスタロスの運命を決する

この作品の原作が「氷と炎の歌」というタイトルであることで、ある程度は予想できていたジョン・スノウとデナーリス・ターガリエンの出会い。

はじめは「ひざまずけ」と繰り返しジョンを困惑させてばかりでしたが、信念のままに動く彼の姿に少しづつ目を向け、徐々に尊重する姿勢をあらわすデナーリス。

北の地に取り残された遠征隊を爆速で迎えに来てくれたデナーリスの強さと優しさに触れ、ジョンの心は決まったのでしょう。

ふたりが結ばれるのもまあ当然の流れ。

そしてそれこそが彼らの運命であり、ウェスタロスを救う最後の一手。

 

だけど!大手広げての祝福ができない…。

サンサの反対を押し切ってドラゴンストーン城へと向かい、相談もなくデナーリスに忠誠を誓うジョンは私がサンサだったらはり倒したい笑。

サムの素晴らしい働きぶりで無事灰鱗病を脱することが出来てカムバックしたばかりのジョラーの、「命がけで戻ったら新しい男がいた」という切なさ。

まあデナーリスも優しくハグして迎え入れてくれたのでいいのですが…。

なにより、このためにミーリーンに置いてこられたダーリオが浮かばれない…。

 

ただ、北の地で取り残されたジョンたちの所へ、デナーリスが救出にやってきたのはとても良い展開でした。

なぜって、そこでのドラゴンの死亡、そして屍竜としての復活がもたらした絶望感。

これはシーズン8へ向けた最高のクリフハンガー!

デナーリスがドラゴンに乗って助けに来てくれた!という美しい見せ場が、一瞬にして悪夢の始まりへ転換した瞬間こそ、地獄を見せてくれる事に定評のあるゲーム・オブ・スローンズらしいなと。

 

ネットで観る限りこのカップルを応援している人も少ない印象だし、ブランによって2人が叔母と甥の関係にあたる血縁だと今後告げられることを考えると、シーズン8でふたりとも存命でのエンディングはないんじゃないかな…。

(しかし、ジョンの出自という大切な情報をジリの“読み間違い”で表現し、しかも無反応だったサムがそれを正しく理解しているという演出、憎すぎます)

恐らく「氷と炎の歌」というエピソードタイトルで締められるであろう最終章最終エピソード、その時聞こえるのはどんな歌なのでしょう。

 

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◆イケオジキャラたちが集結した北の地遠征隊が最高

それぞれに因縁の関係を持つキャラたちの会話や絡みが面白い遠征隊。

父であるジオー・モーモント総師への敬意から、ジョラーへロングクロウを返そうとするジョン。それをしっかりジョンへ留めるジョラー。

兄弟団へ入りたかったのに、メリサンドルに売られて酷い体験をしたことで恨み節を垂れるジェンドリーと、それを茶化すミアのソロス、ベリック・ドンダリオン。

意中の相手・ブライエニーに負けた経験を持つというハウンドにすり寄るトアマンドと、それをめんどくさそうに振り払うハウンド。

他にも、蘇り組のジョンとドンダリオン、メリサンドルに狙われた組のジョンとジェンドリーなど、長く見てきたからこそ楽しい、こうした「すべてのキャラに歴史あり」という点がとても活きたシークエンスです。

 

なにより、イケオジ俳優総動員で絵面が最高過ぎるんですよね…みんな好き。

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この中でも、兄弟団の面々が急激にドラマ性を増していてとても良い。

ここに至る前、ハウンドが金を持ち去ったことで死に至らしめたあの父娘の家に寄った兄弟団。

その死を見て、自身だけが何度も生き返ることに苦悩するドンダリオン。

父娘の死体を埋める手伝いをしてくれるミアのソロス。

荒々しくも優しく思いやりを持つふたりと、巡り巡ってともに過ごすことが出来たハウンドは幸せ者なのかもしれないし、暖炉の火の中に「壁が海と接する場所にある城、矢じりのような形の山、通り過ぎていく死人の大群」を見る力を持ったハウンドこそが、彼らと出会うべき運命のもとにあったのかもしれません。

何にせよ、自分に課された使命に向き合おうとする男は無条件に格好いい

ソロスを失い復活する手段を失ったドンダリオンと、炎への恐怖という自分との闘いが残されているハウンド。

シーズン8でふたりの見せ場があることは間違いないと思います。楽しみ!

 

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◆より良い世界のために危険を冒す人間たち

対立する王と王との面会の場を作るため、今シーズンでは様々な人間たちが奔走します。

ミーリーンに上陸したデナーリスと、北の王たるジョンとを繋ぐために危険を冒したメリサンドル。

ジョンやダヴォスに追放され、彼らと会ってしまえば命の危険もあったはずの彼女が、彼らのドラゴンストーン城への到着までしっかりと見届ける姿には、シリーン姫の生贄をはじめとした自身の“間違い”を悔やみ、使命をまっとうせねばという覚悟が滲んでいました。

「氷と炎を出逢わせた」彼女は、宣言通りシーズン8で必ずボランティスから戻ってきて、その使命をまっとうする最期の活躍をしてくれるはずです。

 

そしてもう一つ、サーセイとデナーリスとの対面、そして休戦の約束の実現。

かつて過酷な運命を共に乗り越えた仲でもあるブロンとティリオンとの絆、同じく戦いを乗り越えるうちに築かれてきたブロンとジェイミーとの信頼関係こそがそれを実現させたのであり、そのまさに中心に位置する重要人物が、王でも貴族でもなく、傭兵あがりのブロンというが面白い。

そもそも、これまで各シーズンの戦闘シーンで大きくフューチャーされるのは当然王やその息子たちだったわけですが、シーズン7の見せ場の一つでもあるデナーリスの急襲シーンにおいてはそれがブロンなんですよね。

大弓スコルピオン目掛けて混とんとした戦場を走り抜ける様も、ドラゴン目掛けて大弓を引く姿もとにかくかっこよくて、こうした脇を固める人気キャラが大きくフューチャーされるのは待望の展開。

今はジェイミーの側で“サー”の称号も獲得するほど上り詰めたブロンですが、“どっちの側か”という事を考えさせないあの身軽さと、金のためと言いながらも根っこに優しさと人情を感じさせる姿は、ゲーム・オブ・スローンズの中でも唯一無二。

ぼそっと「会いたかった」と伝えるティリオン。ブロンも同じ気持ちじゃないかな。

 

もとはと言えば王都でデナーリス陣営の情報を集めてラニスターに渡すという情報屋だったヴァリスは、今やすでにデナーリスの側で活躍。

同様に、小鳥に情報を渡していたジョラーも今やデナーリスの忠実な臣下。

かつて王都でジョフリーに付き従っていた剣士であるハウンドも、今はジョンに協力。

こうした、付き従う相手を変えながらも最善を尽くそうとする面々の行動が、しっかりと歴史を作っているのが、ゲーム・オブ・スローンズの魅力の一つではないでしょうか。

 

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◆最終章・シーズン8はどうなる?

遂に週明けに迫ったシーズン8<最終章>、キャラクターたちの生死や覇権争いの決着、夜の王との闘いの行方はもちろん、気になるポイントがまだまだ沢山!

・ジョンとデナーリスの関係はどうなる?

・どうやってハーツベインはサムからジョラーに渡るのか?

・ジェンドリーがドラゴングラスを武器に変えてくれるのか?

・メリサンドルは戻ってきて何を果たすのか?

・グレイワームとミッサンディの未来は?

・シオンはヤーラを救えるのか?

・エラリアとタイエニーは死んだのか?

・黄金兵団とは?

・サンサはデナーリスを連れてきたジョンを受け入れるのか?

・アリアの殺しのリスト、残りは消化されるのか?

・ハウンドは炎を克服できるのか?

・サーセイの子供は無事生まれるのか?

・トアマンドはブライエニーを落とせるのか?

・マウンテンとハウンドの決着は?

・ドンダリオンが生かされ続けてきた意味は何なのか? ・・・ etc

 

 まだまだありますが、まずは15日の第1話を楽しみに待つのみです。 

 

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※画像は全てimdbより引用

 

「ゲーム・オブ・スローンズ」(海外ドラマ)振り返り【シーズン6】 ~あらゆるキャラに物語があり、そして一人づつ終わりを迎えていく

先日の応援上映に参加できなかったのが悔やまれるくらい、改めて観ると第9話、第10話の演出の凄まじさが際立つシーズン6。

シーズン3や4のようなうねるようなドラマ性は少し弱いかもしれませんが、主要格以外のキャラクターに振られたドラマティックな展開で、この世界の多層性が際立つシーズン6の感想です。

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【各陣営のあらすじと感想(ネタバレあり)】

 

◆ジョンの復活と挫折を乗り越えるメリサンドル。サンサとの再会がもたらす不協和音

放送当時、シーズン5ラストでのメッタ刺しから1年を経てのジョンの復活はシーズン6の話題の中心でした。

復活することはほぼ既定路線だったので、当時は「まあ復活するでしょ」ぐらいで大した驚きはなかったのですが、今改めてみるとメリサンドルに目が行ってしまう。

スタニスが敗北し、責め立てられても毅然としているように見えたメリサンドルが、実はその力の限界や自身の犯した間違いにより自信喪失状態だったんだなと今更気づきました(あの“本当の姿”は衝撃的すぎ)。

ジョン復活に尽力したメリサンドル。挫折を乗り越え、ある意味本シリーズにとって非常に大きな成果を残したわけですが、それも束の間シリーン姫の火あぶりがダヴォスにバレて城を追い出されます。

初見時は完全ダヴォス派でしたが、人生の長い時間かけて信じて付き添ってきて人殺しまでしてきたその人が「間違いだった」と認めざるを得ない状況での大きすぎる挫折感、自信喪失を考えてしまうと切り捨てることも出来なくなってしまい、メリサンドルにはなんとか最終章で良い“償い”としての見せ場があると良いなと思っています。

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サンサとジョンの再会は、シーズン6では良い結果をもたらしますが、最終章にかけての大きな火種の一つになるはず。

本作の中で一番“変わらない”ジョンと、一番“変わった”サンサ

サーセイに学び、マージェリーに学び、ベイリッシュに学んだサンサが、幼い頃のような添え物的な立場で満足するわけなどなく、いつまでも自分を「妹」としてしか見ず、助言を求めてくれないジョンが北の王に鎮座する様にどこまで耐えられるかなと。

 

そんなサンサは、ベイリッシュとの同盟的関係は継続しつつ、その状況を乗りこなせるようになってきているのが見もの。

ベイリッシュは「自分が鉄の玉座に座り、横には貴方が」と思い描いているけれど、サンサは彼が自身へ向ける歪んだ愛情・欲望を、彼が持つ情報を、彼が持つ兵を、そして彼が持つ権謀術を“使いこなす”ことを徐々に体得していくんですよね。

ベイリッシュは、兵を提供することでサンサが獲得する“勝利への貢献”が北部総督への布石になることを見越して挙兵していると思いますが、おそらくサンサはベイリッシュがそう考えるであろう事さえ見越してベイリッシュに挙兵を依頼する手紙を送ったのでしょう。

アイリ―兵がボルトン兵を蹴散らす様を観るベイリッシュとサンサの不敵な笑みには、純粋な「スターク兵を助けたい」ではない何かが見え隠れしているように感じます。

サンサは直接見ていないけれど、予想した通りジョンはその弱みに付け込まれて失敗を誘引され、リコンはラムジーに殺され、だからこそ「私たちが必要になる」、すべて見通し通り。

しかし相手を知り尽くした自分がいてこその勝利でありながら、“男”であるジョンには勝てないという事実を突きつけられるラスト。

「それで貴方はよいのですか?」とでも問いかけるようなベイリッシュからサンサへの視線が、サンサの中にじわじわと広がっていく様が、次シーズン、そして最終章で花開くのを期待しています。

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◆ジェイミーとブライエニーの、この世界に唯一無二の信頼関係

ジェイミーはとにかく、このシリーズの中で実は結構まともな人だと思っている。

序盤こそブランを突き落としたり悪役ぽい一面が際立っていたけれど、サーセイが「弟と寝るもの快楽の為」と言い放ったその時でさえもサーセイだけを愛し、彼女の元に帰るためだけに戦うと言ってのけるそのまっすぐぶり。

だからある意味、主君に忠実に従い、キャトリンとの約束を守ってサンサを見つけ出しその護衛として取り立てもらうまでにたどり着いた執念の騎士ブライエニーとは似たもの同士なのかもしれません。

唯一、“キングスレイヤー”と罵られる自身の過去の出来事の真相を話した相手であり、信頼に足る人物であるブライエニーと対立せざるを得ない状況で、彼女の願いを聞き入れ「無血開城」のために奔走するジェイミー。

そして、小船で城から脱出していくブライエニーを見送るジェイミー。

この人には最終章で、サーセイへの愛という幻想を打ち破って再び“キングスレイヤー”となる展開が待っているはずと確信しています。

頑張れジェイミー!

きっと彼の中の良心をつつくことの出来るブライエニーが、後押ししてくれるはず。

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◆三つ目の鴉を継ぐブランの人生と、ホーダーの運命を決定づけた瞬間

このシーズンで一番の泣き所であり、そしてシーズン最終章に大きく関与するであろうヒントが沢山散りばめられているシークエンス。

三つ目の鴉と出会い、過去へ潜り父ネッドの姿を追うブラン。

そこには、今傍にいるホーダーことウィリスの幼い姿や、ミーラの父の姿もあります。

森の子らがホワイトウォーカーを作ったという事実と、その世界で夜の王に見つかってしまうブラン。

なぜ夜の王はブランを追いかけるのか?

そしてなぜ、三つ目の鴉はブランを執拗に誘導しここまで導いたのか?

それはブランの能力が夜の王やホワイトウォーカーとの対決に大いに作用するという未来があっての事でしょう。

でも、これまでその能力でブランが見てきたのは“過去”であり、その力が過去に作用を及ぼす事も知ってしまった事を考えると、“過去で何かしらの作用をおこす事で未来を作る”形で、最終章での対夜の王戦で何かしら大きな貢献をするのではと思います。

どこかで書いた気もしますが、彼の本名は壁を建造した先祖である“ブランドン建設王”と同じですからね。。

 

そんな“過去を作る”力を見せるのに、こんな表現を使うのか…⁉と絶望と驚愕で気づいたら涙が流れていたホーダーのラスト。

ホワイトウォーカーたちをせきとめるホーダーの姿と、痙攣しながら「Hold the door!」と叫び続ける過去のウィリスの姿に、「ここまで物語を汲み上げた上でその役名なの⁉」という脚本とキャラ設計の凄さに唸り、「Hold the door!」が「ホーダー」になっていく演出に絶句し、初見時は過去と現在の作用関係が整理しきれなくてただただホーダーが雪の中に遠くなっていく様を見届けるしかありませんでした。

凄すぎる。

ホーダーという脇役にもここまでの物語があり、それらが折り重なって主要格キャラの人生が、そして「ゲーム・オブ・スローンズ」という物語が出来上がっているという事を改めて気づかせてくれる、素晴らしいシークエンスでした。

 

その後ブランを救うベンジェン叔父さんの「半ホワイトウォーカー」設定、そして「壁には魔法がかかっておりホワイトウォーカーは通れない」設定もこの後効いてくるので要チェック。

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◆鉄諸島の出来る女ヤーラと、女王が統治する国々 

ベイロン死亡により鉄諸島の王位をかけた争いが勃発。

ヤーラ一択かと思いきや、そこに突如現れる諸国を放浪していたベイロンの弟・ユーロン。

選挙?に敗れたヤーラ達がユーロンを出しぬいて向かった先は、ユーロンも狙っていた“ドラゴンの女王”デナーリスのいるミーリーン。

男も女もイケる人で、しかも“女であること”を手段として使わない格好よさ、そしてその事自体も手段とする潔さをもつヤーラは、デナーリスから見てもやっぱり“いい女”だったんだろうなあ。

第9話で魅せる怪しい視線のやりとり、そして不思議な握手を交わす2人。

まあ本筋にはあまり絡まないのでそこを掘り下げられないのでしょうが、ヤーラの格好良さはなんとなく本編の中で持て余してるというか、もっと活かせた気がしてちょっともったいないなあと思っています。

シーズン6で改めて振り返ると、結構な数の国で女王が統治する状況。

ドーンでは、あまりの無風ぶりに堪忍袋の緒が切れたエラリアが大公ドーランを暗殺して頂点に君臨。

キングスランディングではサーセイが、その下にフレイやタリ―などの男王諸国を従えて君臨。

マーテルではオレナが、そしてミーリーンではデナーリスが。

その一つである鉄諸島は全体的な扱いとしても小さいので、最後にシオンの成長と共にここぞという見せ場があるといいなあ。

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◆神話化していくデナーリスとドラゴン。イケオジ家臣たちの悲喜こもごも

初見で見たときは「またドスラク戻るんかい」と思ったシーズン6でのデナーリス。

海を渡りウェスタロスで戦うのにもっと戦力が必要ゆえの脚本上の展開なのでしょうが、それもありつつ女王不在でミーリーンを統治するティリオンの存在感・発言力をあげるためにも必要な展開だったのかもしれません。

実際、家焼いて自分だけ生きて出てくる事で圧倒してドスラクを掌握するというデナーリスのやり方は、既視感はありつつも自身の持てるカードをよく理解した戦略PRだなと感心してしまいます(笑)

 

どちらかというと、そんな女王を救出しにやってきたジョラーとダーリオ、似た者同士の珍道中とその後の明暗の分かれ方が面白い。

ジョラーに対し、自分の老後の姿だとか、女王は夜激しいからお前じゃ無理だとか言って対抗心とそこはかとない親近感を見せるダーリオの可愛らしいこと。

そんなダーリオだからこそ、ラストでミーリーンに置いて行かれる姿はただただ本当に捨てられた子犬のようで可哀そう。。。

弱みになるというティリオンの指摘は間違いではありませんが、シーズン7での展開を知っている故、お役御免感がまた二重に哀しいな。。。

 

一方で灰鱗病を告白し、治療法を探すために別れる事になったジョラー。

何度も復帰を断られながらもこの場に戻ってきたジョラーに対しての方が、ダーリオに対してよりも気持ち的な愛情は大きいんじゃないかと思うデナーリス。

「私のもとに戻りなさい」というその指令、愛情の深さを感じます。

しかも、これが最後とばかりに思ったジョラーさん「愛しています」と本音暴露。

素直で良い。

 

そんな忠実な家臣たちに支えられてきたデナーリス。

彼らの意見は聞きつつも、基本的には自分の考えを貫く狂王ギリギリのスタイルが危なっかしくもやはり格好いい。

正直「ゲースロはデナーリスを優遇しすぎ」と思う瞬間も多々ありますが、本シーズン第9話で魅せるドラゴンの舞いとその無双ぶりを見るにつけ、やっぱりゲーム・オブ・スローンズを神話たらしめるに必要な存在であり演出だという事を実感しました。

とにかく第9話、船上を舞うドラゴンの姿は美しく、恐ろしく、荘厳。

そして、そんな状況さえも操る存在として若き女王が君臨するという構図ほど、アドレナリンが出るものはないですよね。

果たして、上手く恐怖政治を脱して折り合いをつけた統治ができるようになるのか?

 

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◆戦略の天才ラムジーは、果たしてどこで見誤ったのか?

ジョフリーが天然型の鬼畜だったのに対し、ラムジーは天才型の鬼畜。

敵といえども、手段を択ばない戦略家ぶりには認めざるを得ない才能がありました。

父ルースが「お前が長男だ」という言葉を発した瞬間の刺殺、妻ウォルダと嫡男の殺害。

捕まえたリコンも、ただ殺すのではなくジョンの失敗を引き寄せる手段として利用。

そして築かれる、敵も味方も区別なしの死体の山とボルトン兵に追い詰められていくジョンたち。

ここまでは完璧と言ってよいほどの素晴らしい戦略でした。

ただ彼は、サンサがベイリッシュを“切り札”として持っていたこと、そうした駒を使いこなす事をサンサが体得していたことにだけは目がいかなかった。

恐らく、男ばかりの家で女を快楽の道具としてしか見てこなかったこと、嫡男こそが力を持つ世界に執着し続けた事が、その定義を逸脱する才能を身に着けたサンサの真の力を見誤らせたのでしょう。

彼を犬に喰わせるサンサの不敵な微笑みは、恐ろしくも、視聴者が彼に対して抱いてきた憎悪を精算するにたる素晴らしい表情だったと思います。

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◆吹き飛ぶ大聖堂、精算されるキャラクター相関図。トメンを殺したのは誰か

こんな演出が出来るんだ!と衝撃を受けた第10話。

鬼火による大聖堂爆破までの道のりを、おごそかに鳴る音楽と、最低限の台詞で描き出すあの演出、あれをドラマのシーズン最終話で出来る覚悟。

鬼火の存在、裁判に出ないサーセイ、決闘裁判を行わないと宣言したトメンに対するサーセイの諦めのような視線。

“最終話で何か起きる”という予感は皆にありながらも、まさかこんな事が起きるとは…。

 

鬼火によって、その場にいたハイ・スパロー、マージェリー、ロラス、ランセル、その他主要な「サーセイの敵」が木っ端みじんに吹き飛んだことで、キャラクター相関図が大きく精算されました。

それ以上に、その様子とマージェリーの死にショックを受け、なんの躊躇もなく窓から飛び降りるトメンの姿ほど辛いものはありませんでした。

幼く純真で、きっと彼が成長した先にはマージェリーと良い王国を築けたはずだと思えたトメン。

そんな彼を狂わせた宗教を持ち込んだのは誰でもないサーセイであり、自身のマージェリーに対する嫉妬と権力欲が純真な息子を死に至らしめた事はサーセイ自身もわかっている、さらに言うとトメンが自殺するかもしれない事もサーセイは分かっていたはずで、宗教とマージェリーに肩入れした時点でトメンはもう愛する息子ではなく、死さえも受け入れていたのかと思うと、サーセイという人の哀しさが一層際立つ最終話。

 

セプタユネラを前に「すべては快楽のためだった」と繰り返したサーセイ。

そんな快楽も一気に精算され、もう現世には何も期待していないというか、ある意味達観してしまった人のような凄み。

この先彼女は、何のために生きるのでしょうか。

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ちょっとあまりに出来事が多くて書ききれないのですが、そのほか

・アリアがウェスタロスに戻り、フレイ爺暗殺

・ハウンドの復活と、ベリック&ソロスら兄弟団との合流

・サムが自宅のハーツベイン(剣)持ち逃げ

・エラリアとオレナの会合にヴァリス登場

などなど、次シーズンに繋がってくる展開にも注目。

 

 

そしておまけまでに、最終シーズンに合わせたオレオとのタイアップCMが最高なので是非見てみてください。凄すぎる!

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※画像は全てimdbより引用

 

「嵐の中で」(ネットフリックスオリジナル/映画)感想 ~ある日突然「愛する人が自分を知らない世界」が訪れたら【おすすめ度:★★★★】

「ペーパーハウス」のヒット以降、勢いが衰えないNETFLIXのスペイン製オリジナル作品に、またまた傑作が登場!

新作「嵐の中で」の感想です。

 

★「嵐の中で」

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監督:オリオル・パウロ

キャスト:アドリアーナ・ウガルテ、アルヴァロ・モルテ、チノ・ダリン

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

テレビとビデオカメラ、そして嵐の到来が過去と現在を結んでしまう。

25年前の少年を救った事で時空が歪み、別の人生で目を覚ましてしまったベラ。

愛する娘が存在しない事を知り、もとの人生を取り戻そうとするがー。

 

◆感想(途中までネタバレなし)◆

タイムパラドクス×恋愛 のジャンルには多くの傑作が存在します。

恐らく私の世代であれば、誰もが通ったであろう「バタフライ・エフェクト」の衝撃。

最近では、恋愛だけでなく家族愛についての物語でもある「アバウト・タイム」など。

バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション [DVD]

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タイムトラベルやタイムパラドクス、時制の編集など現実には起きえないこと。

だからこそ普遍的な「愛」の尊さが際立ち、近すぎて見失っていた「幸せ」にもう一度気付かせてくれるのが、これらの作品が傑作たる所以ではないでしょうか。

そして、時間という「一方通行」なはずの題材を扱うからこそ、「あの時ああしていなければ」「ありえたかもしれない別の世界」に想いを馳せるのであり、そこに生まれる悲喜こもごもに涙してしまうのです。

 

だから、私はこのタイムパラドクス系恋愛作品が大好き!

 

「嵐の中で」は、25年前のとある殺人事件と、その現場を目撃してしまった少年ニコ、そしてその少年とテレビを通じて面することになる現代の女性ベラとの運命が数奇に絡み合った物語。

少年を救った翌朝、死ぬはずだった少年が生きている時間軸にきてしまい、夫も、愛する娘も失った世界で、主人公ベラはもとの世界に戻ろうともがきます。

 

まあ正直途中までは予想できてしまうんですが、ラスト、そうきたかーーーー‼(涙)

 

 

※ここからネタバレあり※

 

 

 

 

 

ある意味、「バタフライ・エフェクト」の変形ともいえるラスト。

あの作品を監督が観ているかどうかは分かりませんが、ちょっとした変化が未来を大きく変えてしまう“バタフライ効果”に基づく脚本、そして登場人物が最後にとった行動に滲む愛情の深さに共通する部分を強く感じます。

 

「愛する人が自分に気づかない」という苦しみに苛まれるベラ。

だけどそれは、今目の前で自分の探索を支えてくれている刑事=ニコこそが襲われている悪夢。

それでも彼は、彼女を支えながら、自分を思い出すように精いっぱいの努力をする。

だってこれは、自身を救ってくれたテレビの中の女性を、人生をかけてひたすらに探し続けてつかみ取った人生。

しかし、その彼女はある日突然自分を忘れ、元の世界に戻りたい、つまり“自分が救われなかった世界”に戻りたいとひたすらに願うという悲劇。

 

基本的にベラの視点で物語は進んでいきますが、中盤で刑事の正体=大人になったニコという事が分かってからは、彼の視点に肩入れしてしまいます。

それまでの「刑事」としてベラに接してきた数々のシーンを思い出すたびに感じるニコの想い、その切なさ、半端ない。

 

ニコとベラが触れ合った瞬間、走馬燈のようにベラの脳裏に駆け巡った“ニコとの記憶”の中の2人はあまりに幸せそうで。

その風景に早くも号泣でしたが、何よりもベラを想い彼女と出会わない時間軸へと移るために行動したニコの姿に、そしてその時間軸で優しくニコを包み込むように迎え入れるベラの笑顔にもう涙ぼろぼろ。

彼女だけが、ニコが自分の幸せのために行動してくれたことを知っている。

この時間軸でなら、2人で幸せを築いていける。

 

こんなに幸せで温かい気持ちに包まれるラストを迎える映画、久しぶりでした。

大好き!

 

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キャストも美男美女揃いで、やっぱりスペイン映画界は侮れません

 

主演のアドリアーナ・ウガルテさんは、キーラ・ナイトレイの美貌に、レイチェル・ワイズの横顔とシャルロット・ゲンズブールのアンニュイを足したような美人さん。

日本でもヒットしたスペインドラマ「情熱のシーラ」の主演でブレイク。

 

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ニコ役にはチノ・ダリン

初めてお目にかかる俳優さんでしたが、儚さと知性が滲むイケメン。

リメイクするならアンドリュー・ガーフィールド一択!

NETFLIXの「熱力学の法則」という作品にも出ているようなので要チェックです。

 

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そしてお目当て、アルヴァロ・モルテ

正直今回は当て馬役なので、見せ場はチノ・ダリンさんに譲っていますが、相変わらずのおどおどしたイケメンぶりが可愛らしい。

日本人が好きな顔だと思うので、是非ブレイクしてほしいなあ。

 

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ちなみにそんなアルヴァロ・モルテがシーズン1、2に引き続き出演する「ペーパーハウス」シーズン3が今年の7月19日より配信決定!!

シーズン1、2はイッキミ不可避の面白さなので、今のうちに是非観てみてくださいね。

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↓↓NETFLIXのおすすめ作品はこちらに纒めています↓↓

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※画像はすべてimdbより引用

「レゴ® ムービー2」(映画)感想 ~“すべてはサイコー‼”のその先へ【おすすめ度:★★★★】

 「すべてはサイコー!!」な傑作がまた出てきてしまいました…!

今年は特にペースが速い!

そんな「レゴ® ムービー2」の感想です。

 

★「レゴ® ムービー2」

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製作&脚本:フィル・ロード&クリス・ミラー

監督:マイク・ミッチェル

声のキャスト:クリス・プラット、エリザベス・バンクス、ウィル・アーネット 他

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

あれから5年。ブロックシティは秩序が崩壊し、ボロボロシティとなっていた。

変わらず明るく能天気なエメットと、彼にはタフさが足りないと嘆くルーシー。

しかし、ある日突然宇宙船がきてルーシーやバットマンたちを誘拐してしまった!

彼らを救うために立ち上がるエメットだったがー。

 

 

◆感想(ネタバレあり)◆

まずは、四の五の言わずに前作「LEGO® ムービー」を観ましょう!

LEGO(R) ムービー(字幕版)
 

 

冒頭いきなり本題に入っていくので、1作目を観ていないときっと話がわからないし、とにかく物凄い傑作なので!!!

 

まるで子供向けの絵柄。わちゃわちゃした雰囲気。

本当にレゴを動かしているかのような可愛くてチープな動き。

子供向けの皮を被っていますが、この作品はクリエイティビティと知性と技術力の爆発です。

 

※当然、1作目を観ている前提でネタバレ全開で進みます※

 

1作目は、大人になってしまった父とピュアな「想像力・創造力」を持ったままの息子との関係がレゴ世界に仮託された物語でした。

そして、レゴという「想像力・創造力」を刺激する玩具をそのまま“世界”にしてしまうというクリエイター陣の「想像力・創造力」、そしてその世界で「想像力・創造力」をめぐる物語を紡ぐというメタ的な構造も素晴らしい、年間ベスト級の傑作。

 

実写が入るという驚きでこの強固なメッセージをしっかりと刻みつけた後、果たしてその続編は高すぎるハードルをどう超えてくるのか?

「レゴ® ムービー2」は、2作の間に流れる5年の歳月を上手く活かしてこのハードルを“超える”のではなく、物語自体を“進化”させています。

 

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①「誰かに望まれた“自分”」ではなく「ありのままの“自分”」でい続けること

マニュアル人間(レゴだけど)だったエメットに、“そのマニュアルを作り運用する事ができる”という創造力を見出した1作目。

それは、すべての人の持つ可能性に光を当てる、優しくてエンパワメントに溢れたメッセージでした。

あれから5年。変わらなすぎるエメットに対して「もっと大人になって、タフになってほしいのに…」と嘆くルーシー。

彼女のためにタフにならなきゃ!と頑張るエメットが生み出したのは、タイムパラドクスを起こした未来の自分・レックス。

レックスの繰り出す言葉を信じ切ってしまったエメットは、世界の本当の姿に気づけず、いつしかルーシーの声にさえ耳を貸さなくなってしまいます。

 

そんなエメットが迎える「誰かに望まれた“自分”」との決別。

そこには、「ありのままの“自分”」を求めてくれるルーシーの姿。

前作からまた一歩、あゆみを進めるふたりの姿に滲むメッセージが泣かせます!

 

しかし、クリス・プラットのパブリックイメージをがっつりもりもりにしたこのレックスのキャラクター造形には、色々とかんぐってしまうなあ…。

もしかしたらクリス・プラット自身、そうした「世界に望まれた“自分(として受容されている、演じてきたキャラの数々)”」との向き合い方にちょっと悩んでいたりするのかも…?

クリス・プラットは、あのちょっとふんわりした体形で底抜けに陽性の、つまりエメットみたいなクリス・プラットのままでいいの。

観客誰もが抱いているであろうクリス・プラットへの愛情が、そのままエメットに重なるのが良いですね。

 

②「想像力・創造力」は多様だからこそいい。認め合い、融合しよう

今回特にこの5年の歳月が活きていたのは、1作目の少年がお兄さんになり、妹との関係性が生まれてきたところに物語の焦点を置いているところでしょう。

自身の作り上げてきた世界とは相容れない世界を構築し、遂には“侵略”してきた妹の作り上げるレゴ世界。

そこでおきた摩擦が今回の物語の舞台装置であり、その先にこの兄妹は初めて「お互いの想像力・創造力を尊重しあう」ことを学びます。

1作目でスポットライトをあてた「それぞれが持つ想像力・創造力」を、子供たちの成長に合わせて時間が経過した5年後の本作では「その多様性を認め、尊重し、融合してみよう」というこちらもまた一歩進んだメッセージとしてアップデートしてくれるとは!

 

このあたりの年月の使い方は「トイ・ストーリー3」が物凄く上手に、そして物凄くエモくやりきっていましたが、本作も実写世界を上手く使う事でメッセージを補強しています。

実写パートがある事に驚きを求めるのはもう難しい本作で、しかしこの実写パートの存在こそ、あの頃から5歳大きくなった小さな視聴者たちの歩みに合わせた物語の魅せ方なのかもしれません。

 

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そんなメッセージも素敵な本作ですが、相変わらず歌のクオリティが半端ない!!

前作の「Everything is Awesome/すべてはサイコー!!」に続く、本作のハック曲はこちら。

♪Catchy Song 

www.youtube.com

 

さらに、エンドロールで流れるこちらの曲がまた「サイコー!!」なんですよ。

 ♪Soper Cool

www.youtube.com

 

このエンディング、吹替版でもご丁寧に歌詞を表示してくれるのですが、その歌詞が

(うろ覚えですが)

「エンドロールからが本番だぜ」

「この映画を作ったエライ人の名前気になるよな」

「90分遅刻しても大丈夫!エンドロールが見れるぜ」

とかいう、盛大な自虐の中に映画愛がたっぷりつまったものになっています。

 

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そしてもう一つ見逃せないのが、あちこちに散りばめられた映画ネタ。

やはりDC関連は面白いですねえ。

本筋にかなり絡むバットマンは、かなりのひねくれ者かまってちゃん(笑)

グリーンランタンはネタにされ、スーパーマンはのんきに芝刈り。

新旧アクアマンに、突然のブルース・ウィリスに、ハーレイクインもいましたよね。

DC以外でも、ガンダルフは崖から火口に滑り落ち、ボロボロシティにはウォーボーイズたちがたむろし、ディズニープリンセスみたいな子は女王の召使いだったりして、とにかく飽きさせない!

個人的には、単体主演映画の本数(と、今後待機する3作品)を自慢するバットマンが愛おしすぎて愛おしすぎて。あのファッション一匹狼め。

 

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そんな「レゴ® ムービー2」を気に入った方は、同じくフィル・ロード&クリス・ミラーが脚本を手掛ける「スパイダーマン:スパイダーバース」も必見!

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どちらも絶賛公開中。

やはりフィル・ロード&クリス・ミラーは間違いない!

“すべてはサイコー‼”

 

 

※画像は全てimdbより借用