イケオジ俳優好き女子の 映画とドラマ、時々その他の感想ブログ

イケオジ俳優好きの30代女子が、大好きな映画と海外ドラマを中心に気ままに気に入ったものの感想をつづるブログです

「ゲーム・オブ・スローンズ」(海外ドラマ)振り返り【シーズン1】 ~初めての方へ捧げるゲースロのすすめ(ネタバレ無し)&2度目の視聴で気づいた事(ネタバレ有り)

「ロード・オブ・ザ・リング」が完結した16年前、ここまでハマれるファンタジーにはもう生涯出会えないと思っていました。

 

だけど、そんな当時の私の感慨深い想いを10年たらずのうちに払拭したファンタジーシリーズがあります。

その作品こそ、圧倒的に心掴まれる余韻と、1年間を拷問のように感じさせるクリフハンガーっぷりで毎年毎年「来年まで死ねない…」とファンたちを生きながらえさせてきたあの傑作「ゲーム・オブ・スローンズ」

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今年4月、まさに迎えようとしている大団円の最終章に向けて、もう一回シーズン1から見直したくなってしまったが最後。

週末ががっつり潰れることも気にならないぐらい、2回目の鑑賞はさらに面白かった・・・!!

(正確には好きな回だけちょこちょこ見直したりしてるけど、完全に全シーズン通して見ようとしたのは2回目)

 

何故か日本でだけそこまで盛り上がっていない不遇の作品なので、ネタバレ無しで「今からでも遅くない!ゲースロのすすめ」もご紹介しつつ、2回目だからこそ気づいた「あの時のあれ、そういう事だったのね!」もメモしておこうと思います。

実は、初見の時には理解できていなかった事が多くて、、、苦笑。

 

 

ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記 DVDセット(5枚組)

ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記 DVDセット(5枚組)

 
ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記 全話セット(全10話収録)[Blu-ray]

ゲーム・オブ・スローンズ 第一章:七王国戦記 全話セット(全10話収録)[Blu-ray]

 

 

 

【今からでも遅くない!ゲースロのすすめ(ネタバレ無し)】

 

<第1章あらすじ>

“王の手”ジョン・アリンが死んだ。

王ロバート・バラシオンは、長年の友人であるエダード・スタークに次なる王の手を依頼すべく彼の住む北の城・ウィンターフェルまで出向く。

ロバートの依頼を受け入れ、王都キングスランディングへ娘たちと共に向かう事を決意したエダード。

長男のロブは城主として残り、落とし子のジョンは北の“壁”を守るナイツウォッチに入る事になり、スターク家の子供たちもそれぞれの道を歩み始めるかに見えた。

しかし、次男のブランが城の塔から落ちて半身不随になる怪我を負ってしまう。

ブランの落下、そしてジョン・アリンの死の真相を調べ始めるエダード、そしてその妻キャトリン。

そこには、七王国の王座を揺るがす大きな陰謀と秘密が潜んでいたー。

 

 

◆まずは第1章を、とりあえず相関図を右手に、地図を左手に乗り切ろう!

「ゲーム・オブ・スローンズ」通称「ゲースロ」をオススメした時によく言われるのが「登場人物が多くて難しいんでしょ?」というもの。

はい、鬼のように多いです(笑)

でもそんなのは些末な事だったなと感じるぐらいには、愛と憎しみ、信念と欺瞞、暴力と知性が私たちと同様に血肉に宿った登場人物たちばかりで、誰一人物語上の駒などではないその濃密な人間ドラマにはまるはず!

 

一番よくまとまっていて、且つ生死の記載が無いのはスターチャンネルさんのこの相関図。

www.star-ch.jp

 

事前知識としていれておいて欲しいのは、この相関図(手元にあればOK!)に諸家の名前、そしてそもそも彼らが住む世界であるウェスタロスの地理情報!

本編中でも「北」とか「狭い海」とか地理情報は特に説明されずに進んでしまうので、これも欲しい所。

これもまたスターチャンネルさんのサイトにありますね。

www.star-ch.jp

 

あとは、可能であればウェスタロスの簡単な戦いの歴史も知っておくと、登場人物たちの会話がすんなり入ってきます。

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・数百年前の戦いの後、ドラゴン使いのターガリエン家がウェスタロス大陸を統治していた。その時に作られた「鉄の玉座」が王位の象徴として今も残っている。

・15年前ぐらいに、現王であるロバート・バラシオンが中心となって反乱を起こしターガリエン家没落。

・その原因は、ロバートと結婚するはずだったリアナ・スタークがレイガ―・ターガリエンにさらわれた上、それに抗議したリアナの父と兄が当時王座に座っていた“狂王”ことエイリス・ターガリエンに火あぶりで殺されたため。エイリスはロバートの護衛であったジェイミー・ラニスターに殺された。

・このロバートの反乱に加わっていた主要人物が、リアナのもうひとりの兄であるエダード・スターク通称ネッドと、里親でもあったジョン・アリン。ジョン・アリンはその後ロバート王に側近“手”として使えていた。

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ゲースロは、このジョン・アリンが何者かに殺された所から始まります。

この辺の歴史についての会話が第1章は結構多いので、これ知ってないと置いていかれる可能性あります、、、(実際、私は初見の時よくわかっていなかった)

世界観としては15世紀の薔薇戦争時代が色濃く反映されているので、当然政略結婚やら死刑やら戦争やらがある世界という事を念頭に置いておきましょう。

 

さあ、これで広大なゲースロの海に泳ぎだす準備はOK!

 

 

◆この世に英雄などいない。いるのは美しく愚かな人間たち

ゲースロを他の幾多のドラマとは次元の違う作品たらしめているもっとも大きな要素は、その希望と無慈悲が混ざり合った物語。

人間たるもの、最後には皆等しく死を迎えるのみ。

ヒロイックな勝利は人生の通過点に過ぎず、悲しい別れや屈辱的な敗北もまたしかり。

死ぬまで人生は続いていく。

それまで、時に美しく時に愚かに生きてもがくのがこの物語の登場人物たち。

今までのドラマとは比較にならないほど生々しく衝撃的な展開の連続に、度肝を抜かれる事確実です。

 

 

◆これはファンタジー?それとも史実?

もの凄い予算がかけられています。

この第1章は全10話で約5000万ドル=50億。1話5億!

それだけでも凄いのに、最終章はそれが全6話で1億ドル以上、つまり1話あたり20億ぐらいになるらしい。

全米視聴者数は第1章から現在まで5倍近く伸びでいるのでまあ増えるのは当然か。

その潤沢な予算のおかげで、細部まで作りこまれた世界観、まるで史実のような重みを持って迫りくる画が作り上げられています。

美しい衣装、名家毎に異なるデザインの甲冑、剣、ヘアスタイル。

荘厳な城に、雄大なロケーション。

そして度肝を抜く合戦シーン。

シーズンを追う毎に予算が増えているので、合戦シーンや諸々の壮大さは増すばかりで、もはや映画どころではないクオリティ。

何はともあれ、史実のような重みをもった画の中で自由に飛び回るドラゴンたちを目撃するという、あの何物にも代え難い映像体験を味わってほしい!

 

 

◆イケオジ俳優たちのパラダイスだった

正直、シーズン始まった時に知っていた役者は、主演のショーン・ビーンと王妃サーセイ役のレナ・ヘディぐらいでした。

だけど、2019年の今初めて観る人にとっては、なんて豪華なキャスティング!と思えるぐらい、この数年の間にどのキャストも映画や他のドラマへと抜擢され出世していった人たちばかり。

リチャード・マッデン、エミリア・クラーク、ソフィー・ターナー、キット・ハリントン、ナタリー・ドーマー、ナタリー・エマニュエル、、、

ゲースロから飛び立っていったキャストは、あげたらきりがない!

 

若手枠も当然ながら、イケオジ俳優については恐ろしいほどの枠数が用意されていて、且つどれもこれも美味しい役ばっかりなので本当にパラダイス。

 

ただし、推しが最後まで生きて残れると思うなよ。

 

そう、このハードな世界の中では誰がいつ殺されるかなんてわかりません。

それは第1章で早々に(そして衝撃的な形で)提示されるので、すぐに心を切り替えましたよ。。。

でも、そんな不穏な世界だからこそ、這って生きるキャラクターたちにどっぷり肩入れしてしまうんです。

 

そんな「私がその死を見届けなければ」と想ってしまうほど魅力的なキャラクターばかりのゲースロ。(若干愛情がねじれてますね)

さて、私の推しのキャラをご紹介しておきましょう(したいだけ!)

 

 

◆ジョラー・モーモント

過去にある秘密を抱えつつ、ドラゴンの母デナーリス・ターガリエンに従順に付き従う従者。デナーリス=カリーシ(女王)命。カリーシの為ならどこへでも。

そのプラトニックすぎる愛情と、枯れた男の魅力を放つイアン・グレン様が尊い。

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◆ピーター・ベイリッシュ(別名:リトルフィンガー)

評議会の一員で、王都の娼館の主でもあるベイリッシュ公。

かつて、エダードの現妻であるキャトリンに恋し、破れた男。

こちらもまたプラトニックな愛を持ちながら、シリーズを通じてこじれにこじらせていく様は切なくも変態的で、その救いの無さと彼なりの愛情表現に涙してしまう。

剣の腕ではなく、舌戦でこのゲームを生き抜いていく様はエイダン・ギレンの真骨頂。

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◆タイウィン・ラニスター

恐らくこの世界でもっとも「キング」たる人。

演じるチャールズ・ダンス様御年72歳、甲冑姿のあまりのカッコよさに痺れます。

初登場時、まじで鹿をさばいているという驚異の演技で一気に心を掴まれる。

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◆ジェイミー・ラニスター

王殺しの男であり、実の双子の姉とただならぬ仲であり、しかしシリーズ通して一番印象が変わった人かもしれない。

当初は「独りだけハーレクインもの(笑」とか言われていたロマンス担当ぶりも、通してみると最も真っ当な愛情を持った人であり、意外とぶれていないのです。

演じるニコライ・コスター=ワルドウはマッツに次ぐ北欧出身のイケメン俳優。

途中で髪型が変わるので二度美味しい。

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◆ダ―リオ・ナハ―リス(第1章では登場しません!)

演じる俳優さんが途中で変わるので、心しておいた方がいい。

どちらもイケメンさんだけど(旧:エド・スクレイン/新:ミキール・ハースマン)、

ちっとも似てない上、すっきりミステリアスハンサム系から急に髭面ワイルドイケメンになるという変わりっぷり。

多分最初混乱します笑。こちらはミキール・ハースマン。

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◆カール・ドロゴ

今をときめくジェイソン・モモアを世界に知らせた出世作もゲースロ。

騎馬民族であるドスラク人の王にして、デナーリスの夫となるドロゴは、まるで言葉の通じない野蛮人から始まり、妻に突き動かされ、そして妻を突き動かし、お互いを唯一無二の存在と認め合う超理想の夫像にさえなりました。

とにかくこの人にしか出来ない役。

デナーリスが彼に呼びかける時の「私のお月様、お星様」が可愛い。。

ちなみに、「バーフバリ」のバラーラデーバ役をクリエイトする際、制作陣がイメージしていたのはこのドロゴだったとか。(悪役じゃん!笑)

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◆オベリン・マーテル(第1章では登場しません!)

性的な表現も多く登場するゲースロシリーズにおいて、最もセクシーな存在がオベリン。

強き剣士であり、バイの王子で、女性の愛人あり。

ペドロ・パスカルが纏う高貴な雰囲気が、ゲースロシリーズの“セクシー”を格上げしているのは間違いないと思う。

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◆ブロン

高貴な登場人物が多数いる中において、傭兵という身軽な存在感で際立ってる人。

ティリオンを救った所から、とにかく軽やかに金で動くこの有能なオジサマは最強。

戦った後は金と女。

わかりやすい!

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気になる人はいましたか?

魅力的なキャラは男女ともにまだまだたくさん登場。

書ききれないので、第2章の時にでも女性陣を紹介しようかな。

 

 

 

 

【2回目の鑑賞で気づいたこと(第7章までの軽いネタバレあり)】

 

 

◆やっぱり前提となる戦いの歴史情報は必要だった

初見でみた時、レイガ―・ターガリエンとリアナ・スタークの話が何のこっちゃわからなかった笑。

ここは、これから観る人は先に書いた情報を一読してから鑑賞する事をまじでおすすめします。

 

◆イケオジ俳優多すぎて誰が誰だか問題

いくらイケオジ俳優が好きでも、これだけ大量に突然出てくると情報が追いつかない。

初見でぶちあたったこの壁は、2回目ではむしろワクワクする材料でしかありませんでした。

なのでここは、これから観る人は先に書いた相関図を一読してから鑑賞する事をまじでおすすめします。笑

 

◆結構大事な話をさらっとしている

レイガ―たちの話もそうだし、落とし子の情報や出自の話など、2回目でやっと「ここで言ってたのね」という事がある。

例えば、私は最初どこからどこまでがスターク家の兄弟かわかっていなくて全員兄弟だと思っていました笑。

でも字幕ちゃんと見たら、ジョン・スノウは落とし子だって割と早いの段階で言及されていたし、シオンも捕虜的なものだって台詞の中で表現されていましたね、、

あと、ジョラーの父が壁の総師だって途中まで気づかなかったし、スタニスって誰やねんとかランセルってどの金髪?みたいな事が頻発していました。

その分2回目は、大事な会話を拾っていくだけでもかなりの収穫がありました。

 

◆そもそも、ジョン・スノウの話だって第1章の段階から提示されていた

原作の「氷と炎の歌」が示すものが、炎=ターガリエン/氷=スターク で、ジョン・スノウとデナーリス・ターガリエン、もっと言えばリアナ・スタークとレイガー・ターガリエンの子であるジョン・スノウ自身の物語である事はふんわりわかっていたけど、第1章に戻ってみると視点の振り方や描き方からしてまぎれもない事実だしそう描かれている事にやっと気づいた。。

 

◆第1章の時はお金が足りてなさそうだった

第7章まで観てしまうと、第1章のカメラワークや戦争描写はちょっと物足りない。

そのくらいスケールアップの幅が凄い。

第1章、戦争シーンすっ飛ばしてますからね笑。

途中第3章か第4章?で夜の戦争シーンを取り入れたものの、画面が暗くてよくわからなかった時期を経て、第5章、第6章、第7章あたりは昼の戦争シーンも増えてその予算倍増ぶりが凄くよく実感できました。

シリーズ後半に行くにつれて引きの画も格段に増え、ドラゴンの無双ぶりに予算をかけるようになっていきますが、第1章ではわりと人物のアップが多くて引きの画の弱さを補っていたんですね。

 

◆あぁ、あのセリフはそういう事だったのか、、、が多々ある

例えば、娼館でのロスのオーディションシーン、リトルフィンガーめちゃくちゃ大事な話してた!でも、画が画なんでちゃんと字幕観てなかった・・・!とか。

シェイがティリオンに「タイウィンはなんて?シェイは置いていけって?」と聞き返すシーン、すでにタイウィン様の獅子殿事件の伏線張ってあったじゃん・・・とか。

「帰ったらお前の母について話そう」と言って果されなかったエダードとジョン・スノウの約束とか。

スタニスの信じる神の話(そしてその神への嘲笑。メリサンドルに植え込まれた光の王信仰の事ですね)が第1章の段階でなされていたとか。

こういった、何シーズンにも及ぶ脚本の伏線てどうやって管理しているんだろう、と不思議になるぐらい何気ないセリフの中に、数シーズン後に効いてくる一発が仕込まれているのは純粋に凄いと今更ながら思います。

だからこそ、何度みても面白いんですよね。

 

◆エダード・スタークは英雄だったのか

改めて第1章を観ると、エダードの教えが子供たちの生き残りにおいて悪い方向に機能してしまっているのが分かります。

ラニスター家を敵に回し、結果死に急ぐことになってしまったその姿は初見時英雄的に見えた部分も大きかったのですが、保守的な考え方、信念に重きを置きすぎて足を取られてしまうその様は、第7章まで観終わってから思うと決してこの世界で生きる事には適していなかったわけだし、それをどこまで従順に受け止めていたかが子供たちの生存力を決めていたように思います。

事実、一番の模倣者であったロブが誰よりも先に殺され、もっとも別の存在になっていったサンサが今一番生存可能性の高いキャラとなっている以上、エダードというキャラクタ―は英雄ではなく、ゲースロの世界観を観客たちにもっとも分かりやすく提示する媒体なんだなと。

サンサなんて、リトルフィンガーの子になったも同然だもの(いい意味で)。

しかし、かつて愛する人を別の男に奪われた男が、その女性の子供の人格形成において自身の血を流し込み完成させるという物語にはぞくぞくしますね。。。

 

 

 

さて、来週は第2章を復習予定!

是非第1章をまだ見たことの無い方は、まずは観てみてくださいね。

 

※画像は全てimdbより引用

「キングダム」シーズン1(ネットフリックスオリジナル/海外ドラマ)感想 ~ゾンビ×韓国宮廷時代劇が奇跡の融合!【おすすめ度:★★★★】

ゾンビものの何が好きかって、アレンジの腕前大博覧会みたいなところ。

 

 ゾンビなのに恋する少年。

 ゾンビなのにジェーン・オースティン。

 ゾンビなのにロードムービー。

 ゾンビなのにサファリパーク。

 

場所もジャンルも何でもありで、あのフォーマットを使って如何に「そう来たか!」と思わせ唸らせるか、クリエイターたちの知恵ととんちと気概が詰まった企画を掘り当てるのは、めちゃくちゃ面白い。

 

そんな知恵比べ的低予算ジャンルにも、NETFLIXが本気の予算を出してきた!

巨額の予算で製作された初の韓国製ゾンビドラマ「キングダム」シーズン1を完走。

2019年現在、全世界の2大人気ドラマ「ウォーキング・デッド」と「ゲーム・オブ・スローンズ」を混ぜ混ぜして朝鮮王朝に置き換えたような、「ゾンビ×宮廷策略物」がどちらも楽しめる超おすすめドラマです。

 

 

★「キングダム」シーズン1

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演出:キム・ソンフン

キャスト:チュ・ジフン、リュ・スンリョン、ペ・ドゥナ、キム・サンホ、ホ・ジュノ、キム・ソンギュ、キム・ヘジュン

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

舞台は李氏朝鮮時代。

王が病に倒れたという噂が国中に広まる中、死んだはずの者が夜になると動き、人を喰らうという謎の疫病もまた広まり始めていた。

側室が生んだ皇太子であるイ・チャンは、父である国王との謁見を王妃に拒まれたため王宮に忍び込むが、そこで観たのは恐ろしい獣のような影とうなり声。

大監チェ・ハクジュに追われた彼は、父の病の真相を探るべく担当医であったイ・スンヒに逢いにいくが・・・。

 

 

 

◆感想(大きなネタバレなし)◆

ゾンビもの好きとしては、韓国の宮廷時代劇ものはほぼ観たことがないので、ゾンビとうまく融合するの?ゾンビ好きでも楽しめる?と観始める前は半信半疑状態。

そもそも韓国の人名や役職名、地名になじみがない。

正直どうかなーと思いながら見進めることものの数分。

 

「おおう、王様既にゾンビ化してるんかい・・・(いいかも)」

 

と、早速のジャブ。

で、話がすすみ、どうやらイ・チャン=世子様(=セジャ様)と呼ばれる側室が生んだ息子で、謀反の疑いをかけられ王宮を追われたこの人が主人公ぽいとなり、

 

「つまりゲーム・オブ・スローンズね(わくわく)」

 

と段々話のアウトラインがはいり始めてくる。

そして、肝心のがっつりゾンビ描写はまだかなーと思っていた所で会心の一撃。

 

「これ、一番最悪な形でのゾンビ感染じゃん・・・(ぐさり)」

 

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パンデミックの原因がエグい

 

第1話で明かされる感染拡大の原因描写に、このドラマのゾンビものとしての本気っぷりが見えて気に入り、そのまま最後までイッキミしてしまいました。

せっかく現代ではなく過去を舞台にするのであれば、その時代ならではの要素とゾンビ要素をうまく掛け合わせてほしいので、その意味でもなかなか良い滑り出し。

このあたりの描写の手抜きのなさ、素晴らしい。

 

 

そんな今回のゾンビ達の法則はこちら!

 

 ①夜に活動し、朝になって陽の光が差し始めると活動できなくなる

 ②噛みつかれると瞬時に感染する

 ③首をはねるまで死なない 

 ④全速力で走る

 

④は昨今「ウォーキング・デッド」に慣れて忘れている人も多いかもしれないけど、最近のゾンビは走るよね!という事を思い出させてくれるスリル満点の描写が◎。

②③はまあゾンビものの基本設定なのですが、①が斬新で新しいしとっても便利。

物語上、日中は王朝内の策略描写に時間をさけるし、ただゾンビから逃げるだけでなく待ち構えてどう戦うかの描写に時間がさける。

突然襲われてびっくりさせる描写に走らず、まるで戦場のように戦略と戦術を組んで武器を用意してゾンビと戦うというのはなかなか面白い。

昼間に描かれる王妃や側近たちの権力への執着ぶりはまあ醜く、セジャ様との対比がきいています。

 

でも、セジャ様はなかなか曲者で正統派の聖人ではないんですよね。

側室の母のもとに生まれ、正妻である王妃が男児を産もうとしている王朝の中で命の危険を察知しながら生きてきた青年。

世間知らずなのか、お高い所も残している人なのか、たまーに毒を吐いたりする。

だからこそ、そんな彼がこのゾンビパンデミックの世に国の真の姿を知って内に秘める英雄性を開花させ、民の信頼を得て、王座に返り咲く展開が待っているはずなんだよなーと勝手に想像。

 

ゾンビ好きで観始めたはずなのに、うっかり宮廷ドラマにも肩入れする始末です。

あー、面白かった!!

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セジャ様かっこいい。。

 

 

※「ゲーム・オブ・スローンズ」を観ている方であれば、あそこまで登場人物多くないし複雑さはないので、その分早くホワイトウォーカーがやってきたとでも思えば見やすいかも!?

やつら、七王国の覇権争いが大体片付くまでご丁寧に北で待ってるからねえ・・・笑。

 

 

そんなセジャ様と共に、王朝ドラマを盛り上げるのはこの面々。

 

ソビ(ペ・ドゥナ)/王の担当医だった女医。今は持律軒という診療所にいる

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ヨンシン(キム・ソンギュ)/持律軒の患者だが、異様な銃の腕前を持つ

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ムヨン(キム・サンホ)/セジャ様の護衛。コミカルおじさん

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チェ・ハクジュ(リュ・スンリョン)/セジャ様を謀反の疑いで追う最大の権力者

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王妃(キム・ヘジュン)/妊娠中の王妃

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アンヒョン大監(ホ・ジュノ)/幼少期のセジャ様を導いた師匠

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物語は、元々全8話構想だったものを、シーズン1全6話+シーズン2という形に振り分けているので沢山の謎と興味を残して終了します。

ここからはネタバレありで。

 

 

 

 

 

 

 

 

◆感想(ネタバレあり)◆

私も最終話まで、そう思っていましたけど、実はこの「今回のゾンビの法則」それそもそもが仕組まれたミスリード!!

最終話で明かされるその事実。

 

本当は「ゾンビはある一定の温度に下がると活動し始める」だった!

 

確かに、第5話での草むらでの戦いは夜になりきる前にゾンビたちが動きだしていて、内心「あれ?」という感じはありました。

カラーコントロールもっとしっかりやって夜に見せた方が良いのでは?なーんて思っていましたが、思えばこれはヒントだったんだな…。

本編に出てくる地図でいうと東南の方でパンデミックになって関門封鎖になっていたので、北上するほど平均気温も下がってゾンビの活動時間は長くなりそうですもんね。

 

そして、そんな超大事な事実が判明したところでのクリフハンガー!!!

 

いや、そんなの観るにきまってるじゃんシーズン2…。

 

きっと、首都である漢陽に向かって北上していくほどゾンビの活動は活発になるはずなので、シーズン2ではよりゾンビ成分も増量され、宮廷の権力争いも激化してさらに面白くなるはず!

 

やはりというか、王妃の妊娠は嘘で、男の子を生ませるために妊婦たちを隔離している始末。当然、女児を産んだら即刻消されてましたね…

そこにはムヨンの妻が!きっとこのあたりも物語に大きく絡んでくるはず。

 

あと、あんな素敵な過去回想シーンを見せられておきながらも、アンヒョン大監は一番怪しいと思っているんですよね。

彼はどちらの側なのか??その真相も気になります。

 

シーズン2は今撮影に入ったらしいので、年明けぐらいかな?

シーズン1を観て、続きを楽しみに待ちましょう。

 

 

↓↓NETFLIXオリジナルのおすすめ作品はこちらにまとめています↓↓

www.evisilli.website

 

※画像は全てimdbより引用

 

「アクアマン」(映画)感想 ~海中の「ワイルド・スピード」爆誕!海のアーサー王、モモアマンに見とれる2時間半【おすすめ度:★★★★】

最高~~~。

 

2019年まだ2月も始まったばっかりだけど、こんなペースで最高な作品に出会っていていいの!?と思ってしまうほど興奮!

DCEU好きも、そうでない人も、むしろDCEUそれ何??って人にこそ観てほしいアクション・エンタテインメント、それが「アクアマン」!

 

簡単にいうと、これ1本で「ワイルド・スピード」「キング・アーサー」「リトルマーメイド」「マイティ・ソー」にクリスチャン・ラッセンの絵画とスターウォーズの合戦とプロレス風味まで過剰摂取できるお得仕様 な作品です!

 

少年のような想像力とアイディアをすべてビジュアルにしていく力をもった天才監督と、不良性感度が高くてキュートな主演俳優が魅せる新世代のアクション・エンタテインメントの大傑作です。

 

★「アクアマン」

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◆予告編◆

【特報】

www.youtube.com

【予告編】

www.youtube.com

 

 

◆あらすじ◆

ステッペンウルフの襲撃から1年後ー。

アーサー・カリーは、その人並み外れた戦闘力で海賊の襲撃を阻止するなど、“アクアマン”として地上で起こる悪事に対処していた。

しかしその頃、海底の王国アトランティスではアーサーの異父兄弟であるオームの策略が海底の諸王国へ、そして地上の人間たちへも広がり始めていた。

アトランティスの正統な血を引くものとして、メラらに海底国へと連れ戻されるアーサー。

かつてのアトランティスの女王・アトランナと人間の男との間に生まれ、どちらにも完全にはなじめずに生きてきたアーサーだったが、祖国と地上の人間界との対立の危機が彼を真の王へと導く事になるー。

 

 

◆感想(ネタバレあり)◆

それなりにアクション映画の大作は観てきたと思っているけれど、それでもまだまだ驚かされる演出に出会えるとは…!!

 

先日観た「アリータ」といい、クリエイターたちの尽きる事のないイマジネーション、想像力と創造力、そしてそれをビジュアルとして作りあげるために日々技術を進化させていくその力には本当に恐れ入ってしまう。

 

www.evisilli.website

 

「アクアマン」は、とにかくアイディアマンで、自身の描くビジョンに揺るぎない確信を持っていて、それらを必要量に対して300%くらいの分量を力技で盛り込んでくることに定評のあるジェームズ・ワン監督の全てが爆発したような作品。

 

彼は出世作「ソウ」の後、「インシディアス」「死霊館」「アナベル」、それらのユニバース作品などホラー映画を中心に活躍してきましたが、「ワイルド・スピード SKY MISSION」であのワイスピシリーズの監督に抜擢!

彼は、シリーズ後半を立て直し拡大させてきたジャスティン・リンが初めてメガホンを譲ったこの作品で、「ホラー映画専門の監督にこのトンデモアクションシリーズが務まるの?」という懐疑的な視線をものともせず作品をとんでもなく狂ったテンションの娯楽作として作り上げ、そして主演のポール・ウォーカーの突然の他界という悲しい事態に対しても、ポールと彼が演じるブライアンへの愛と追悼を映画のラストで素晴らしい形で刻んだ事で世界をあっと言わせた経歴の持ち主。

 

 

成功フォーマットがある程度あった「ワイルド・スピード」シリーズと違うのは、「アクアマン」が正直DCEUの中ではそこまで期待されていなかった作品だという事、そして主演がヴィン・ディーゼルではなく、世界的な認知度ではまだまだこれからというジェイソン・モモアだという事。

この二つの要素がジェイムズ・ワンに自由を与え、むしろ彼の溢れんばかりのイマジネーションを爆発させるのに最高の環境だったのかもしれません。

 

とにかく、いろんな映画の中の最高なシーン、最高な展開、最高な物語、最高な決め画、それらのいいところが盛り合わせ状態のくせにオリジナリティがあって渋滞していないという奇跡!

 

アクションは、「ワイルド・スピード」以上に破天荒に。

物語は、「キング・アーサー」以上にドラマティックに。

恋愛は、「リトルマーメイド」以上に美しく。

悪役は、「マイティ・ソー」以上にこじらせて。

 

そこに、クリスチャン・ラッセン以上に脳裏に焼き付く海底のイメージをこれでもかと刷り込み、スターウォーズ以上に入り乱れた合戦シーンがあり、そしてヘッドシザーズ・ホイップを決める強いヒロインがいて、これもう最高じゃないですか?笑。

 

サメを乗りこなす一族 vs タツノオトシゴを乗りこなす一族!

甲殻類の種族に、醜く退化した海溝の獣たち!

無重力状態ともちょっと違う、吹っ飛び幅のでかい水中肉弾戦!

三半規管ゆさぶりまくりのワンカットぐるぐるカメラワーク!

そんな「ワイルド・スピード」以上に規格外のアクションが繰り広げられる舞台となるのは、海底に沈んだ古代王国。

水中の神殿と銅像。

暗い海中で自己発光する生物たち。

そんな真新しいビジュアルと、神話や伝説のような建築文明が入り混じる世界のミックスぶりもまた楽しい見どころ。

 

 

そもそもアクアマンの「アーサー」という名前がアーサー王伝説をモチーフにしているのは明白なので、その他の世界観についても少なからず神話や伝説をベースにしているのは間違いない。

伝説の三又槍「トライデント」とともに消えた古代の王。

その槍を見つけ、そして持った者だけが真の王と認められる。

そんな英雄譚の世界はハリウッド映画や海外ドラマの定番設定ですが、その槍を抜くのがジェイソン・モモアとなればワクワクせざるをえない。

 

ちなみに、奇しくもアーサー王物語の最新映画化であるガイ・リッチー監督「キング・アーサー」も、不良性感度の高いチャーリー・ハナムを主演にファンタジーよりの作品になっていましたね。

王家を追われたスラム育ちの喧嘩上等アーサー王。

映画は惜しくもヒットとはならずでしたが、ジェイソン・モモアのアクアマンは、ガイリチ版アーサー像アレンジとも近いかもしれません。

 

キング・アーサー(字幕版)

キング・アーサー(字幕版)

 

 

そして悪役のこじらせ具合もまた、「キング・アーサー」であり「マイティ・ソー」であり。

オームを演じるパトリック・ウィルソンはジェームズ・ワン監督のお気に入りでこれまで彼の作品に多数出演してきたイケオジ俳優。

彼のインタビューで、「モモアとは正反対のビジュアルにした」というのが最高。

神経質なまでの髪のなでつけ具合とい、CGでの髭の消し込み具合といい、モモアの真逆を行くビジュアルアプローチは大正解!

きっと「マイティ・ソー」のロキ好きの方に刺さる事間違いなしのキャラクター作り。

正統な生まれでありながら、混血の兄のカリスマ性を憎み道を間違えていく弟ってそれはもうみんなが好きなやつでは…!?

 

マイティ・ソー (字幕版)
 

 

そんな弟が起こしためんどくさい海底国内戦争にアクアマンを無理やり呼び戻すメラの強さもやばい。

アンバー・ハードのリトルマーメイドっぷりはあくまで外見だけで、新時代のヒロインは自分で戦うしなんなら強引に主人公の運命も決めちゃうし、がんがん冒険につっこんでいくパワースタイル。

そして相変わらず美しい~。

 

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クラゲのウェディングドレスみたいなヘンテコファッションも着こなす美貌。

緑のボディスーツ時にわかる、尋常じゃない足の長さには口あんぐり。

アクアマンとのK〇SSシーン、足を絡めあったふたりの造形美があまりに美しすぎる上に「これでどうだ!」とでも言わんばかりの決めショットっぷりが最高にセクシー!

その上に、初めてのシチリアの景色に目を輝かせ、子供に噴水で魔法を見せたり、花食べちゃったり(笑)、可愛いが過ぎる・・。

「ジョニー・デップとイーロン・マスクの元彼女」という良いんだか悪いんだか微妙な知られ方でビハインドしていた彼女だけど、やっぱりいいなー。

 

 

 

物語的なリアルマーメイドポジションはどちらかというとニコール・キッドマン演じる母・アトランナですね。

映画の冒頭を飾るアトランナとトーマス(アーサーの父)との出会いとのシーンだけで、簡単に涙出ちゃうほど神々しいニコール様の美しさにも注目してほしい。

 

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ここに参謀ウィレム・デフォー、メラの父ドルフ・ラングレンといった、ちょっと独特かつ濃すぎる助演陣を従えながら、それでもこの映画は彼のものだと言わせる迫力を魅せるのがアクアマン役のジェイソン・モモア!!

 

めちゃくちゃカッコいい~!!

そりゃ、2018年の世界で一番ハンサムな男ランキング1位取りますよこれは。

 

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思えば、「バットマンvスーパーマン ジャスティスの誕生」のカメオ出演では、ただの素潜りタトゥ髭もじゃおじさんとか言われていた彼が、続く「ジャスティス・リーグ」では強さと弱さのツンデレっぷりを見せ、そして迎えた単独主演作。

 

その間にTwitter上などで「モモアマン」という愛称を得た彼は、むしろアクアマンのキャラクターを自身に近づけていく事で更なる魅力を役柄に与える事に。

いや、キャラクターを自身に近づけた所でそれが魅力的になるかどうかはむしろ演じる役者本人の素材の良さ次第だから、となるとやっぱりモモアマン本人が魅力的ってことかも!?

 

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このシーンとか、そのまま普段のモモアマン。たぶんレザーベストも私物?

 

ほんとに、ワイルドさとキュートさがここまで共存する俳優さんを他に知りません!

役を得るために友人に鼻を殴らせる男。

オーディションでハカをおどっちゃう男。

髭もじゃでツインテールを披露しちゃう男。

8歳の頃の初恋を初志貫徹して10歳以上年上の現奥様を略奪婚したうえで、その元夫とも熱い友情を築き、その娘とも仲良しになる男。

エピソード一つ一つもぶっとんでるし、あのワイルドな風貌に対してくっしゃくしゃの笑顔でがはがは笑う姿のギャップ!

 

かつてパブでの喧嘩で顔の左を何十針も縫う大けがをし、今でも左眉の間に傷跡を残すそのルックスは、むしろ彼を一度見たら忘れられない俳優として印象付けていますね。

 

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そんな持ち前のワイルドさ、超絶バランスの良い肉体美、そして劇画ちっくなルックスは、DCEUの製作総指揮であるザック・スナイダー好みのスローモーション決めショットにバシバシはまる!

最後の見せ場の水上戦で魅せる、水しぶきを背中に受けて神々しく輝くモモアマンの決めポーズ連打っぷりには、あまりにかっこよくて思わず笑っちゃうほど。

 

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そんなアクションシーンももちろんですが、何よりもモモアマンらしさが役に反映されていたと思うのはやっぱりメラ様と一緒のシーン。

 

特にシチリアでのぶらぶらシーン。

初めてのシチリアに目を輝かせ、赤いバラをむしゃっと食べちゃうメラ様。

このメラ様も可愛いんだけど、それを観て「こいつかわええな~」って表情しながら自分も薔薇をむしゃむしゃしてみせるモモアマンの素敵なこと!

 

「ワンダーウーマン」でクリス・パインが演じたスティーブ・トレヴァーに通じるものがありました。

人間界のルールを知らずにあの格好でうろうろしたり剣を振り回したり、何かと“天然ちゃん”的な行動をするダイアナ・プリンスを、頭ごなしに否定することなく付き合ってくれるスティーブが大好きなんですが、アクアマンはさらにその進化系でしたね。

 

 

 

そんなモモアマンの魅力を初めてこの作品で知った人は、是非「ゲーム・オブ・スローンズ」でのカール・ドロゴ役も観てほしい!!

ワイルドなルックスはそのままに、シリーズ最大の人気を誇るキャラ=デナーリス・ターガリエンを、右も左もわからぬ少女からドラゴンの母たる強く信念を持った女性へと押し上げる唯一無二の王。

この、自身も強く主人公たるキャラクターでありながら、女性キャラの旺盛な行動力や強い信念を後押ししてくれる包容力、それこそ広い海のような器の大きさがモモアマンの何よりの魅力だと思うのです。

 

 

 

 

ちなみに、「モモアマン」という愛称は本作のパンフレットにも記載されているので、もう公式という事で良いんでしょうかね!?

初めに言い出した方のセンスに脱帽。

 

 

そんなわけで「アクアマン」は、物凄いアクションの物量と、皆が好きな要素を濃縮したキャラクターと、野性味と美貌でできた俳優たちをてんこ盛りにして大量の火薬と水をぶっかけて共存させた物凄い作品!

 

2月8日(金)より全国公開中です!

 

↓↓宣伝も正しく面白くて大好き!↓↓

 

※画像は全てimdbより引用

「アリータ:バトル・エンジェル」(映画)感想<ネタバレ無し> ~絶対観るべきSFアクションの傑作!【おすすめ度:★★★★】

今年最高のヒロインは「アクアマン」メラ様か、アリータで決まりかも!?

映画の表現の可能性を広げる、エポックメイキングな1本になる事間違いなしの作品を一足お先に試写で拝見しました。

 

公開前なので、ネタバレ無しの感想と見所を。

大興奮の2時間半です!

 

★「アリータ:バトル・エンジェル」

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製作総指揮:ジェームズ・キャメロン

監督:ロバート・ロドリゲス

キャスト:ローサ・サラザール、クリストフ・ヴァルツ、マハーシャラ・アリ、ジェニファー・コネリー、キーアン・ジョンソン、エド・スクレイン、エイザ・ゴンザレス 他

 

◆予告編◆

www.youtube.com

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

没落戦争から300年。

空に浮かぶ都市“ザレム”と、その廃棄物が堆積して荒廃した街“アイアンシティ”は、交わる事のない別々の世界として分断して存在していた。

ある日、アイアンシティに暮らすサイバー医師のイドは、瓦礫の中から少女の頭部を披露。

300年前のサイボーグ戦士の生き残りであるその少女はイドによってボディと接続し再生され、“アリータ”と名付けられた。

記憶を亡くしていた彼女の過去の秘密が徐々に解き明かされるにつれ、彼女を狙って迫りくる敵との闘いも激しさを増していく。

果たして、アリータの過去に秘められた秘密とは?

彼女は愛する人を、そしてこの世界を守る事が出来るのか?

 

【キャラクター紹介】

アリータ:ローサ・サラザール/瓦礫の中から拾われたサイボーグの少女

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イド:クリストフ・ヴァルツ/アリータを拾ったサイバー医師でハンターウォリアー

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ベクター:マハーシャラ・アリ/モーターボールを取り仕切る謎の男

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チレン:ジェニファー・コネリー/ベクターと共に行動する謎の女性

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ユーゴ:キーアン・ジョンソン/アリータとアイアンシティで出会う青年

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【原作はこちら】 

銃夢(1)

銃夢(1)

 

 

 

◆感想(ネタバレなし)

最近の20世紀フォックス作品は、「グレイテスト・ショーマン」、「ボヘミアン・ラプソディ」、そしてこの「アリータ」と、熱量のこもり方がちょっと尋常じゃない。

 

クリエイターたちの、魅せたい世界と物語を作り出す事にかける執念が、痛いほど伝わってきてそれだけでちょっと泣きそうになります。

 

本作も、ジェームズ・キャメロンの20年越しの念願の企画。

製作スケジュール等の事情で監督はロバート・ロドリゲスに譲る事になりましたが、いやーこれ完全に(いい意味で)キャメロンの映画になってます。

 

そのキャメロンの惜しみない愛情は、アリータの造形美や脚本からありありと伝わってくる。

 

いやー、アリータ、超可愛い。

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そもそも、全員リアルな役者が演じる中で主人公だけオールCGで描くっていうかなりチャレンジングな映像表現。

そして、予告編解禁時に賛否両論を巻き起こしたアリータの“漫画目”。

公開が延び、予告編が更新される度に磨きがかけられたそのアリータの造形は、スクリーンの中でこのハードな物語を引っ張る大きな引力になっています。

 

肌の質感から睫毛、涙の筋、瞳の中の虹彩にいたるまで、その造形美にクリエイター陣の情熱が全て集約されてる。

美しい白い陶器のようなボディの透明感、バーサーカーボディの鋼鉄感。

そしてローサ・サラザールの演技を取り込んだ、どこまでもキュートなアリータ。

気が強く、ちょっといたずらっぽく、だけど可愛げがあって、そして戦士の心を持つ少女。

原作の“ガリィ”の魅力を余す所なく盛り込んだアリータに、観客誰もが恋するはず。

 

ローサ・サラザール(とCGチーム)、おそるべし!

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ご本人もキュートな女優さんです。

 

そんなアリータの魅力、そして彼女の成長と贖えない運命が、物語の最も大きな軸となっています。

原作とは多少展開が異なりますが、基本的にその脚本改編ポイントはアリータの物語とキャラクターをより濃く補強するという1点に集約されているように感じました。

原作の要素を残酷な運命を背負った戦士としての姿に濃縮し、片や原作前半の大事な要素であるユーゴとの恋を通して、アリータの“人間”らしさと愛くるしさを観客に体温を伴って魅せるためのそれは、原作既読の私でもウェルカムな形。

むしろ、モーターボールの盛り込み方なんかは映画の方がスキかもしれません。

 

登場人物が多いのでそこだけクリアできれば、原作未読の方もかなり楽しめるはず!

原作初見時に涙したあのユーゴのシーンや、あのアリータのシーンにびっくりして、そして心を揺さぶられて欲しい。

男性向け雑誌での連載作品ですが、古くは「セーラームーン」や最近だと「宝石の国」など、戦う少女達を描いた漫画に多大なる影響を受けてきた私のような30代女子にこそ観てほしい作品。

特に、「宝石の国」が好きな方は、アリータの“あの”姿なんかは刺さるものがあるのではないでしょうか。

美少女戦士セーラームーン 完全版 コミック 1-10巻セット (KCピース)

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宝石の国(1) (アフタヌーンKC)

宝石の国(1) (アフタヌーンKC)

 

 

 

そのほかのキャストでは、ユーゴ役のキーアン・ジョンソンくん、初めて観たけどすごく良かった…!!

ナチュラルな彼氏感に滲む包容力と、それでいて母性をくすぐる感じ。

そして安心のクリストフ・ヴァルツさま。

原作イドのイメージそのままのビジュアル、存在感。

マハーシャラ・アリは、ある意味美味しいシーンが盛りだくさん。

 

 

そして最後、原作既読の方にはサプライズもあります。

個人的にはかなりいい形だと思う!

 

アリータの造形に限らず、世界観の作り込みも凄い。

アイアンシティの混とんとした感じや、ハンターウォリアーたちの独特なフォルムにうっとり。

 

とくに、エド・スクレインの元の演技が滲んでみえるザパンと、ジャッキー・アール・ヘイリー演じるグリュシュカ(原作のマカク)、彼らハンターウォリアーたちのシャキンシャキンした質感がたまりません。

 

彼らとのバーでの戦い、地下世界での戦い、モーターボールでの戦い。

その滑らかな動きと躍動感、疾走感。

昨年「レディ・プレイヤー・ワン」で、婉曲してせりあがった高速道路を宙に舞うように走り抜けていった車たちを観た時以上の高揚感!!

映像的な見所も満載で、それを盛り上げるジャンキーXLことトム・ホーケンバーグの音楽も相変わらず炸裂してます。

 

早くもう一回みたい!!

 

「アリータ:バトル・エンジェル」は2月22日公開。

今年絶対に見逃せない1本です!!

 

※画像は全てimdbから引用

 

 

「FYRE 夢に終わった史上最高のパーティー」(ネットフリックスオリジナル/映画)感想 ~インフルエンサーマーケティングの光と闇【おすすめ度:★★★】

こんにちは。

 

以前から面白いと聞いていたNETFLIX製ドキュメンタリーの最新話題作「FYRE」。

仕事柄的にも気になる題材だったので見てみたら・・・ちょっと、これは必見!!

 

もしこれが映画だったら、こんな脚本書こうものなら「いやいや、さすがにリアリティないだろ!」とどこかしらでつっこみが入るであろう地獄のデスマーチ展開が、実際に起きていたという事実が凄すぎる。

 

面白いというのは語弊がありますが、題材とそこへの肉薄具合が出色!

全ての働く人必見、胃がきりきりするドキュメンタリーです。

 

 

★「FYRE 夢に終わった史上最高のパーティー」

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◆予告編◆

www.youtube.com

 

 

◆あらすじ◆

青い海に抜けるような青空。ビーチには水着のスーパーモデルたち。

そんな楽園のようなバハマの私有島で開催される予定だった豪華音楽フェス「FYRE フェス」は、突然当日キャンセルという未曽有の惨事に見舞われる。

一体、何故そのような事態に…?

フェスを仕掛けた実業家、疑問を持ちつつも彼の夢を支えようとして裏切られたスタッフたち、そして幻と消えたフェスの参加者たち。

フェス開催までの彼らの様子と、インタビューをもとに構成されるドキュメンタリー。

 

 

◆感想◆

胃が、、、胃が痛いよー!!!

 

これ、ここまでの大惨事とはなっていなくとも、近しい状況を観たことある人は少なからずいるんじゃないですかね…?

ちなみに私は、惨事のサイズ感でいえばこの1万分の1くらいですが、同じように「あ、これデスマーチに入ったな・・・」と思った経験、あります。。

この時は取り残されたスタッフ側でしたが、思い出しても胃が痛い、、、。

 

最もツライのは、このFYREフェスの主催者である実業家ビリー・マクファーランドが根っからの極悪人ではない点。

いや、ここまでの詐欺を働いている次点で悪人ではあるのですが、「騙してもうけようぜ!」から始まったフェスではないという点。

 

ただただ、熱意と夢だけが暴走し、それを支えられるだけの力量が伴わなかった。

そうした状況を客観的に認識して対処できる能力も覚悟も、そしてつもりもなかった。

半ばトリップ状態で突き進み、嘘に嘘を塗り重ねる事に自制がきかなくなっていたナチュラルボーンライアー。

 

自分に異を唱える人間を、切り捨てる事でしか自分を維持できなくなっていたビリー。

自身の力量、出来る範囲を正しく見積もれていれば、もしくは、状況を正しく見積もった上での周囲の度重なる助言を聞き入れていれば、こんな事にはならなかったのに、、、

 

当日のフェス会場は、想像以上の惨状でひどすぎて笑ってしまうほど。

状況がつかめず、ひたすらビーチで酒を飲むしかない参加者たち。

事態が掴めてきた途端、テントを取り合う人々。

だけどテントは水浸し。そもそも宣伝とあまりに違うチープなつくり。

豪華ディナーのはずが、紙切れのようなハンバーガー。

待てど待てど始まらないステージ。

帰りたくても、帰りの飛行機がない!

 

FYREフェスが謳った、ベラ・ハディットやエミリー・ラタコウスキーらスーパーモデル達と過ごす夢のフェスティバルの姿はもはやどこにも見えません。

 

www.youtube.com

 

 

そして、そんなビリーに振り回されたスタッフたちのインタビューが泣ける。。。

 

開催中止の瞬間まで、なんとかしようと奔走したスタッフ。

あまりの惨状に、中止を訴え続けてきたスタッフ。

何もわからず、突然の中止に動揺するしかなかったスタッフ。

 

インフラが無い、トイレが無い、水がない、宿泊所が無い・・・。

全てビリーの夢だけで始まったFYREフェスには、それを支えるために必要な設備も準備も経験もなかったのを、時にはスタッフが個人で資金を立て替えて、時にはお金のために身を捧げる覚悟さえしてなんとか這いつくばっていたのです。。

 

そんな彼らには、フェスの中止後給料も払われず、その上「家族なんだから一緒に頑張ろう」という恐ろしい言葉がビリーからかけられる始末。

 

そして、逮捕・保釈後も、PR担当がついて高級ホテルで何やら怪しい詐欺に首をつっこんでいくビリー。

 

うん、全スタッフさん、キレてよし!!

 

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ビリー・マクファーランドと、共同創業者のラッパー ジャ・ルール

 

彼が開催前に見せつけたインフルエンサーマーケティング施策の効果のほどは観ての通り。

あんな実態の知れない新規の音楽フェスイベントがあれだけの集客を獲得できていたのは、ひとえにインフルエンサーたちが投稿した写真、動画、そしてFYREフェスをアピールする「オレンジのタイル」の力。

ある意味、彼女たちの集客力はこれ以上ないほど証明されたわけです。

彼女たちは、どんなフェスかなどわからずにただ仕事としてきたものに十二分に答えていただけでしょう。

 

ただ、PRをする側のインフルエンサーにとっても、この事件は自身の仕事を振り返り、そして今一度仕事の受け方を考え改める必要性を突き付ける、かなり大きな出来事になったはず。

実施、事件後PRに加担したインフルエンサーたちが謝罪する事態になっているんですよね。

 

ちょっと内容は違いますが、最近商標権侵害として話題になったティラミス店「HERO'S」。

本家シンガポールの「ティラミスヒーロー」に無断で商品をパクって商標登録して展開していた事が明るみになった事件ですが、その「HERO'S」の広告塔を三浦翔平さんが務めているんです。

これ、三浦翔平さん側にとってはとばっちりで、この商品・企業がパクりだなんて気づかなかったと思うんですよね。

相手先シンガポールだし。

だけど、こうして事件化した時に自動的に三浦翔平さんが紐づいてネガティブに紹介されるのってすごくイメージに傷つけられちゃってるはず。

事実、彼のインスタには批判的なコメントも来ているし。

 

ただその一方で、そんな商品を広める事に加担してしまってもいるのも事実で、それはそれで厳しく言われてもしょうがない部分ではあります。

これからの時代、単純に「CM契約で〇千万円」という事におどらされるのではなく、自身が紹介する商品、薦める商品には責任を持たないといけないのがインフルエンサーや著名人の鉄則。

今なお効力を持つインフルエンサーマーケティングに関わる全ての人に警鐘を鳴らすという意味で、なかなか得難い教訓を与えてくれる作品になっております。

 

そんなワケで、全社会人必見!特にPRやら広告やらに携わる人、自身のプロダクトに夢を情熱を持つ起業家の方などには特に観てみてもらいたい必見のドキュメンタリー。

NETFLIXで好評配信中です!

 

※画像は全てimdbより引用

 

↓↓NETFLIXオリジナルのおすすめ作品はこちらにまとめています↓↓

 

 

 

※余談:

このFYREフェスの顛末、やっぱりどう考えても題材的に興味深すぎて、どうやらhuluでも別視点でのドキュメンタリーがあるようです。

しかも、hulu版にはビリーのインタビューがあるらしいのですが、そのためにビリーに何千万もギャラを払ってる事をNETFLIXが暴露・ぶちあげて論争になっているんだとか。

それこそ、やりたい事に向かって暴走してしまったビリーと同じじゃんっていうオチ苦笑。

(残念ながら、日本huluでは19年2月3日段階では配信されていないようです)

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「ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー」(ネットフリックスオリジナル/映画)感想 ~超豪華なハリウッド版「世にも奇妙な物語」【おすすめ度:★★★】

最近のNETFLIXオリジナルは、本当に自由だ。

 

「ビースト・オブ・ノー・ネーション」を放り込んできた頃は、“良質なアートハウス系映画は我々が救う”的な事を目指しているのかと思っていたけれど、最近のラインナップを観る限りそれだけではないらしい。

 

「ROMA」のアカデミー賞ノミネートに代表されるように、そういったクオリティ志向の作品群が今も一つのラインとして存在しているのは確かだけど、なんかもっと、混とんとしているというか、NETFLIXの中で様々なジャンル・コミュニティ?ファンダム?のようなものが沢山出来ているような感じ。

そんな崇高なものではなく、我々のもとに降りてきた、もっと欲望に忠実な作品作りというか、いいぞNETFLIX!という感じのラインナップ(笑)

 

 

例えばマッツ・ミケルセンの「POLAR 狙われた暗殺者」なんて、マッツファンしかターゲットにしてないんじゃないの?という1スターのファンダム一極集中ぶりですよ?

www.evisilli.website

 

今作「ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー」も、予告やアートワークからしてみるからにただの“いい映画”ではなく、もっと「こういう事やったら面白くない?」という欲望と興味に忠実に作られた映画という感じがして、わくわくして待っていた作品。

 

そして、案の定でしたよ!

これは、超お金のかかったハリウッド版「世にも奇妙な物語」です!

ああ、楽しい。

 

★「ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー」

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◆予告編◆

www.youtube.com

監督:ダン・ギルロイ

キャスト:ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ、ゾウエ・アシュトン、トニ・コレット、ナタリア・ダイアー、ジョン・マルコヴィッチ、

※この予告冒頭のジェイクの演技が最高!

 

◆あらすじ◆

舞台はロサンゼルスの現代美術界。

彼氏と別れたばかりの辛口の評論家モーフは、画商を夢にみるジョセフィーナにすり寄っていた。

野心に燃える彼女は、冷酷でやり手な画商ロドラのギャラリーで働く雑用係。

そんな彼女がある日、マンションの別階でなくなった老人ヴェトリル・ディーズの家をのぞくと、そこには恐るべき引力を持つアート作品が残されていた。

「捨てろ」というディーズの遺言を無視してその作品を持ち帰ったジョセフィーナ、その作品を扱おうと横入りしてきたロドラ、そして作品についての本を書くと言い出したモーフ。

欲望に満ちた彼らの運命は、ディーズの作品によって狂い始めるー。

 

 

◆感想<ネタバレあり>◆

ダン・ギルロイ監督×ジェイク・ギレンホールといえば「ナイトクローラー」。

 

この作品でジェイクが魅せた狂気の表情、あのさわやか青年が欲望でギトギトして見えるほどの壮絶な演技。

 

その二人が再びタッグを組み、そして「ナイトクローラー」でもいい味出してた監督の妻であるレネ・ルッソも再共演となれば、純粋なアートサスペンスになんてなりようがないわけです。

 

いやー、完全に「世にも奇妙な物語」ですこれは!笑。

 

物語は、あらすじに書いたような事がほぼすべてで、アート作品を「金のなる木」としか見ていないアート界の面々を壮大に皮肉り、(物理的に)抹殺していくというもの。

そこにはもちろん批判精神も色濃く出ているんですが、それが「ホラー」というエンタメとして昇華されているのが一番の面白さ。

 

アートが、物理的に、殺しにくる。

 

自分が「金のなる木」として、自身の欲望の達成の道具としてみていたアート作品に襲われるという構図はなかなか観たことがない!

 

もうこんな豪華なキャスト達が、不条理すぎる状況下で死に追い込まれていく様がなんとも風刺的。

絵画の中のサルに襲われるビリー・マグヌッセン。

球体アートから手が抜けなくなり、シュパッと腕がもがれて失血死するトニ・コレット。

自身の出世のための駒としてしかみていなかったアーティスト・ダムリッシュの路上の落書きの中に取り込まれてしまうゾウエ・アシュトン。

背中に入れたタトゥーが回転しだして肉体を破壊されるレネ・ルッソ。

そして、謎のホームレスロボットに追いつめられるジェイク・ギレンホール。

 

それぞれ基本的に死体(死に顔)は写さないという所に監督の意図を感じます。

それは、死体のバリエーションを描いてしまうとそこに焦点が集中してしまうという懸念、そしてそこが核ではないという監督の興味の現れでしょうか。

特に主演のジェイクの最後をまったく描かないあたり、「あとは彼のやってきた事を考えればわかるでしょ?」と言われているかのよう。

 

「世にも奇妙な物語」でもよくあったじゃないですか、こういう感じの話(笑)

ちょっと風刺的で、教訓めいた物語を下地に、不条理な死が広がっていくブラックコメディ的な感じのやつ!

 

 

だけど、そんなアート達による殺戮がただのコメディにならず結構本気で怖いのは、このヴェトリル・ディーズの作品として展示される作品がリアルな引力を持っているから。

 

調べてみたのですが、劇中アートのクリエイターはこの方。

 

Saxon Brice(Original Art Creater)

Saxon Brice Studio | Los Angeles based visual artist

 

FLORENCE+THE MACHINEのアルバムアートワークとかを手掛けているみたいです。

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本人の公式HPより引用

 

劇中で何作品か彼のアートが展示されるのですが、そのどれもが悪魔的な恐ろしさとそれでも惹きつけられる魅力があって、特にアートの知見はない私でも魅入ってしまいました。

欲しいかと言われたら、怖いので家には飾れないけれど…(笑)

 

www.instagram.com

※劇中で一番ヤバいのがこの作品。目が離せなくなります。。。

 

 

彼の作品群の持つ有無を言わせぬ説得力は、その作品を前にした時に「金」を想像する側の人間か、純粋にその魔力に魅入る側の人間か、観ているこちらにも問いかける力がありました。

 

 

思えば、モーフの最後にしても、トニ・コレット演じるミュージアム運営のグレッチェンの最後にしても、純粋にその価値を受け止められなかったアート達に襲われています。

 

一方でダムリッシュと、ジョン・マルコヴィッチ演じるベテラン作家ピアースのふたりの描写は対照的。

 

ディーズのアートを観て、アーティストとしての魂を売りかねない自身の行く末に気づき、原点に立ち返るほど純粋にその価値、力に引き寄せられたダムリッシュとピアース。

エンディングのピアースがただただ心にしたがって海辺で砂に円を描いていくシーンは、「アートって本来そういうものだったはず」という原点を思い出させてくれる。

彼らの存在、そして本気で魅入ってしまう劇中アート作品の数々が、本作に「世にも奇妙な物語」の一篇で終わらない魅力を与えていたように思います。

 

そんな、「言われてみればそこまでの話」になりそうな物語を、予算をかけてこれだけの豪華キャスト(と本格的なアート作品)で、且つクリエイターの理想のままエンタメとして仕上げてくれるNETFLIX。いいよその調子!

 

 

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最後にイケオジ俳優チェック。

この作品でのジェイク・ギレンホールは、ゲイのアート評論家役です。

やっぱり上手いよ~~。

アヒル口に、常に顔周りをうろつく手の動きや所作、にょろっとした立ち方etc.

前半でまさかの「全裸に〇〇で日光浴」があります!!

「ハイ・ライズ」のトム・ヒドルストンの「全裸に本で日光浴」並みの威力・・・。

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そんな日光浴シーンは是非本編で、、

 

「ベルベット・バズソー 血塗られたギャラリー」は2月1日よりNETFLIXで配信中です!

 

※画像は全てimdbより引用

 

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「メリー・ポピンズ リターンズ」(映画)感想 ~エミリー・ブラントが新たに魅せるヒロイン像と、“今”の音楽映画として足りないもの

こんにちは。

昨今の音楽映画・ミュージカル映画のブーム、「ボヘミアン・ラプソディ」は120億円を見込めるペースでロングラン中との事で盛り上がっていますね。

私も音楽映画はもともと大好きなので色々見ていますが、去年末には「アリー スター誕生」があり、そして年が明けたら本作「メリー・ポピンズ リターンズ」が登場!

 

オリジナルは観るべきなんでしょうが、未見で新作を鑑賞してきました。

もうこれは、エミリー・ブラントの魅力につきる!

ただし、音楽映画としては乗り切れない部分も・・・。

そんな「メリー・ポピンズ リターンズ」の感想です。

 

 

★「メリー・ポピンズ リターンズ」

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監督:ロブ・マーシャル

キャスト:エミリー・ブラント、リン=マニュエル・ミランダ、ベン・ウィショー、エミリー・モーティマー 他

 

◆予告編◆

www.youtube.com

 

◆あらすじ◆

大恐慌時代のイギリス・ロンドン。

すっかり成長したバンクス家の長女ジェーンと長男マイケル、そしてマイケルの三人の子供たち。

妻を亡くして傷心のマイケルは、なんとかかつて父や祖父が働いていた銀行での臨時の職についていたが、時代の煽りを受け苦しい生活を送っていた。

さらに、融資の期限切れで担保に入れていた家を失うかもしれないという大ピンチに!

だがそんな時、空から再びあの「メリー・ポピンズ」が風にのって舞い降りてくる…

!!

 

 

◆感想<ネタバレなし>◆

オリジナルを観ていないので比較や小ネタなどについては分かりません。

なんとなく昔テレビで流れていた有名なシーンと、♪スーパーカリフラなんとか~ という例の歌を知ってる、ぐらいのステイタス。

 

ただその程度の私でも、ジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズ像はなぜか鮮明にイメージが出てくるんですよね。

きっと、かなり愛されてきたキャラクターなのだろうという事は想像に難くありません。

 

そんなメリー・ポピンズ役を刷新する女優として、ファーストチョイス且つ彼女しかいないとしてエミリー・ブラントに声をかけたのは素晴らしい選択だったと思います。

 

いやー、エミリー・ブラント、超素敵でした!!

※エミリーへの愛はこちらにて

www.evisilli.website

 

この中で、彼女の魅力をこんな感じで書いています。あともちろん演技の上手さ!

 

1、強く気高く、意志的で自立した女性を演じる時の爆発力

2、そんな中にきらっと滲む少女性

3、洗練されていながらも親近感のあるファッショナブルさ

4、ちょっとシニカルさをもった抜群のコメディセンス

5、しなやかで、意外な身体能力の高さ

 

今回の役はまさに、ここにあげた全てのポイントが堪能できる!

ジュリー・アンドリュースのメリー・ポピンズが愛されたように、エミリーの演じるメリー・ポピンズも皆に愛されるであろうと自信をもって言えるハマりっぷり。

 

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独特の低めの声と、抑揚のつけ方まで聞いていて楽しくなるようなセリフ回し、そのセリフ回しに合わせた視線の送り方や表情をつけるタイミングなど、細かな所作までキュートできりっとしたエミリーの演技はずーっと観ていたいほど素敵。

メリー・ポピンズのキャラクターの特徴であるすました感じ、それが嫌味にならずに魅力になっているところ。

 

そして、「イントゥ・ザ・ウッズ」以来?の音楽・ミュージカル映画。

台詞回しが魅力的なエミリーの、台詞からの流れで歌へ入っていくときの「台詞であり歌であり」なあたりの感じ、そしてそこから歌で魅せるシーンへと入っていった時の歌声、やっぱり素敵!

拳がいい感じに効いてます。

歌に乗せたダンスパフォーマンスにもかなり力が入っていて、見ごたえ十分。

 

あとやっぱり、あの特徴的なファッションを着こなすファッショナブルさ。

色使いといい、シルエットといい、実は結構難しいファッションだと思うんですよね。

しかも、そのかっこで傘さして空から降りてこなきゃいけないわけで(笑)

それがトンチキなものに見えず、ぎりぎりのリアリティとたっぷりのファンタジックさで見れるのは、あのファッションとそれを着こなすエミリーの力も寄与しているはず。

 

あの凛とした立ち姿が美しいです。

 

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さて、エミリー好きとしてエミリーのメリー・ポピンズは堪能したんですが、実は作品自体にはちょっと不満あり。

 

 

 

 

※以下、作品への不満点です。

 作品を気に入った方は読み飛ばしてくださいね。

 

 

 

その不満は「楽曲」と「パフォーマンス」について。

これは好みの問題も大きいし、そもそもオリジナルからしてそういう作品ではないのかもしれないのですが、、、

 

刺さるようにエモく、キャッチ―で、プレイリストに入れたくなるような楽曲が圧倒的に足りない!!

生活の中の1場面がステージへと変わるような、 体温と息遣いのあるタイプのパフォーマンスじゃない!

 

そんな風に思ってしまったんですよね。

 

 

そもそも、音楽映画・ミュージカル映画に求めるものが何となく変わりつつある気がしています。 

それは、もしかしらた音楽の聴き方自体が変わってきたからかもしれません。

 

もともと音楽も好きで、中学~高校の頃は好きなアーティストのアルバムは発売日に買って聞きまくっていた私。

お金が無いので、ブックオフで欲しかったアルバムを買ったりもしていました。

大学になると、タワレコに通っておすすめの洋楽アーティストのアルバムを試聴し、良いのがあれば買って帰ったりしてました。

 

この「アルバムを買う」習慣のあった頃の音楽の聴き方、そしてアルバムの作り方は「コンセプトを提示し、一作通して世界観を提示する」というものだったんですよね。

だから、出来る限りアルバムの曲順に聞くし、シャッフルするとしてもアルバムの中の曲内でのシャッフルで聞く。

 

だけど、スポティファイやアップルミュージックなど、サブスクリプション型の音楽配信が主流になって、聞き方が変わりました。

アーティスト毎に聞く事もないし、ましてやアルバム毎に聞く事もない。

好きなアーティストの好きな曲だけをプレイリストにしてシャッフルして聞く。

プレイリストこそが自分のベスト盤。

おかげで好きなアーティストの数は広がったけど、深く曲数を聞きこむことが減りました。

 

これがどう映画に関係するかというと、音楽映画・ミュージカル映画を観る時、映画の中の音楽もベスト盤的な、全部が推し曲的な構成が心地よくなってくるんです。

 

なんとなく思っていた事ですが、今回「メリー・ポピンズ リターンズ」を観てよりそう思うようになりました。

 

例えば、現在規格外でヒット中の「ボヘミアン・ラプソディ」は、1曲1曲、皆きっとどこかで聞いた事があるはずの名曲を詰め合わせたそのままクイーンのベスト盤だし、最後の20分はライブまで体感できるという超お得仕様。

 

「グレイテスト・ショーマン」なんかもこの法則に当てはまる。

最高のメイン曲「This is Me」だけでなく、実は一番人気が高い?オープニング&エンディングシーンでの使用曲「The Greatest Show」、そこから立て続けに繰り出されて観客を一気に映画の世界へ引き込んだ「Million Dreams」、唯一の吹替だけど本物の歌声が染みまくる「Never Enough」、ザック&ゼンデイヤというスターがコラボした売れ筋POPS路線としての「Rewrite the Star」・・・

捨て曲がなく、すべてがシングルカットしてリリース出来るクオリティ。

 

 

「ラ・ラ・ランド」も近いです。

冒頭の高速道路のシーンの「Another Day of the Sun」、エマ・ストーンが輝く「Someone in the Cloud」というキャッチ―な2曲と、主役二人を好きにならざるを得ない「City of Stars」に「Audition」。

ラ・ラ・ランド(字幕版)
 

 

 

ミュージカルじゃないけど、例えば「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズはそれこそプレイリスト的な曲使いが魅力的だし、近い所だと「ベイビードライバー」もその方向ですね。

 

映画そのものが、監督やクリエイターたちによってキュレーションされたベスト盤。

 

これらの映画は、公開前の段階である程度の数の曲の情報を出してベスト盤感を出しているのも共通かもしれません。

 

逆に、メイン曲だけで勝負していた「アリー スター誕生」。

確かに「Shallow」はめちゃくちゃ良い曲で、作品をひっぱる力もあった。

ブラッドリー・クーパーが歌ういくつものカントリー曲も良かった。

だけど、圧倒的な「量」として、映画自体がプレイリストとしての役目を果たせるほどの、メインに出来る曲の数が足りない気はしたんですよね。

そして、「Shallow」だけにフォーカスせずに、もっとブラッドリーの楽曲の良さを事前に推しても良かったんじゃないかと思っています。

正直彼があんなに歌っているなんて観る前の情報ではわからなかったので。

 

 

「良い楽曲」が何なのか、当然人によって感性は違うし一概にはいえませんが、感情が揺さぶられるメロディ、体温のこもった歌声、そしてそれを口ずさみたくなるかどうかが個人的な基準です。

「メリー・ポピンズ リターンズ」では、正直そこが不満点。

記憶に残る、アルバムを買いたくなるような楽曲があんまりなかった。

なんとなく曲の全体的な雰囲気がディズニーランドのパレードの感じそのままで合わなかっただけかもしれませんが、私のお気に入りのプレイリストとして持ち歩きたいと思えなかったんです。

 

 

そしてその楽曲を表現するパフォーマンスにも不満が。

そもそも監督とパフォーマンスに求めるものが違うのかもしれません。

 

比較するのはあまり好きではないですが、「グレイテスト・ショーマン」や「ボヘミアン・ラプソディ」の楽曲とパフォーマンスって、そこに込められた覚悟や執念の宿る感情が主役で、そのために湧き出てきたものをダンスで表現している、ステージングで表現している、という感じが好きなんです。

それは役としての感情であり、演じるキャストの想いであり、それを映像としておさめる監督やクリエイターたちの執念であり。

 

「メリー・ポピンズ リターンズ」はキャストの歌唱力もパフォーマンス力も高いのですが、セットや照明などに見える全体的な舞台装置感になじめず、そこで繰り広げられる群舞シーンなどでの規則立てられた振付に「動きをこなしている」という感じが拭えなかったんですよね。

 

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内側から出てくる熱量みたいなものが足りない。

 

監督のロブ・マーシャルの過去作品では「シカゴ」は好きですが、「NINE」はダメダメだったと思っています。

それこそ同じように舞台的すぎる事でキャストが駒のように配置され動かされ、パフォーマンスに感情が感じられないってとこが理由。

 

ロブ・マーシャルは振付師として名を馳せた人。

なので、一歩引いて俯瞰で全体の配置や進行を観る事に長けた人なのかもしれない。

そうすると、楽曲一つ一つに熱い想いをかけ、それをキャラクターの芯から発する感情として役者に託す昨今の音楽映画・ミュージカル映画のヒットメイカーたちには一歩及ばないのかもしれない。

 

 

「メリー・ポピンズ リターンズ」自体がそういった感情性を重視した作品ではない気もするので、これは相性の問題かもしれませんが、今のこの音楽=プレイリスト主義な時代に、そしてクリエイターたちの執念が滲みだす音楽映画がヒットする時代に、オリジナルのファン以外の方がこの作品をどのように観るのかはちょっと興味が。

 

 

 

さて、音楽映画のブームはまだまだ続いていきます!

今年はタロン・エジャトンくんがエルトン・ジョンを演じる「Rocketman」に期待。

www.youtube.com

 

まさかキングスマンでのあの共演が、こんな形でつながっていくとはねえ…。

タロン君の歌のうまさは「シング」のゴリラ役で堪能できるので気になる方は是非!

 

思えば「シング」のヒットも、プレイリスト的かも。

ではまた次回!

 

※画像は全てimdbより引用